BIツールとは？

BIツールとはビジネスインテリジェンスツールの略称で、企業が保有する様々なデータを集約・可視化が出来るツールのことです。

BIツールの目的・役割

BIツールを導入する目的は、主に経営や日々の業務で発生する意思決定の際に、その判断材料となる情報を集約・可視化することで正確かつ速やかに意思決定のサポートを行うことにあります。
企業のデータ活用が活発になる近年、考慮しなければならないデータが増えており、BIツールの価値はますます高まっていると言えるでしょう。

【図解】BIツールを構成する3段階の仕組み

1. データの収集

BIツールを使うには可視化をするために必要なデータをBIツールに収集しなければなりません。
一般的にはお使いの基幹システムと連携し、自動的にBIツールへデータが収集されるようにします。

2. データの分析・集計

BIツールにデータを収集できたら、晴れてデータの分析・集計機能の出番です。
何のデータをどのような切り口で分析したいのかを事前に考えておくとスムーズです。

3. データの可視化

データの分析・集計が終わったら、誰でも理解しやすい形に可視化します。
何のデータをどのような方法（棒グラフ、折れ線グラフなど）で可視化するのかを事前に考えておくとスムーズです。

BIツールが活用されているシーン

経営分析・財務分析

社内の情報を活用した重要な意思決定の場として経営について分析することが可能です。
BIツールの導入によって散らばっていた情報を集約し、俯瞰して判断をすることが出来るようになります。

営業分析・売上分析

営業部門で気にかけなければならない成約率や売上高もBIツールの導入で簡単に分析、可視化をすることが出来るようになります。

人事データ分析

人材の適切な活用がさけばれる中、BIツールを導入すると従業員のアンケート結果やスキルセットなどの情報を集約し、人事に関わる判断を補助することが出来ます。

残業分析

勤怠管理システムとBIツールと連携することで、出退勤の時間や残業時間などの情報を可視化することができます。残業の多い部門などが可視化されることで改善に向けたアクションに移ることが出来ます。

予算管理システム

予算管理は従来Excelで管理されていることがありましたが、運用していくうちに集計や分析方法が複雑になり、人の手が介在することによって計算ミスなどのリスクがありました。
BIツールを利用するとあらかじめ決められた計算を自動的に行ってくれるものもあるため、可能な限りヒューマンエラーの可能性を排除することが出来るようになります。

帳票自動作成

導入するBIツールによっては集計結果をあらかじめ決められたフォーマットで自動的に帳票を作ってくれるものもあります。最新の状況を反映した帳票をいつでも作成できるため、作業工数を減らすことができます。

BIツールのメリット

BIツールは社内に散らばっているデータを一か所に集約し、集計漏れ無く正確にデータを分析、可視化をすることができ、重要な意思決定の参考とすることが出来ます。

BIツールのデメリット

BIツールを導入するためには既存のシステムと連携する必要があり、さらには既存の集計方法を用いた業務フローからBIツールを活用した業務フローに変更する必要があります。
導入初期はBIに慣れるまで導入以前よりも業務に時間がかかってしまうこともあるでしょう。

BIツール導入方法

1. 要件定義

BIの導入を検討する際は、やみくもに導入するのではなく、事前に導入目的や分析対象、どのような業務改善が望めるかをイメージしたうえで、導入を決定しましょう。

2. 設計

導入に向けて要件の定義が終わったら、BIシステムの設計を行います。
その際に設計するのは主に、データを格納する「データウェアハウス」、データの切り口や分析の数値を分類した「データモデル」、分析する画面や分析結果を表現するグラフといった「画面」設計が挙げられます。

3. POC（概念実証）

以上のBIツール導入準備が整ったら、POC（概念実証）を行います。
当初想定していた運用フローは実現できるのか、欲しい集計結果が実際にはどのように計算、表示されるのか、実際に運用する担当者の意見などを確認しましょう。

まとめ

BIツールの価値は、データ分析を簡素化し、データを手作業で操作してレポートやダッシュボードを作成する時間を短縮できることにあります。BIツールでのデータ分析は、手作業で行うよりも迅速かつ正確に行うことができ、さらに、データのパターンや傾向を認識し、顧客のニーズや行動をより深く理解し、意思決定の改善に役立てることで、企業の競争力強化に貢献します。専門的な知識がなくても簡単に利用できるBIツールを利用し、経営を加速させていきましょう。