投資家向け広報サイトを成功に導く3つのポイント
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IRサイトは、投資家やステークホルダーに対して、企業の方針や現状をわかりやすく、正確に発信し、自社への興味関心と信頼を高める重要な役割を果たします。投資家向け情報を掲載するサイトを運営するポイントとなるのは、「投資家の信頼」と「外部評価」をどちらも向上させることです。とはいえ、実際に運営していても上手くいかないことは多々あるでしょう。今回は、投資家向け広報の難しさに悩む担当者さまに向けて、投資家向け情報の適切な伝え方とは何か?を今一度振り返りながら、成功を導くうえで必要となる3つの改善点について解説します。
目次
IR担当を悩ます投資家向け情報の適切な伝え方とは?
IR担当者の業務は、投資家向け広報と呼ばれるものの、一般的な広報とは違い、自社の価値を高める情報発信だけでなく公正な事実を伝えなければいけません。企業の財務状況や経営戦略に対する説明の責任がある一方で、投資家とのより良い関係作りも望まれるため、日々の業務環境において頭を抱える担当者の方も多いことでしょう。
投資家向け情報発信では、IR情報をまとめたWebサイトの運営も重要なIR活動の一つです。Webサイトの運営には、他の業務同様、幅広い情報収集が必要となり、最新の状態を保つだけでなく、投資家との関係を構築するための新たなコミュニケーションを維持することも大切です。ここではまず、Webサイトにおける投資家向け広報の失敗例から振り返り、現在のWebサイトの見直しの材料を探っていきましょう。
投資家向け広報サイトが失敗する特徴
上手く機能していない投資家向け広報サイトの特徴をまとめると、下記のような状態になっている場合があります。

優れた投資家向け情報を載せているサイトであっても、必要な情報を見つけてもらわないことには情報を届けることができません。サイト自体は作り込んでいても、Webサイト自体がわかりづらい、どんな情報が載っているのかわからない、といった初歩的な導線のミスがあると失敗につながります。
財務情報や株式情報、経営方針、現在までの活動の成果、ニュース速報など、投資家に伝えるべき情報はさまざまにありますが、最低限伝えなければいけないことはもちろん、需要を見極めたうえで投資家にとって必要な情報を載せることが大切です。
見落としがちな事柄として、ページの場所が見当たらないだけでなく、重いPDFファイルを一つずつ開かなければわからないような情報が羅列されていたり、目次のない長文のコンテンツや、クリックする度に新しいウィンドウが開いたりするといった状態は、情報を受け取る際のわずらわしさにつながってしまうことがあります。投資家向け情報は、役に立つ内容をできるだけ楽に得られるようにすることもポイントです。
また、Webサイトの中にコミュニケーション手段がないこともマイナスの評価につながってしまうことがあります。投資家との良好な関係を築くためには、問い合わせ窓口などを設けて投資家からの連絡を受け付けることも大切です。コミュニケーション手段を設けることで、企業からの情報発信のみといった一方的な印象を避けることができるでしょう。
投資家向け広報サイトを成功に導く3つのポイント
オンラインでの企業情報開示・発信を強化する企業は急増しています。ただし先述したようにWebサイト運営を行っていても上手く機能しないケースは少なくありません。
ここでは、そのようなときにここだけは確実におさえておきたい3つのポイントをまとめました。投資家向け広報サイトの運営で主に意識しておくと役立つのが「コンテンツの網羅」「サイトの使いやすさ」「組織体制と連携」です。
コンテンツの網羅
投資家向け広報で一般的にWebサイトに掲載されるコンテンツには下記のような項目があります。

企業概要などを載せるコーポレートサイトとは異なり、投資家向け情報に特化したコンテンツを揃えます。最優先として、必須の財務情報を網羅しているかを今一度見直してみましょう。各項目の中で掲載する情報はさらに複数あるため、細かく見直して改善点を探っていきましょう。
そしてコンテンツの網羅では、注目を浴びやすい非財務情報を開示するとさらに良くなります。非財務情報としては、例えば下記のような事柄があります。

IR活動に関連して非財務情報の開示を進めている企業は近年増加傾向にあり、財務情報とあわせたアピール要素として重要視されるようになりました。社会的に意識が高まっているサステナビリティに関する情報はとくに注目されています。コンテンツの見直しでは、こうしたトレンドも意識しながらより充実した内容を目指すのがコツです。
サイトの使いやすさ
デザイン面では、派手に目立たせたデザインよりも情報を端的に発見できるシンプルなデザインが好まれがちです。スマートフォン対応にするなどの基本的な部分や、海外投資家への対応も含め、多言語対応も検討が必要になります。
投資家向け広報サイトが失敗する特徴でも触れましたが、投資家向け情報の掲載は、投資家がスムーズに情報を受け取れるようにすることが大切です。投資家向け広報サイトは、投資家の目線になってWebサイトの課題解決を意識すると新たな改善策が見えてくることもあります。

また、サイトの使いやすさはIR担当者にとってもメリットにつながります。IR情報開示は新鮮さが重要なため更新も素早く行うことが必要ですが、更新に手間がかかると作業時間のロスと共にデメリットも増える可能性があるでしょう。更新を素早く楽に行うためには最適なツールの導入もポイントです。
外部サービスを効率良く駆使することで、見る側と作る側の双方にとってより使いやすいサイトに仕上がるでしょう。
組織体制と連携
Webサイトで投資家向け情報を発信する際の見落としがちな事柄の一つに、良好な組織体制と連携があります。正確で新鮮な情報が常に望まれる投資家向け広報サイトは、一般的なWebサイトよりも運営の負担が大きいことはすでに実感されていることと思いますが、こうした負担をできる限り軽減させることも成功を導くためのポイントです。CMSや自動化ツールなどを使用すればある程度の更新の負担は軽減されるものの、コストやセキュリティといった様々な事柄も踏まえるとなかなか完璧な環境作りは難しいことがあります。

各部署とのコミュニケーションをとることも含めて、サイトの運営においても部門をまたいで連携をとり知見と情報を集約しましょう。運用のための組織体制を見直すことも、より良いサイト作りに必要な要素です。
投資家向け広報にお悩みの担当者さまへ
コニカミノルタジャパンでは、IR評価サイトにて1位を獲得した自社の実践に基づき、「投資家の信頼」と「外部評価」を両方向上させるための確実におさえるべき3つのポイントに限定してご紹介しています。 IRサイトの基本をおさらいしたい方にも役立つ情報をご用意していますので、ぜひこれからの運用にご活用ください。
