オンデマンド製本システム~書店にならぶ雑誌や書籍なみの仕上がり~

開発の背景

印刷業界でもデジタル印刷が拡大

近年、デジタル印刷の画質がオフセット印刷に迫るほどの向上を見せており、印刷業界でも、「小ロット・短納期」、「バリアブル(可変)印刷」に対応できるデジタル印刷システムの導入が拡大しています。

同じページを大量に印刷するオフセット印刷に対して、デジタル印刷は1冊分ずつ繰り返して印刷するため、「後処理」として製本を行えば、1冊の本を完成することが出来ます。そこで、コニカミノルタではデジタル印刷システムにおいて、印刷と製本を連携させ、データ入稿から製本までが一貫して自動処理可能なインラインシステムを構築しました。

美しい仕上がりの製本を

従来のシステムでは、「中綴じ製本」「平綴じ製本」「パンチ加工」といった製本が可能でしたが、さらに書店で売られている雑誌や書籍のような美しい仕上がりの製本システムの要望が高まってきました。

中綴じ製本 平綴じ製本 パンチ加工

課題

  • デジタル印刷システムで雑誌や書籍並の製本を可能にする

コニカミノルタの技術

「鞍掛け方式」の中綴じ製本

複合機などにも搭載されている従来の中綴じ製本は「ペラ丁合方式」と呼ばれるもので、広げた用紙の中心をステープルで留めた後に半分に折っていました。このため、ページ数の多い厚みのある冊子では、背表紙部分に丸みが出てしまい、冊子が開きやすくなっていました。
そこで、商用製本に用いられる「鞍掛け方式(折り丁合方式)」を採用し、折り部に丸みの出ない美しく機能的な仕上がりを可能にしました。
一般的な鞍掛け方式の工程では、用紙の折りが別工程になっており、数メートルから数十メートルの長いラインが必要です。コニカミノルタはこれをデジタル印刷システムの中に組み込めるサイズに抑えるため、折り工程と鞍掛け工程を直結させ、用紙中央に折り目を付けたあと、そのままの姿勢で鞍に用紙を滑空させる新方式を開発しました。

くるみ製本


デジタル印刷システムにおいて、最大300枚、厚さ30mmまでの「くるみ(糊付け)製本」を可能にしました。
デジタル印刷では、宛名印刷の様に1部毎に内容を入れ替える「バリアブル印刷(可変印刷)」が特長ですが、これを発展させ、1部ごとに冊子のページ立てや厚みまで変化する「バリアブル製本」も、1冊ごとに分解能0.1mmで冊子厚さを測定し表紙を糊付けすることで、連続して製本作業を行うことが出来ます。また、システムを拡張して本文用紙や表紙用紙を複数箇所にセットしたり、サイズの異なる用紙をセットしたりしておくことができ、これらを一度セットしておけばB5製本に続けてA4製本を行うような作業も可能です。

一般的な「くるみ製本」の工程では、本文用紙束に背糊を塗布して表紙でくるみ、最終工程で背表紙以外の三方を断裁して仕上げる「三方断裁」を行います。しかし、コニカミノルタは高精度な紙揃え技術によって、この「三方断裁」を不要にし、表紙のみの断裁で美しい製本を可能にしました。「三方断裁」を行わないことで、紙の切り屑が大幅に削減でき、100枚(厚さ8mm)のA4冊子では切り屑の量が1/60にもなります。
コニカミノルタのデジタル印刷システムは、小ロット、可変印刷の印刷物を商用製本に近いレベルにまで引き上げ、塾や予備校のパーソナル教材、企業の証券報告書、各種マニュアルの本格製本など、POD領域、オフィス領域の新たなニーズに応えています。

成果

  • 雑誌並みに美しい仕上がりの「中綴じ製本」
  • 一般書籍のような「くるみ(糊付け)製本」の実現

技術ポイント

高精度な紙揃え技術

製本において紙揃えは重要なテーマです。仕上がりの美しさだけでなく、特に、くるみ製本においては糊塗布面が揃っていないと、糊が付かないページが出来てしまい、途中で抜け落ちてしまうという問題が生じます。
コニカミノルタは複写機開発などで長年培ってきた高精度なペーパーハンドリング技術を、業界トップクラスの製本技術に応用しています。

横整合(冊子天地方向)

ページ数が増えてくると紙束の中心が凹んで湾曲してしまい、紙がずれて綴じられてしまいます。そこで、紙が一枚来るごとに開閉して紙束を揃える「横整合板」の上部にクッション材を追加して、内側に傾いた形状にしています。「横整合板」は弾力性のあるPETシートを使っているため、紙を挟んだ両側に均等に力が加わり、湾曲量が様々に変化しても紙のセンター位置は一定となります。

縦整合(冊子幅方向)

縦方向に紙束を揃える機構では、紙押さえアームで紙の浮き上がりを押さえながら、紙束の上下を「縦整合板」と「基準板」で挟むようにして揃えています。

厚み整合(押圧)

重なった紙と紙の間に空気が入って紙束が膨らんだ状態のまま一気に押しつぶして綴じると、大きく紙がずれてしまう場合があります。このため、途中で何度もクランプで押しつぶしてエア抜きを行っています。

コニカミノルタは、縦・横・厚みの全方向からの連携した整合動作によって、端が揃った見栄えの良い仕上がりとともに、1枚1枚全ての用紙端部に糊が塗布されて全ページがしっかりと糊付けされたくるみ製本を実現しました。

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