高画質でコンパクトなエコー 筋や腱などの細い繊維が見える

開発の背景

整形外科でもエコーの時代

「エコー」または「超音波画像診断」と聞いて、胆石や肝臓の検査を思い出される方は多いでしょう。エコーでお母さんのお腹にいる赤ちゃんを見た方もいると思います。

エコーは、X線を人体に照射することなく、手軽にリアルタイムで確認できることから、最近は整形外科でも使われるようになってきました。整形外科では、主に骨、軟骨、筋、腱、靭帯などを見ますが、筋や腱などの細い繊維構造の損傷を確認するためには、より鮮明に見える超音波画像診断装置が望まれていました。

課題

  • ・筋や腱などの整形外科疾患が診断しやすい、ハンドキャリー型の超音波画像診断装置を開発する

成果

  • ・直径百μm前後の筋束や神経束の繊維構造まで鮮明に見える

コニカミノルタの技術

高感度超広帯域プローブ

コニカミノルタは、独自に開発した材料を駆使すると共に、その材料特性を最大限に活かす精細な製造技術との擦り合わせによって、広帯域と高感度を両立させた、高周波では他社に例を見ない広帯域特性をもつプローブの開発に成功しました。

独自のプローブ技術と独自の画像処理技術を融合させることにより、直径百μm程度の筋束や神経束の繊維構造まで鮮明に見える高画質かつコンパクトな超音波診断装置を完成させました。高周波領域のコントラスト分解能、空間分解能の高い鮮明な画質で、特に整形外科領域や体表臓器を対象とする領域で実力を発揮します。
また、ハンドキャリーサイズであるため、場所にとらわれず、手軽に診断価値の高い画像を提供できることから、様々なシーンで診断精度向上や臨床関係者の負荷低減に貢献できるものと考えています。

技術ポイント

ポイント1:低減衰音響レンズ

音響レンズは生体と密着させて使用する部分であるため、次のような音響特性が求められます。

  1. ①生体との間における超音波の反射を小さくするために、生体の音響インピーダンスに近い。
  2. ②感度を高めるために、音響減衰率が小さい。

音響レンズには、生体適合性があり、音響インピーダンスが生体に近い、シリコーンゴム材が多く用いられていますが、音響伝搬減衰が周波数と共に顕著に増加し、高周波帯では感度・帯域を落としてしまうデメリットがあります。

コニカミノルタは、シリコーンゴム基材に添加するフィラー材の高比重化、ナノ粒子化、高分散化によって、最適な音響インピーダンスを得ると同時に、10 MHzにおける音響伝搬減衰が7 dB/mm以下という低減衰音響レンズを開発しました。

ポイント2:多層音響整合層

超音波を発する圧電セラミック素子の音響インピーダンスは約30 MRayls、生体の音響インピーダンスは約1.5 MRaylsと大きな差があり、超音波を生体に効率良く伝達させるには、電気回路同様に音響的な整合をとる必要があります。そのために、従来プローブの多くは1~2層の音響整合層を設けてギャップを解消していますが、広帯域なものでも−6 dB比帯域が80 %程度でした。

コニカミノルタは、音響整合層間の透過効率をさらに高められるよう、音響インピーダンスを徐々に下げて多層化する音響整合技術を開発し、−6 dB比帯域100 %を実現しました。

音響整合層の材料層間にあるのは、厚さ1μmにも満たない接着層です。接着層はその厚みのばらつきによって、音響特性に大きく影響を与えるため、いかに均一に且つ薄い層を形成するかが重要になります。目標の音響特性が得られるまで、接着剤の選定から粘度や硬度、接着時間、塗布工法に至るまで、何度もシミュレーションを繰り返し、ノウハウを構築してきました。

材料を独自開発したからこそ、その物質の特性を十分に理解した、最適な工法の確立を実現することができたのです。

ポイント3:Triad Tissue Harmonic Imaging(Triad-THI)

コニカミノルタは、高感度超広帯域プローブのポテンシャルを十二分に引き出す送受信技術「Triad Tissue Harmonic Imaging(以下Triad-THI)」も開発しました。

Triad-THIは、3つの独立した周波数成分を同時に送信し、複数の高調波成分を受信する技術です。超広帯域プローブの帯域を最大限利用して、従来は不可能だった高周波側の周波数成分の送受信を可能にします。これにより、帯域内に入ってくる多くの差音/和音/高調波といった信号を画像化に利用することができ、クラス最高の分解能を達成すると共に、浅部領域のS/N改善をハンドキャリーサイズの装置で実現させました。

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