マンモグラフィー診断支援システム ~自動検出技術で乳がんの早期発見をサポート~

開発の背景

乳がんの早期発見を助けるマンモグラフィー

がんのなかで日本人女性がもっとも発症しやすいのが、乳がんです。統計的には16人に1人が生涯で乳がんを患う計算になります。ただし乳がんは小さいうちに発見すれば治癒率が極めて高く、まさしく早期発見こそが最良の治療法だと言える病気です。
そんな乳がんの検診で中心的役割を担う画像検査が、女性におなじみの「マンモグラフィー(乳房X線撮影)」。乳房を圧迫板で挟んでX線を照射し、画像化する検査です。

病変の見落としを防止するには?

【マンモグラフィー画像の例】
拡大部分に、乳がんに関連する所見である「微小石灰化クラスタ」(白い点状陰影が寄り集まったもの)がみられる。

実はマンモグラフィーの読影(画像にあらわれた所見を読み、診断すること)は、X線画像診断のなかでもっとも難度が高く、集中力を要する作業だとされています。乳がんの病変はX線画像の中で白く写ります。その陰影は、小さいものでは直径わずか数百μm~数mm程度。これらを同じく白く写る、雲のように入り組んだ乳腺組織の中から検出するのです。
加えて近年は検診受診率も向上したため、画像の数が増えており、読影をおこなう医師の負担軽減が危急の課題となっています。
これに応える技術として期待されるのが、コンピューターによる自動検出システム。乳がんの疑いのある陰影を高精度で自動検出し、その結果を医師が読影する際に提供することができれば、病変の見落としを防止するなど医師の診断の確度を上げる手助けとなるほか、読影作業のストレス軽減にもつながり、乳がんの早期発見に大きく貢献します。

課題

  • ・病変の自動検出で早期発見をサポートしたい

成果

  • 病変の疑いのあるパターンを高精度に検出する技術を開発
  • 評価研究において、医師の病変検出性能の向上に寄与しうることが確認された

コニカミノルタの技術

病変の疑いのあるパターンを自動検出するCAD

コニカミノルタは、高度なパターン認識や識別器を応用し、マンモグラフィー画像から病変の疑いのある陰影を自動的に検出するCAD(Computer-Aided Detection)技術を開発しました。これは、X線画像の持つ豊富な情報をコンピュータで解析することにより、医師の診断に役立つ付加価値を提供するものです。

CADシステム

コニカミノルタのCADについて、168症例の臨床画像を6名の専門医が読影した評価研究の学術報告*によると、CADを使用した場合はCADを使用しない場合に比べて医師の病変検出性能が向上することが、統計的有意差をもって確かめられました。

*森田孝子,“検診マンモグラフィーの読影とCAD”,臨床画像,Vol.24, No.4, pp.408-415 (2010)

ユーザの先生方からは、「これだけ淡く細かい病変まで指摘してもらえると安心できる」「長時間読影などで疲労を感じ始めた時に助けてくれる」「見落としに対する不安感を和らげてくれる」などのコメントを頂いています。

CAD表示後の画像

技術ポイント

ポイント1:検出の精度を高めるアルゴリズム

乳がんの疑いのある陰影を見つけるには、まず乳がんに関連する症例の画像データベースが必要になります。撮影された画像から乳がん特有の陰影を拾い上げるため、パターン認識の手法を応用してアルゴリズムを構築します。
乳がんの陰影はもちろん、それに似た陰影で異常が認められない画像など、あらゆる条件の膨大な数の症例画像から得られる情報を用いてアルゴリズムを改良し、検出の精度を高めています。

ポイント2:高い検出性能を支える画像前処理技術

Original Image

乳がんの代表的な所見である「微小石灰化クラスタ」や「腫瘤陰影」などの検出においては、病変を検出しやすくするための画像の前処理がキー技術となります。
コニカミノルタは、独自の多重解像度処理、フィルタリング処理、コントラスト補正などにより、ターゲットとする病変を選択的に強調しています。

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