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発光寿命と発光効率を両立させた実用化レベルの
世界最高発光効率の有機EL*1白色発光デバイスを開発

2006年6月30日

  コニカミノルタテクノロジーセンター(社長:松崎正年、本社:東京都日野市)では、このたび、実用化可能な初期輝度1000カンデラ*2/m2で、発光効率が64ルーメン*2/W、発光寿命が約1万時間という長寿命の世界最高発光効率の有機EL白色発光デバイスの開発に成功いたしました。これは、携帯電話用ディスプレイのバックライトや照明用途として実用化レベルの世界最高発光効率の有機EL白色発光デバイスといえます。

*1
有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス): 有機物の発光素子で、電圧をかけると面発光するディスプレイ材料。
*2
カンデラ、ルーメン: ともに国際単位系における明るさの単位。数値が大きいほど明るいことを意味する。

  今後、飛躍的成長が見込まれるフラットパネルディスプレイ市場では、液晶・プラズマ・有機ELなどが主流となると予測されます。既に幅広く使用されている液晶などに比べ、有機ELは、材料分子自体が発光するため、低電力で高い輝度が得られ視認性が高い上、薄くて均一に面発光するというメリットがあり、次世代のディスプレイや照明デバイスとして注目されています。有機ELには、「蛍光発光」と「リン光発光」があり、「蛍光発光」は既に商品化されていますが、効率面で圧倒的に優位な「リン光発光」はまだ開発段階で、次世代有機ELとして注目されています。

  コニカミノルタでは、イメージング領域の入出力分野をドメインとし、これからのユビキタス社会に向けて、画質や色にこだわり様々な研究開発に取り組んでいます。有機EL用素材については、銀塩感光材料開発や色素開発で培われてきた素材の分子設計、精密有機合成技術を活かし、数年前から開発を進めてまいりました。中でも、最も発光効率の向上と高寿命化の両立が難しい「青色リン光発光材料」に着目し研究を重ね、このたび世界最高レベルの発光寿命(初期輝度300カンデラ/m2で約16,000時間)が得られる青色リン光材料の開発に成功いたしました。

  今回発表の有機EL白色発光デバイスでは、この新開発の長発光寿命の青色リン光材料を組み入れた独自の層設計技術と革新的な光学設計技術を駆使することにより、世界最高の64ルーメン/Wという発光効率と、実用化レベルの約1万時間の発光寿命を達成いたしました。また、青、赤、緑の3色のリン光発光材料を組み合わせることにより、バックライトに適した白色発光領域を実現し、電球に近い色調、蛍光灯に近い色調など様々な色調の発光デバイスの提供が可能となります。このような技術開発により、同一の消費電力の場合、蛍光灯並みの明るさを実現しつつ、有機ELの特徴でもある、薄く均一な面で光を得ることができます。

  コニカミノルタでは、成長著しいディスプレイ市場において、既に、液晶偏光板用保護フィルム(TACフィルム)に参入しており、増産に向けて積極的に投資をしています。また、長年にわたる感光材料やカメラの開発で培われた、薄膜塗布、蒸着、材料開発技術を活かし、その他のディスプレイ関連材料やコンポーネンツについても積極的に開発を進めています。

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