有限会社カムシーリング 様
アナログ印刷の課題を解決し、市場のニーズに応える。
オンデマンド機で切り拓くシール・ラベル印刷の新たな領域
埼玉県所沢市で、40年以上にわたり、シール・ラベル印刷会社を営んできた有限会社カムシーリング様。アナログ印刷が抱えるさまざまな課題を解消するために、このほどコニカミノルタのデジタルラベルプリンター「bizhub PRESS C71cf」を導入。それからまだ日が浅いにも関わらず、デジタルならではの機能や性能をフルに活かし、シール・ラベル印刷ビジネスの可能性を大きく広げています。
導入前の課題
代表取締役社長 城 篤史 様
課題
- 凸版印刷機では、グラデーションの表現が難しい
- 印刷作業には確かな知識と経験をもった職人が必要
- 増加する小ロット、短納期のニーズへの対応が困難
解決
- デジタル印刷機で、なめらかなグラデーションが実現
- 印刷作業はモニターの指示に従って操作し、スキル不要
- 必要な時に必要な量だけ、スピーディーで無駄ない印刷
背景
アナログシール・ラベル印刷が抱える2つの課題
「凸版印刷機をメインに使っていますが、アナログ印刷にはいくつか解決できない課題があるんです」。お話いただいたのは代表取締役社長の城(たち)篤史様。「フルカラー印刷の場合、4枚の版を合わせて印刷をしますが、色を安定させたり、版ズレが起きないようにする調整が難しい。特に最近は高画質が求められる印刷物が増えてきて、表現できないものも出てきました」。例えば、色彩のグラデーション表現。凸版印刷では、色あいの段階的な変化が、あるところでプツッと切れてしまいます。これがアナログ印刷の課題のひとつ目、技術的な問題です。
もうひとつの課題は人のスキル問題です。「アナログの印刷機を扱うには、版をちゃんと貼れるか、インクの調整ができるか、印刷機を操作できるかという、知識と経験が不可欠なんです」と城様。確かなスキルを持った職人でなければ、アナログの印刷作業はできません。技術と人のスキル、この2つが、カムシーリング様の長年抱える課題でした。
変化しつつある市場のニーズに応えたい
シール・ラベル印刷のニーズは、近年大きく変わってきました。市場に多種多様な商品が並び、それに合わせラベルも小ロット・多品種の印刷が求められるようになりました。「我が社にもオンデマンド機がありますが、それはA3の用紙に面付けをして出力するもので、数百枚以上になると対応できません」と城様。また、短納期のオーダーも増加しつつあり、製版が必要でセッティングに時間がかかるアナログ印刷では、スピーディーな要求にはなかなか応えられなくなってきました。
「我が社が抱える課題と、市場のニーズの変化、これらに応えられる策はないかと思案していたところ、コニカミノルタさんにオンデマンド機を提案されたのです」。発売されたばかりの「bizhub PRESS C71cf」を様々な面から検討を重ねた結果、導入することとなりました。
凸版印刷機、シルクスクリーン印刷機など、アナログ機が稼働する工場1階
作業台周辺に置かれた職人の道具
導入の効果
使うほどに、高画質と高い生産性を実感
「使ってみて、一番実感したのは、画像品質の高さです。なめらかなグラデーションが実現したことはもちろん、これまでのアナログ印刷と比較しても遜色のない仕上がりでした」。オンデマンド印刷の画質は、独特でクセがあると認識していた城様にとって、これは嬉しい驚きでした。「画質に大きな差があると、それぞれの印刷機の画質特性に合った印刷物にしか使用できません」。しかし、画質に差がなければ、ロット数に合わせてアナログ機とオンデマンド機を使い分けることが可能になります。
「印刷機運用、操作の手間も大幅に軽減できました」。アナログ印刷に不可欠だった版作りやセッティングの手間がなくなり、職人のスキルに頼る必要もなくなりました。「導入時に、ちょうど手頃な仕事があったので試しに使ってみたらすぐに刷り上がり、その日のうちに納品することができました。実際に仕事になるのは何カ月か先だと思っていたので、まさに即戦力でしたね」とのこと。
これまでアナログ印刷で抱えていた技術の課題とスキルの課題が、一挙に解決することができました。
bizhub PRESS C71cfは省スペース設計で、限られた設置スペースにもすっきり収まります。
弱点だった中ロットのボリュームゾーンを補強
タック紙に、毎分13.5mのハイスピード印刷を実現する「bizhub PRESS C71cf」。得意とするボリュームゾーンは、数千枚から1万枚のいわゆる中ロット。「我が社がいままで十分対応できていなかったゾーン、ちょうどこの部分のニーズがどんどん増えています。ビジネスとしても、すごく助かっていますね」と城様。
オンデマンド機ならではの機能として、1枚毎に印刷内容を変えるバリアブル印刷やナンバリング印刷への対応があります。「現在は、連番が入った引換券や、ロットナンバーが入った製品シール、可変のバーコードの印刷などに活用しています。これで、仕事の幅が大きく広がりました」。
さらに「我々にとってありがたいのは、刷り上がる印刷のピッチが一定なことです」。ラベル印刷機は印刷のピッチに合わせ、マークを打ちながら印刷します。この「アイマーク」を読み取ることで、次の抜き加工や重ね刷りなどの作業を行います。「これまでのオンデマンド機は、印刷のピッチが不安定で抜き加工の調整が難しいというイメージを持っていました。送りが正確というのは、シール・ラベル印刷業にはとても重要なポイントなんです」とおっしゃいます。
工場の2 階に設置された「bizhub PRESS C71cf」。アナログ機では手間がかかったカラー調整やセッティング作業も、ディスプレーの画面指示に従うだけでシンプルかつスピーディーに行えます。
コニカミノルタならではのサービスと手厚いサポート
インク代はランニングコストを大きく左右する重要な要素。例えばベタ面が多い印刷と文字だけの印刷では、使うインクの量が大きく変わってきます。「このC71cfは、使ったインクにお金がかかるのではなく、印刷した用紙のメートル単位で料金を支払う契約です」。一般的に印刷の見積は、色数とサイズ、枚数で出します。受注してから、お客様のデータがベタが多かった場合でも、提示した見積はなかなか訂正できません。「これなら、最初から正確な見積が出せる。この契約条件は、とても助かっています」とのこと。
「我が社のような規模の会社は、不具合等で印刷機が停まるのが大問題。短い停止期間でもビジネスに大きな影響を受けます。その点、コニカミノルタさんのスピーディーなサポートはとても安心ですね」。操作で難しいところは丁寧に説明してくれたり、不具合があればすぐに対応してくれたり。万一の場合、全国各地にサービス拠点を持つコニカミノルタなら、一番近い拠点からすぐに駆け付けてくれる。その点も心強いとのことです。
コニカミノルタの「bizhub PRESS C71cf」
主な満足ポイント!
- 数千枚から1万枚程度の中ロット印刷に対応できる
- バリアブル印刷で、印刷に付加価値をプラスできる
- 印刷のピッチ精度が高いため、微調整の必要がない
- コスト計算がしやすい料金設定
今後の展開
既存の印刷機とオンデマンド機の共存を
「オンデマンド機は、マーケットのニーズ、我が社のニーズにしっかり応えてくれるものです。でも、これまでのアナログ印刷機にも良さがあります」と城様。アナログ印刷の実績で依頼される仕事もあるため、いっぺんにオンデマンド機に置き換えてしまうことは困難です。「今後も、アナログ印刷機をスポイルするのではなく、良さを引き出しつつ、オンデマンド機と上手に共存を図っていきたい。例えば片面をオンデマンド機で作って、裏面をアナログ機で印刷するデジタルとアナログのハイブリッドなども面白いと思いますね」とおっしゃいます。
「bizhub PRESS C71cf」で印刷されたラベルのサンプル。特にバーコードなどのバリアブル印刷や、なめらかなグラデーションを得意とします。
シール・ラベル印刷以外の分野にも
最後に、「bizhub PRESS C71cf」を活用した今後の展開をお伺いしました。「これまで我が社は、シール・ラベルをメインとしてきましたが、この印刷機で、シール・ラベル以外の分野にも使っていきたいですね」。タック紙等だけでなく、多彩なメディアに対応できるため、POPやポスター、長尺の印刷物も印刷することが可能。「私は、箱や立体物のPOP作りにチャレンジしてみたいなと考えているんです」とのこと。さらに、商品ラベルとPOPを連動させた販促ツール作りなどの展開も可能です。「シールだけでなく、一歩踏み込んだ幅広い印刷ができる。ビジネスの可能性は大きく広がっていきますね」。導入してまだ間もない「bizhub PRESS C71cf」ですが、すでにカムシーリング様のこれからのビジネスを担う重要なツールとしてフル稼働しています。
パッケージの印刷物
デジタルラベルプリンター「bizhub PRESS C71cf」 の特長
- オフセット印刷に迫る1200dpi の高画質
- クラス高水準、タック紙で毎分13.5m の生産性※1
- 食品安全性に配慮したFDA 基準※2に準拠したトナー
- メンテナンスやジョブ変更時の作業容易性を確保
- 5.0m×3.0m に設置可能な省スペース設計※3
- ※1:
- 毎分18.9m/13.5m/9.45mの3 段階よりメディアに合わせて切り替え
- ※2:
- 食品・医薬品・化粧品などの消費者が接する可能性のある製品にFDA(アメリカ食品医薬品局)が設定している厳しい安全性基準
- ※3:
- システムサイズ:奥行き1,100mm×幅4,000mm
プロフィール
名称 | 有限会社カムシーリング |
---|---|
住所 | 埼玉県所沢市南永井570-3 |
設立 | 1971年10月 |
従業員数 | 10名(2016年9月時点の正社員) |
事業内容 | シール・ステッカー全般の印刷 |
ホームページ | |
概要 | 小ロット対応のオンデマンド印刷、小ロット2層ラベルやスピードくじなどの印刷をはじめ、シール印刷全般に対応した埼玉県所沢市のシール・ラベル印刷専門工場。昭和46年の創業以来、高品質、短納期、リーズナブルをモットーに、確かな経験とノウハウを駆使し、お客様にご満足いただける商品の提供に務めている。 |
取材 | 2016年9月 |
記載されている情報は取材時のものであり、閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
その他の導入事例
目的別で探す | 業種別 | ソリューション・サービス・製品別 | |
---|---|---|---|