光の反射や透過を制御するためにレンズやプリズムの表面をコーティングする光学薄膜や、蛍光体を用いた高機能膜などの作成方法としては、真空蒸着・スパッタリング・イオンプレーティングのような真空製膜が一般的です。コニカミノルタでも独自の真空製膜技術を実用化していますが、その一方で、真空を用いることなしに大画面を均一にコーティングする大気圧プラズマ技術の開発にも取り組んでいます。そして世界で初めて実用化レベルを達成したのが、窒素を放電ガスとして利用して、真空を用いることなく大気圧下で高密度プラズマグロー放電を起こし、薄膜を高速で作成する方式です。これは通説では、薄膜がガスを含んでしまって高性能が出せないため不可能と言われていた難度の高い技術です。
低温製膜のため樹脂にもコーティングできるので、多様な製品展開が可能です。また、連続製膜が可能な上、塗布などの他プロセスとの連動も容易で、多層化・高機能化にも対応することができます。
光学製品としての反射防止膜、汚れの付着を抑制する撥水・撥油膜や、フラットパネルディスプレイに必須の透明導電膜、帯電防止膜など、さまざまな用途に応じた生産技術が開発されています。
熱に弱い素材へのコーティングやロール状のフィルムへのコーティングを可能にしたことにより、高速生産、部材のフレキシブル化や大面積化が可能となりました。
ナノ薄膜積層形成技術は、液晶、有機EL、電子ペーパーなどのフラットパネルディスプレイ分野や光学分野部材の高機能化に不可欠な技術として注目されています。