デジタルプラネタリウム~星空と360度デジタル映像の融合~

開発の背景

プラネタリウムはドーム映像空間に進化

プラネタリウムと聞いて、「星が天井に映っているだけの場所」を想像していませんか?最新のプラネタリウムは、星空だけでなく、ドーム全体に投映される立体的な映像とサラウンドシステムで、臨場感あふれるダイナミックなシーンを体感できる“ドーム映像空間”へと進化しているのです。

その秘密は、「デジタルプラネタリウム」です。従来からの「光学式プラネタリウム」は、「恒星原板」に開けられた小さな穴を通った光をスクリーンに投映するしくみですので、星空しか投映できませんでした。デジタルプラネタリウムは、いうなれば高性能のプロジェクターで、ドーム全天360度にさまざまな映像を投映することができます。

高画質映像ニーズの高まり

コニカミノルタは、「プラネタリウムをもっと身近に」という想いから、1台で星空投映とマルチメディア投映の両方を行うことが出来る「メディアグローブ」を2001年に開発しました。これが、世界初の単眼式フルカラーデジタルプラネタリウムです。プラネタリウムでの投映は、ドーム型の天井全体がスクリーンとなるため、一般的なプロジェクターに比べて投映画角を格段に広くする必要があり、大口径で超広角な魚眼レンズが使われています。

近年、上映作品の上質化に伴い、デジタルプラネタリウムにも高画質で高精細な映像のニーズが高まってきました。これに応えるために、デジタルプラネタリウムに超高精細な液晶パネルを搭載することになりましたが、この性能を充分に活かすためには、今までよりも光学性能の高いレンズユニットの開発が必須となりました。

課題

  • ・プラネタリウムのドームスクリーンに高画質に投映するためのレンズユニットを開発する

コニカミノルタの技術

極小な色収差を実現させるレンズ設計技術

プロジェクターでは、小さな液晶パネルに映った映像に、後ろから強力な光を当ててスクリーンに投映しています。デジタルプラネタリウムも同じしくみで、組み込まれている液晶パネルの解像度が高くなれば、投映される映像の解像度も高くなるはずです。後継のデジタルプラネタリウムでは、画素数4,096×2,400ピクセル、画素ピッチ6.8μmの液晶パネルを導入することにしました。

一方、プリズムで日光が七色に分かれるように、光は波長によってレンズ屈折率が異なり「色収差」というものが生じます。色収差の大きなレンズを使って投映した映像は、色がズレて滲んだりぼやけたりして見えてしまいます。
デジタルプラネタリウムでは、色収差を液晶パネルの画素ピッチよりも小さくしておかなければ、パネルの解像度性能を投映映像にも活かしたことになりません。

コニカミノルタが新たに開発したデジタルプラネタリウム用の「172度魚眼レンズユニット」の倍率色収差は最大で1.5μmと、極めて高度な補正を実現させました。この値は液晶パネルの画素ピッチ6.8μmよりも十分に小さいため、高精細なパネル映像をそのまま高精細に保ちながら投映することができます。
同時に、第1レンズの有効径をφ166mmとし、従来レンズの0.74倍と小型化も達成しました。

成果

  • 1. 倍率色収差1.5μm以下を達成
  • 2. レンズの小型化 (第1レンズの有効径:従来比-26%)

技術ポイント

ポイント1:2つのユニットを持つレンズ設計

新たに開発したレンズユニットは、バックフォーカスの短い投映部(Projection unit)と、長いバックフォーカスを確保するためのリレー部(Relay unit)の2つのユニットで構成されています。
ユニットを2部構成にしたことで、倍率色収差を大きくする要因となる投映部のバックフォーカスを非常に短くすることができました。色合成プリズム設置等のために必要なバックフォーカスはリレー部に長く確保されていますが、このリレー部は左右対称となっているため、原理的に倍率色収差を発生させることはありません。

ポイント2:大口径レンズの超精密研磨

コニカミノルタには、80年以上に及ぶレンズ生産で培った最高の技術と匠の極めた技能があります。特に大きな口径のレンズを高精度に研磨するノウハウに優れ、デジタルシネマプロジェクタやプラネタリウム投影機をはじめ、レンズ交換式デジタルカメラ、計測器・評価機などに採用されています。

プラスの技術

光学式1台とデジタル式2台の併用

コニカミノルタプラネタリウム“天空”in東京スカイツリータウンでは、キラリと光るリアルな星空を求めて星空の投映専用に光学式プラネタリウムを、ドーム映像についてはさらに解像度をアップするためにデジタルプラネタリウム2台使いで投映を行っています。

光学式プラネタリウム(スターボール)と、それを挟むように配置されたデジタルプラネタリウム2台を、ドーム中央に見ることができます。

高精細な2台のデジタルプラネタリウムを最大限に利用し、高い光学性能を持つ投映レンズによって、今までにない美しい映像と臨場感、没入感の高い迫力のある映像を創り出しています。

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