IH定着~より少ないエネルギーで! 省エネ性能の追求~

開発の背景

複合機では、定着プロセスでの消費電力が大きい

地球温暖化の問題などから、あらゆる製品において省エネ性能が求められています。複合機では、紙にトナーを定着させる際に熱を加える必要がありますが、この定着装置の消費電力は機器全体で消費する電力の6割以上を占めています。そこでコニカミノルタでは、定着での消費電力削減を目指し、より低い温度でも定着できるトナーの研究開発と並行して、定着装置の省エネを進めてきました。

待たされずにプリントアウトしたい

もし、定着装置が常に熱くなっていれば、全く待たされずにプリントアウトできますが、消費電力は大きなものになってしまいます。そのため複合機では、使わないときは定着装置の温度を下げ、プリントアウトをする時にだけ温度を上げています。
主に定着装置が必要な温度に上がるまでの時間が複合機のウォームアップタイムとなりますが、誰でも複合機のボタンを押してから紙が出てくるまでに長く待たされたくはないものです。短時間で定着装置を必要な温度まで素早く熱することができれば、使わない時の温度をより低く設定して待機時の消費電力を削減出来ることと、ウォームアップの待ち時間を短くすることが両立できます。

課題

  • 定着装置の消費電力量を削減する

コニカミノルタの技術

必要な場所だけ熱くする

IH発熱模式図 クッキングヒーターなどでおなじみのIH技術は、電力を効率よく熱エネルギーに変換できるという特徴を持っており、加熱する必要のある発熱部材のみをIHコイルが加熱するため、エネルギーロスが最小限に抑えられます。また、コイルに流す電力量によって容易に発熱部材の温度の制御ができるため、無駄を省いた過不足のないエネルギー利用が可能となりました。
コニカミノルタは、この加熱効率の高いIH技術と、トナー画像に接する発熱部材の低熱容量化とを組み合わせた、独自のIH定着技術を開発しました。発熱部材として薄いベルトを使用して低熱容量化し、IHコイルで加熱して加熱効率を上げることで、ウォームアップ待ち時間の短縮を実現しています。また、加熱効率を上げることで、プリント中の消費電力の削減も実現しています。
発熱部材を低熱容量化すると、小さい幅の用紙にプリントする場合には、発熱部材の端部が過剰に昇温してしまいます。そこでコニカミノルタは、端部の磁束を調整することで用紙の幅に合わせて効率的に発熱部材を加熱する、独自の「消磁コイル方式」を開発し、この問題をクリアしました。

IH断面図

さらに、最新機種においては、トナー画像に接する発熱部材である定着ベルトの金属発熱層の改良による発熱効率向上と、IHコイルユニットのコア配置の改良により励磁コイルから生じる磁束が定着ベルトにより有効に働くようにする事で、更なる加熱効率の向上を図っています。
これらのIH定着技術の改良と、低温定着トナーの採用、その他の省エネを組み合わせることにより、モノクロ75枚/分(カラー60枚/分)のカラー複合機においては、クラストップの低消費電力(TEC値※1)とウォームアップタイムを達成しました※2。

成果

  • クラストップの低消費電力(TEC値※1)
  • ※1 国際エネルギースタープログラムで定められた測定法による数値。
    標準的な使用状態を想定した時に消費される総エネルギー量で、Typical Electricity Consumptionの略。
  • ※2 2012年2月発売時点

技術ポイント

消磁コイル方式

小さい幅の用紙にプリントする際、定着ベルトの端部(非通紙領域)は熱が奪われない為に過剰に昇温します。これを防止する方策として、励磁コイルで発生する磁界を打ち消す消磁コイル方式を採用しました。消磁コイル回路を形成することで、電磁誘導の作用による反発磁束が発生します。この反発磁束により定着ベルト非通紙領域の発熱を抑制し、加熱幅を自在にコントロールしています。

CAE解析による定着ベルト周辺の磁力線図 消磁コイルによる加熱幅制御の原理

プラスの技術

近接センサーでスリープモードから素早く復帰

指を操作パネルに近づけるだけで自動的に復帰する近接センサーを内蔵しています。このため、スリープモードからの復帰に手間がかからず、業務効率を下げることなく節電することができます。

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