特定タンパク質の高感度検出技術~より早く、より正確に―。がん細胞を光らせて検出~

開発の背景

見つけにくいがん細胞を検出するには?

がんは、今や世界全体でもトップの死亡原因になりつつあります。これまで以上に早期かつ正確な発見が求められますが、そのカギを握るのは組織中のがん細胞や、血液中に遊離したがん細胞の検出。これらは既存の検出方法では見つけにくいのが実情です。そこで注目されるのが、がん細胞が持つ特定のタンパク質。特定タンパク質に蛍光物質を化学的に結合させ、蛍光を検出することでがん細胞の有無、挙動を明らかにできます。つまり見つけにくいがん細胞を光らせて検出するわけです。また、この方法は体内に侵入した微量のウィルスなどの検出にも応用可能です。病気に関連したタンパク質を蛍光マーカーで高感度に検出するには、課題が二つあります。一つはより明るく光る蛍光物質の開発、もう一つはその光を効率よく検出することです。

課題

  • 病気に関連したタンパク質を蛍光マーカーで高感度に検出したい

成果

  • より明るいナノサイズの蛍光体粒子を4種(色)開発
  • 血中タンパク質の高感度診断が可能に

コニカミノルタの技術

技術1:ナノ粒子蛍光体標識材

医療、ライフサイエンスの分野では、下村特別教授(名古屋大)にノーベル化学賞(2008)をもたらしたGFP(緑色蛍光タンパク質)に代表される、蛍光物質を用いた検出手法が細胞イメージングや生体イメージングの研究開発に利用され注目されています。これら蛍光検出技術の一分野として、有機蛍光色素を用いた検出技術があります。従来の有機蛍光色素を用いた標識材技術は、1)褪色する、2)感度や定量性が低い、という課題がありました。

コニカミノルタでは、銀塩粒子開発からの技術を応用し、これらの課題を解決できる、ナノサイズの蛍光体粒子を開発し、多色発光を実現すると同時に、褪色や感度の課題を解決しました。さらに、高輝度及び高耐光性のナノ粒子蛍光体と抗体を結合することで、がん組織診断の定量性向上にも貢献することができます。

技術2:表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS)

コニカミノルタで開発中の「表面プラズモン励起増強蛍光分光(SPFS)免疫測定法」は、抗原抗体反応により捕捉された標識蛍光分子を、表面プラズモン共鳴現象により金膜極表面に誘起された局在場光により極めて効率的に励起し、その蛍光シグナルを検出する方法です。

SPRとSPFSのメカニズム

この方法で高感度に検出するためには、極めて高いセンシング技術と高度に免疫反応場を形成する材料技術の融合が必須です。コニカミノルタは、微弱蛍光を検出するセンシング技術、感光材料で培った材料技術、精密光学部品のものづくり技術を自社の強みとして保有しており、これらの技術の融合によって「血中タンパク質の高感度診断」を可能にしました。

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