本当は間違ってる!?中小企業の人手不足対策

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本当は間違ってる!?中小企業の人手不足対策

大手の飲食チェーンでも営業時間を短縮するニュースが出るなど、人手不足は企業の事業に影響が出る経営課題となりつつあります。統計データによると人手不足感は大企業より中小企業で強く、賃上げによる対策にも限界があります。
今後は急速に進む労働人口の減少を前提に、人が少なくても成果を出せる効率的な働き方や、多様な働き方を認める「働き方改革」を進めることが、魅力的な職場として人材募集に役立つ時代がやってきます。

INDEX

データに表れる中小企業の人手不足

「働きやすさ」を重視する求職者が増えている

複数の調査で6〜7割の企業が人手不足に直面している、という統計データが出ています。

まとめると「2009年をピークに失業率は低下、有効求人倍率は上昇を続け、2018年通年での完全失業率は2.4%、有効求人倍率は1.61倍となった。どちらも1990~1991年ごろのバブル絶頂期と同程度の水準」という人手不足に至っています。(リクルートワークス研究所)

人手不足に対する企業の取り組み

企業の人手不足に対する対策とその取り組みの割合は以下のとおりです。企業は採用の拡大と求人条件の改善によって対処しようとしていることがわかります。

人手不足に対する対策とその取り組み

引用:内閣府資料「人手不足感の高まりについて」

外部からの人員確保

  • 中途採用の強化
  • 採用対象の拡大
  • 新卒採用の強化
  • 非正社員の活用

求人条件の改善

  • 募集賃金の引上げ
  • 募集時の賃金以外の条件改善

内部の人員確保

  • 定年の延長等
  • 正社員登用

業務の効率化や省力化投資

  • 業務の効率化
  • 省力化投資

長引く人手不足!本当の原因は「労働人口の減少」

人手不足が2009年から長期化している本当の原因は、景気拡大によるものではありません。日本では少子高齢化によって労働人口の減少が急速に進むと予想されています。

日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年の約8,700万人をピークに減少に転じていて、2060年には2015年の6割となる約4,800万人まで減少すると推計されています。東京都が3個以上消滅する規模で働ける人の数が減っていくのです。

つまり人材募集の拡大や賃金の引上げによって一時的な採用強化を図っても、体力に劣る中小企業は大企業と競争できず、また6割の人間で生産量を維持しなければならない時代がすぐそこに来ているのです。

年齢別人口推計の推移

引用:

「働き方改革」は中小企業の人手不足対策にも有効

人手不足という課題に対して社員を増やすことに目を向けがちですが、実は既存の社員が十分に生かされていない側面もあるようです。

一方、経営陣は人材不足の中でも生産性向上や事業拡大に向けて進もうとしています。とはいえ現場では、すでに複数の仕事を兼務するなど、ぎりぎりの努力をしていて、その上で更に生産性を上げるとなると、どうするべきなのか分からず困っているなど、経営と現場の間でギャップが生まれているのが実情ではないかと思います。

このギャップを埋めるために手助けになるのが、ITを活用した働き方改革の実現です。働き方改革によって効率的な働き方が実現できれば、社員の強みを生かした組織づくりや事業を創造する機会が生まれます。
そして、フレックス勤務やリモートワークなどの柔軟な働き方ができる環境が整い、働き手にとって魅力的な企業になることで、そこで働きたい人が増えて人材不足の解消につながるという好循環が生まれてきます。

まとめ

「働き方改革」を行うことで、人材を集める

複数の調査から6〜7割の企業が人手不足を感じていること、もう10年近く人手不足が続いていることを見てきました。その背景には少子高齢化による労働人口の急速な減少があり、それに気づいた政府は「働き方改革」を通じて企業の生産性を高め、経済の活力を維持しようとしています。
待遇面で大企業に敵わない中小企業では、効率的な働き方や多様な働き方を認める「働き方改革」を行うことで、結果として魅力的な職場と認知され人材を集めることができるようになるはずです。

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