いま流行りのAIでは一体何ができるの?
正しく知識を整理してAIを活用しよう!

最近、様々なシーンで活用が広がっている「AI(人工知能)」ですが、「万能なもの」という漠然としたイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?実際、日常ではほとんど意識することがないかもしれませんが、私たちはAIによる恩恵を数多く受け、必要不可欠な存在にまでなっています。そんな万能そうに思えるAIですが、何でもかんでもできるわけではありません。

それでは、「AI」は一体何者なのでしょうか…?
AIを正しく理解することが、AIを身近に感じること、そしてAI活用への一歩を踏み出すと考えているため、今回は、
・AIを活用することでどのようなことが可能になるのか?
・一方でAIが苦手としている分野はどのようなものか?
について、整理していこうと思います。

よく聞くAIは一体どんなもの?

AIとは「Artificial Intelligence」の略であり、日本語では「人工知能」と呼ばれています。具体的には、言語理解や推論、問題解決などといった知的行動を「人間に代わってコンピュータに行わせる取り組みや技術全般」のことを指します。
AIというと”最近話題になり始めたもの”というイメージがあるかもしれませんが、実際には「第1次AIブーム」が1950年代~1960年代にかけて、「第2次AIブーム」が1980年代に起きています。しかしながら、いずれも大きな成果は出ず、現在の「第3次AIブーム」によって実用面での応用が急速に拡大し、脚光を浴びています。

AIができること?

AIについてざっくり触れたあとは、AIができることについてお話ししていきます。AIは機能別に考えると、大きく以下の4タイプに分類することができます。

  • 識別系AI
  • 会話系AI
  • 予測系AI
  • 実行系AI

ここからは、それぞれの特徴や活用例について詳しく説明していきます。

認識を行う「識別系AI」

識別系AIでは、視覚や聴覚などを用いた認識ができます。識別系AIの代表例としては、「画像認識AI」「音声認識AI」が挙げられます。

画像認識AI

識別系AIの一つに、「画像認識AI」が挙げられます。画像認識とは、表示された画像に対し、その中に写っているものの認識や判断を行う技術です。
画像認識AIのビジネス活用例としては、医療分野での早期がんの検出やスーパーマーケットでの顧客行動を分析し、マーケティングデータとして活用する試みが挙げられます。
医療分野での早期がんの検出では、専門家でも認識が困難な胃がんを高精度で早期発見できるようになり、従来の人力では難しかったことを可能にしました。また、スーパーマーケットの例にあるように、画像認識AIは静止画だけでなく、動画でも能力を発揮することができます。

音声認識AI

「音声認識AI」も識別系AIの一つに分類されます。音声を認識してテキストに書き出すほかにも、その音声に応じて何かしらのアクションを起すことができます。
活用例としては、web会議での自動文字起こし(議事録)や字幕テロップなどが挙げられます。単に文字起こしをするだけでなく、中には「誰が、いつ、どのような発言をしたか」を時系列でまとめてくれるものもあるため、このツールを活用することで日々の業務の一部を効率化することができます。
また、音声を用いてエアコンや電気の操作を行うことができるAmazon EchoやGoogle Homeなどのスマートスピーカーもこの音声認識の技術を活用しており、身近な日常生活にも続々と導入されています。

言語表現が可能な「会話系AI」

会話系AIとは「会話をするAI」のことを指し、言語表現が可能です。会話系AIの代表例としては、「チャットAI」が挙げられます。

チャットAI

「チャットAI」は、主にWEBサイトでの問い合わせ対応を行う自動会話プログラム「チャットボット」に使用されます。
チャットボットには「AI搭載型」と「AI非搭載型」があり、AI非搭載型は人間が設定したルール上でしか対応できません。したがって、一貫した単純な質問に対する回答を得意としています。一方で、AI搭載型は質問に対して統計上正解とされる確率が高い回答をアルゴリズムによって算出し、答えるものです。
つまり、AI搭載型ではより複雑な質問への回答を可能にし、AIの機械学習により、運用期間が長くなればなるほど回答の精度が上がるという特徴があります。これまでは人の手を介し、解決までに複数回のメールのラリーが必要だった問い合わせに迅速に対応できるなど、AI搭載型チャットボットを導入することで、業務の効率化を図ることができます。

データから物事の発生の予測を行う「予測系AI」

予測系AIでは、今あるデータから未来の物事の発生や値を予測することができます。予測系AIの代表例としては、「需要予測AI」や「異常検出AI」が挙げられます。

需要予測AI

需要予測AIでは、蓄積された過去のデータや気象情報などの変動要素を学習し、将来の需要を予測します。
従来の需要予測というと、熟練担当者の経験や感覚を元にした予測を行っている場合が多く、そのような体制では予測精度のバラつきが懸念されることや、業務の属人化によるリスクが生じていまいます。しかしながら、需要予測AIを導入すると、担当者が入力するデータの加工やモデルの選定などを行った後はAIが予測してくれるため、業務の属人化を防ぐことができます。
さらには高精度の需要予測が可能となり、市場の変化にいち早く対応できるなど、企業利益の最大化を図ることができます。

異常検出AI

異常検出AIでは、AIがデータの特徴を抽出し、通常のパターンとは異なる動きを検出することができます。人力で行う異常検出で生じてしまう取りこぼしミスをAIの導入により減らすことができ、生産性の向上を促します。
異常検出AIが活用される例として、機械故障トラブルの予防に使用されるほか、クレジットカードの不正利用を検出するなど、さまざまな分野で活用が拡大しています。

実際に物体を動かす「実行系AI」

実行系AIは、体や物体などの制御や操作を行うことができます。実行系AIの代表例としては、「機械制御AI」が挙げられます。

機械制御AI

産業用ロボットや自動車、センサーなどの制御に「機械制御AI」を活用することで、コンピュータによる自動化とは異なり、AIがデータを理解し学習して常に最適な制御を行うことができます。具体的には、データセンターで数多くのサーバー群を冷却する設備にAIを導入することで、常に最適な制御が行われ、従来の人力で行っていた頃と比べて、電気代の大幅な削減につながるといった事例が挙げられます。
AIは単に正しく制御するだけではなく、繰り返し制御を行うことで、そこから得られるデータから学習し続けます。したがって、AIによる継続的な学習により、導入後時間が経つにつれてさらに高精度な制御が行われることから、継続した効果の拡大も見込めます。

AIが苦手なこと

ここまでは、AIができることを大きく4つのタイプに分類し、ご紹介しました。
すでに幅広い分野でAIの活用が広がっており、やっぱりAIは何でもできるのでは?というイメージを抱く方もいらっしゃるかもしれません。最近では、「AIが人の仕事を奪ってしまう」と話題になることもしばしばありますが、実際のところAIにも苦手なことはあります。
では、現在のAIは一体何を苦手としているのでしょうか。

1:新しいことを生み出すこと

AIは、0→1という全く何もない状態から新しいものを生み出すことを苦手としています。最近では、AIによる作曲や小説の執筆が話題になりました。一見AIによるクリエイティブな作業も可能になったように見えますが、これらは決して何もない状態からは生み出すことができません。
AIによる作曲や小説執筆の仕組みとしては、まず人間がAIに実際の作品データを学習させています。そして、そのデータから学習したことを踏まえて、AIによる作品づくりが行われます。
つまり、現在AIが能力を発揮するには、事前に用意されたデータから学習するというステップが不可欠となっています。

2:人間の感情を正しく汲み取ること

AIは、人間の感情を正しく汲み取ることを苦手としています。実際に口から発した言葉とは裏腹に心の中では別のことを考えているなど、人間の感情は非常に複雑なものです。
AIは既に感情分析を可能としていますが、コミュニケーションにおいて人間の脳のように高度な処理を行い、全てを正しく理解することは現段階では難しいとされています。
しかしながら、AIを取り巻く技術は日々目まぐるしく進化しています。現段階でも、人間とコミュニケーションを取ることができる感情認識ロボットにAIを搭載し、感情の学習を行っている例もあります。近いうちに、人間の感情を正しく読み取ることもできるようになるかもしれません。

今後、AIを活用していくには

AIについて正しく理解することで、活用目的を明確化できる

AIビジネス市場が拡大している中で、「AI(人工知能)」が幅広く認識されるようになりました。このような中で、万能なAIが何でもやってくれる、というような漠然としたイメージを持ってしまっているかもしれません。実際のところ、AIによって複雑で難解なデータを処理することができるなど、企業がAIを活用することで収益の最大化を図ることができるほかに、私たちも日常生活においてAIによる恩恵を数多く受けています。
このような状況下で、現在のAIは何ができて何を苦手としているかを整理し、AIを正しく理解することが重要です。

AIについて正しく理解することで、実際に自社の業務の一部にAIを活用したいと考えた際、「AIを使って〇〇を可能とし、XXという結果をもたらしたい。」といった目的を明確にすることができます。先の会話系AIのチャットボットの例であったように、何でもAIを導入すればプラスの効果が得られるという訳ではありません。AIではなく、従来のIT技術を用いた方がより適切に課題解決できる場合もあります。
このように、「明確化した目的がAIで解決できるのか」を考えることが、AI導入において重要なステップとなるのではないでしょうか。

さいごに

今後のAI活用に向けて考慮すべきこと

AIができることと苦手なことを整理し、AI活用における重要なポイントについてお話してきました。私たちはAIから多くの恩恵を受けており、今後、さらにAI活用は広がっていくことを理解していただけたと思います。

しかしながら、実際には、
・AIに何を任せ、人間がどこまでコントロールできるか
・膨大なデータを扱うにあたっての情報漏洩リスク
といったような懸念も生じており、AI活用にあたってはこれらも考慮していく必要があると考えられます。

AIはまだまだ発展途上段階にあるため、常に最新の情報を収集する必要があります。様々な角度から正しい知識を得て、適切な活用につなげていきましょう!

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