Bone Suppression処理 肋骨を消して診断しやすく

開発の背景

撮影は簡単だが、診断が難しい

近年、日本では高齢化に伴って肺疾患の死亡率が高くなり、がん、心疾患に次いで3位となっています。また、新興国でも大気汚染、栄養不良、若年層の喫煙などにより、肺疾患が増加する傾向にあります。

肺疾患でも早期発見、早期治療が重要ですが、その一番初めに行われる検査が「胸部X線撮影」です。撮影には大掛かりな設備も必要ないので、病院の大小を問わず世界的に広く普及しています。

しかしながら、胸部X線画像では、肋骨、血管、心臓などの様々な部位が重なって写っていることが診断を難しくしており、熟練が必要です。

デジタル画像処理で手助けを

現在、X線撮影の主流はフィルムからデジタルへと移行し、X線撮影した画像はモニターで見る時代になっています。そこで、「胸部単純X線画像」にコンピューター上で画像処理を行うことで、より見やすい画像を医師に提供すれば、病変の見落とし防止や診断する医師の精神的ストレスを低減するなど診断の手助けとなり、肺疾患の早期発見に大きく貢献することができます。

課題

  • ・肺疾患の早期発見のために、見やすい胸部単純X線画像を医師に提供したい

成果

  • ・肋骨と鎖骨を画面から消す技術を開発した

コニカミノルタの技術

Bone Suppression処理

胸部X線画像では、特に肋骨、鎖骨、肩甲骨といった骨が肺野部に対して75 %もオーバーラップしており、骨に隠れた小さな陰影を見逃したり、骨の重なりが病変に見えて誤検出してしまうリスクが報告されています。

そこでコニカミノルタは、肋骨と鎖骨を画像上で認識し、それらの画像信号を減弱することで、肺野内の視認性を高めるBS(Bone Suppression)処理を開発しました。

BS処理は、骨に隠れた病変の見落としを防止する効果や、骨の重なりの偽像による誤検出を防止する効果を持っています。BS処理した画像を20名の医師の協力を得て評価を行った結果、読影経験が浅い医師から経験豊かな医師まで、幅広い医師に効果があることが確認されました。

技術ポイント

ポイント1:胸部X線画像データベース

肋骨や鎖骨の太さ、長さ、位置などは人それぞれで異なっています。さらに胸部単純X線撮影をするときには、写される人や撮影条件の違いで画質に大きなバラツキがあり、さらに機器メーカー毎に画像処理条件が異なります。コニカミノルタでは、長年にわたるX線画像処理の研究で蓄積してきた知見に基づき、人種、男女、体格などが異なる様々な大量データから構築した骨の解剖学的な情報をもとに、胸部X線画像のデータベース化を行っています。

ポイント2:高度な画像処理技術

BS処理は、他社製品で撮影したX線画像や、昔に撮影したレントゲンフィルムをスキャンしたデータについても有効です。これを可能にするのが、上述の胸部X線画像データベースをもとに機械学習したアルゴリズムと、肺野認識、骨認識、骨信号減弱などの高度な画像処理技術の組合せです。

  1. ① 肺野認識肺とその外側との境界部分に対して最適なエッジ情報を適用し、正確に肺野領域を抽出します。
  2. ② 骨認識骨モデル情報とのマッチング処理技術により、どれが骨であるのかを高精度に抽出します。
  3. ③ 骨信号減弱骨に起因する信号変化のみを減弱することにより、骨に重なる異常陰影や血管などの微細構造の信号をオリジナル画像のまま残し、病変の視認性を改善します。
  • オリジナル画像
  • 肋骨の信号変化のみ減弱した画像

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