現像剤の高耐久化技術~長持ちして省資源と廃棄物削減に貢献~

現像剤の高耐久化は、お客様へのサービスコストの低減のみならず、環境負荷、特に省資源や廃棄物削減の観点からも重要な課題です。コニカミノルタは、現像剤のキャリアのコート層に着目し、高耐久化を図りました。

現像剤の劣化メカニズムと求められる機能


図1:イメージングユニットの断面図
2成分現像剤は、トナーとキャリアとから構成されています。トナーは画像を形成する粒子であり、逐次消費されます。キャリアは、現像機内でのトナーとの混合において摩擦帯電により、トナーに適正な電荷を与える機能、感光体と対向する現像領域にトナーを搬送する機能、感光体上の潜像にトナーが忠実に現像できるよう、現像電界を形成する機能を持っています。
このキャリアは、磁性を持つフェライト粒子の表面に帯電付与の機能を持つ樹脂をコーティングした構成からなるものが一般的です。
トナーに対し、安定に電荷を与えるためには、このキャリア表面が変化しないことが理想ですが、現像機内で繰り返しトナーと接触し、さらに機械的ストレス、熱的ストレスが加わり、キャリア表面が次第に汚染されるため、変化しているのが現状です。

現像剤の劣化メカニズムと求められる機能

樹脂光源光学系 従来の光源光学系(ガラス)図2:現像領域に存在するキャリアを、キャパシタとして扱ったモデル図と、このモデルにおける現像電界E を示した式

現像性を高めるためには、現像電界強度を高める必要があります。上記モデルによれば、現像電界E を高めるには、コアの誘電率ε1、及びコート層の誘電率ε2が、それぞれ大きい素材を用いると、効果があることがわかります。また、帯電性能の安定化のために行っていた、キャリア表面を微量に摩耗させる技術は、上式における、コート層の厚さd2の減少であり、現像電界E も使用に従い増加することを示し、現像性が変化することを示しています。現像性を安定化するためには、コート層の厚さd2の減少と同時に、コート層の誘電率ε2 を小さくさせるように設計していくことがよいと考えられます。

キャリアの設計

高誘電率化とその制御


図3:キャリアの構造イメージ図
このコート層の誘電率を高めるために、従来のアクリル樹脂のコート層に高誘電率の材料を添加することを検討しました。 今回は、アクリル樹脂の比誘電率に対し、約40倍の比誘電率を持つ高誘電率材料を用いました。 図3は、検討したキャリアのモデル図です。
コーティング法は環境に配慮した乾式法です。乾式法はコート層を形成する際、完全無溶剤でコーティングするため、溶剤コーティングに比べ、二酸化炭素(CO2)排出量を約60%低減でき、環境負荷の抑制に貢献できます。

現像性の安定化設計と到達レベル

図4:並行平板電極下におけるキャリア膜厚減耗に伴う現像
電界強度指数

コート層の膜減耗で生じる電界強度の変化は、現像性を大きく変化させます。その安定化のために、高誘電率材料の濃度を制御し、変化を抑制することとしました。図4は、濃度制御方法を変化させて試作した3種類(A、B、C)のキャリアの現像電界強度の比較です。A、Bと比べて、Cの現像電界強度は極めて安定しています。
この技術を採用することにより、使用中の電荷付与能の安定性に優れ、高い現像電界強度を維持でき、長期にわたり安定した高い現像性を得ることが可能となりました。

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