飲食業界の課題

まずは飲食業界が抱える課題についてご紹介します。

コロナによる売り上げ低下

飲食業界が人材不足や廃棄ロスという問題を抱える中、新たな問題として新型コロナウイルスが出てきました。
この外部環境の変化によって人の移動が制限されることとなり、結果的に売り上げが低下してしまうということになりました。
また仮に店舗へ顧客が訪れたとしても、クラスター（感染爆発）の発生を防ぐために稼働させることができる席数が制限されています。

食品ロス

食品を提供している以上は消費期限の問題で、一定数の食品廃棄はさけられない部分はありますが、SDGsへの注目の高まりによって、企業の社会的に責任として食品ロスの低減がより求められるようになっています。
しかし適切に市場のニーズをとらえて、発注することは難しいのが現状です。

人手不足

飲食業界は一般的に業務の負担が大きいわりに、求められるサービスの質が高く、賃金が十分でないことを背景に、慢性的な人手不足が指摘されています。
人手が足りない為、個人に割り振られるタスクの負荷が高くなり、離職率も高いのが現状です。

飲食店におけるAIの活用事例

ここからは飲食店で活用されているAIについての事例をご紹介致します。

来客数の予測

適切な発注や人員配置を行うためには、「いつ何人の顧客が店舗に来店するのか」、「どのような販促を行うと何人来店するのか」という来客数の予測をする必要があります。

そこで有効活用できるのが、AIによる来客数予測です。
過去の実績やその他複数の要因によって、一定期間の来客数の増減を予測することができます。

このような予測は人の手によっても予測はできますが、AIだからこそ人が計算するよりも短い時間で大量のデータをもとに予測を立てることが可能です。

AIレジ

レジスターのようなハードウェアの面でもAIの導入が進められています。
身近なものだと株式会社ユニクロによる画像認識を活用したAIレジが登場しており、飲食業界ではパン屋などで導入されています。
このAIレジの導入によって、レジスターに配置するための人件費や教育コストを削減することができます。

セルフオーダーシステム

大手チェーン店などではタブレットを活用したセルフオーダーシステムが導入されていますが、比較的小規模な店舗でも導入しやすいのがQRコードを活用したセルフオーダーシステムです。

各テーブルにQRコードが設置されており、顧客が自身の携帯端末でそれを読み取り、オーダーを行うという仕組みです。
このセルフオーダーシステムの導入によって顧客自身がオーダーを行う為、人件費や人的ミスの削減をすることができます。
また将来の展望として、注文履歴が必然的にデータ化されるため、過去の注文を分析するのに役立てることができます。

AIによる発注・在庫管理

発注や在庫管理の基本として、必要なものを必要な時に提供できるようにする必要がありますが、機会ロスを防ぐために余分な発注をしてしまったり、逆に廃棄を極力減らす目的で発注量を減らしたがために機会ロスを生んでしまったりします。

また、発注・在庫管理業務はベテランの人間が務めることが多く、自身の勘や経験に基づいた発注を行っていることが多いです。そのため、後任の育成や知識の共有が難しいという問題点があります。

そして、以上を解決する手段としてAIによる発注・在庫管理の導入が進められています。
ベテランも新人も同じAIシステムを用いることによってスキルの標準化が可能になり、育成コストの削減できるほか、需要予測にかかっていた時間を大幅に削減することができます。

まとめ

今回は飲食店が抱えている課題を元にどのようなAIの導入が進められているかをご紹介致しました。

現在の飲食業界は複数の課題を同時に抱えており、業務の負担に対して賃金が十分でないことを背景に、人手不足になるという負の連鎖を起こしています。

よって今まで以上に無駄のない経営と投資が重要になっており、まずは各課題を解決するための手段として導入可能なものから検討してはいかがでしょうか。