Technologies for the Future

ウェアラブル
コミュニケーター

視覚情報で仕事スタイルを変革する
ホログラフィック光学技術×ICT

Background
インダストリー4.0の進展に伴う
製造業・物流業の現場業務改革

IoT(Internet of Things)による第4次産業革命「インダストリー4.0」の動きが加速する中、製造業・物流業においても現場改革は重要なテーマとなっています。インダストリー4.0のベースとなるサイバーフィジカルシステム(CPS:Cyber Physical Systems)は、実世界におけるセンサーネットワークなどの様々な情報を仮想空間の優れたコンピューティング能力と結びつけるものです。コニカミノルタはメガネ型ウェアラブルディスプレイ「ウェアラブルコミュニケーター(WCc:Wearable Communicator)」をCPSのヒューマンインターフェース用デバイスとして開発しました。

独自技術のホログラフィック光学素子(HOE:Holographic Optical Element)により、従来のヘッドマウントディスプレイにおいて課題として挙げられている「大きい、重い、視界を遮る」という問題を改善。WCcは小型・軽量、シースルー、カラー、高解像度、広画角を実現しました。利用者は違和感なくハンズフリーで作業しながら、用途に応じた情報を活用し業務の効率化が図れます。

コニカミノルタはものづくりに欠かせない現場視点や顧客起点を大切に、WCcとICTを融合した製造・物流ソリューションの提供を行い、インダストリー4.0の推進をはじめとした、幅広い働き方の改善に貢献していきます。

Technology
独自開発のHOE技術により
シースルー・広画角の軽量モジュールを実現

WCcはメガネ越しに見える外界の景色に、作業に必要な映像情報を重ねて表示します。メガネ上方の小型液晶に映し出された映像情報は、LEDの光によって照らされ、透明プリズムを通過しHOEを介して瞳に届きます。

その仕組みのなかでポイントとなるのが、独自技術によって開発されたHOEです。HOEはホログラムの特性を活かした光学素子で、小型液晶の表示を拡大して見せる「レンズ機能」と、特定の波長の光だけを通過させる「光のフィルタリング機能」を持っています。

投影映像の拡大表示と装置の小型化
HOEのレンズ機能

従来のヘッドマウントディスプレイが瞳に大きな映像情報を届けようとした場合、メガネ上方の小型液晶に映す映像を大きくする必要がありました。そのためには映像を投射する装置自体を大型化する必要があり、結果的に作業現場での使用に耐えない重量になるという問題点がありました。

それを解決するのが、ホログラムが持つレンズ機能です。たとえば虫眼鏡で覗くと拡大されて見えるのと同じ原理です。

WCcではHOEのこの特性を活かし、搭載された小型液晶の映像を大きく拡大(約100倍相当)することで、利用者の2.5m先に42インチディスプレイが見える広画角な表示が可能です。光学素子としてのレンズやミラーではなく直前にHOEを配置し、メガネ上方に設置する液晶も小型になるため、シンプルで小型・軽量なデバイスを実現できます。

特定の光を選択して通過させる
HOEの光フィルタリング機能

ヘッドマウントディスプレイを現場業務に活用する場合、表示される映像情報の見やすさと、外界の景色の見やすさを同時に実現する必要があります。しかし従来の方法では映像情報と外界の景色それぞれを違和感なく、明るく見ることができないという問題点がありました。

それを解決するのが、ホログラムが持つフィルタリング機能です。技術開発で着目したのは、鏡のように全ての色(波長)を反射するのではなく、特定の波長を持つ光のみを反射し、その他の光を通過させることができる点です。

外界の景色に存在するスペクトル成分から、
映像を構成するスペクトル成分を取り除くことにより、
視認性の高さを実現している

WCcではこの特性を応用し、映像情報を特定波長のRGBカラーで作成し、その特定波長のみを反射するHOEを開発しました。このHOEをプリズム内に配置することにより、映像情報はHOEで効率よく反射し、明るくクリアな映像表示として瞳に届けられます。一方、外界の景色に含まれる光は映像情報に含まれる特定波長を除き、それ以外のほとんどの光を透過するため、景色を自然に見ることができます。

WCcはこうした光のフィルタリング機能を活用した独自のHOE技術により、明るくクリアなカラー映像を見ながら、周りの景色も見渡すことができます。したがって、明るい場所でもクリアに映像が見え、暗い場所でも外界の景色がよく見えます。

Solution
ハンズフリーで視覚的に作業を支援し
物流業界のワークフローを変革

物流において、出荷指示に応じて倉庫内で品物を選び出す業務をピッキングといいます。従来のピッキング業務では、情報確認や作業チェックの時間、ピッキング後に再度検品を行う時間、ピッキングミスによる手戻りの時間、端末機器の持ち替えなど、無駄な時間が多くありました。
コニカミノルタは従来メーカーの汎用的なメガネ型デバイスを開発するアプローチとは異なり、まず現場のワークフローを分析することで、物流におけるお客様が抱える課題に着目しました。
その課題解決のアプローチとして、HOEモジュールをベースにピッキング業務に合わせたマスカスタムを行い、入力デバイスとの連携や、SWソリューションにより、物流用のCPSを構築しました。このシステムにより作業時間の大幅な短縮と品質向上を実現します。

ピッキング情報のタイムリーな表示、ハンズフリーでの作業、タイムリーなアクションの指示情報が表示されることで、効率的に業務の進行が可能となり、従来のピッキング作業と比べ50%作業時間が向上(当社調べ)したケースもあります。また、両手で丁寧に作業できることや、画像による視覚的な注意喚起などにより、速度を損なわずに作業の品質を担保できます。

ソリューション導入においては基幹システムとの連携を含め、迅速かつ効果のあるシステム構築の支援を行います。さらに今後は作業データと作業者の行動ログ解析等により、ルートの最適化やリソースの最適配置、季節や需要変動に対応した入庫レイアウトの自動最適化など、データ解析サービスソリューションの検討・提案も行っていきます。

Future
オープンプラットフォームにより
支援領域の拡大

今後のWCcの展開では、遠隔作業支援をはじめ製造ソリューションの提供がメインテーマです。インダストリー4.0の進展に伴い、消費者に合わせた一品一様の商品づくりであるマス・カスタマイゼーション時代が到来することで、効率性と安全性の両面から非定型作業を視覚的に支援するWCcの活躍領域は広がっていきます。

さらに、WCcは世界標準のWeb技術を採用しており、開発プラットフォームのオープン化により保守、医療、警備、観光など様々な分野への用途拡大が可能です。WCcがもたらす新たな視覚情報を提供し、各分野におけるイノベーティブなパートナーと連携しながら、お客様の働き方の変革を実現していきます。

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