Guideコニカミノルタ転職ガイド

「精密化工品メーカー」から「光学フィルムの開発」への転職新事業立ち上げへの熱意

新事業立ち上げに求められていた技術と、それまで培った経験がマッチして転職。
将来は自ら新事業を創造したいと意気込む。

写真:長嶋 克佑
上司長嶋 克佑
写真:西村 浩
転職者西村 浩機能材料事業分野
開発部
プロフィールを見る

なぜ転職を考えた?

西村
転職を考えたのは、正直に言えば、前職に不満があったからなんです。
長嶋
西村君の採用に私は関わっていなかったので、細かい事情はよく知らないんだけど、何が不満だったの?
西村
前職では主に反射防止コーティングの開発に関わっていたんですが、その事業は社内でも傍流で、開発と製造をあわせても30人弱という小さな部隊でした。
長嶋
地方のメーカーだよね?
西村
ええ。あまり会社全体の経営状況が思わしくなく、そもそもその会社では基板をバッチ式で製造していて、これでは生産性も低くて、とてもグローバルでの競争には勝てない。上司ともたびたび意見が衝突して(笑)。このままここでキャリアを積んでも仕方ないと思うようになって、それでもっとスケールの大きな、レベルの高い環境で開発がしてみたいと、転職を考えるようになったんです。

面接では何をアピールした?

西村
転職活動は人材紹介会社を利用したのですが、学生時代はずっと大阪だったので、なじみのある関西で自分の経験が活かせる仕事を希望したところ、紹介していただいたのがコニカミノルタでした。そのときまでは、コニカミノルタが液晶パネル用のフィルム事業をこれほど大々的に展開しているとは知りませんでした。フィルムの製造もバッチ方式ではなく、効率生産が可能なロール・トゥ・ロール方式でしたし……。
長嶋
コニカミノルタは写真用フィルムを長年手がけてきたこともあって、その技術をもとに、10年ほど前からこうした機能性フィルムの開発製造に力を入れているんだよね。
西村
長嶋さんは、神戸での最初の工場の立ち上げから関わっていらっしゃるんですよね。私が応募した当時、ちょうど新たに表面加工のフィルムを開発しようとしているとのことで、それで私の経歴に目が留まったのかなと。
長嶋
西村君は部長が面接したんだけど、そのときはどんなやりとりだった?
西村
覚えているのは、前の会社で上司とうまくいかなかった話をしたことですね。自分の反省も込めて「もっと上司にマイルドに接すればよかった」というようなことを言ったら、部長に苦笑されて……(笑)。

彼のどんなところが評価された?

西村
実は面接のあと、入社後に直属の上司になる課長から電話をいただいたんですよ。一時間ぐらいお話ししたでしょうか。「立ち上げに苦戦しているので協力してほしい」と、実情を細かいところまで丁寧に話してくれて……私もその立ち上げに参加してみたいと。それでこちらにお世話になろうと決めました。
長嶋
確かに西村君が持っていたスキルは、当時我々が切に求めていたものだったからね。それと、新しい事業を立ち上げてみたいという意欲も評価されたんだろうと思う。
西村
長嶋さんとは当初は違うグループだったんですけど、入社してすぐにタバコ部屋でお会いしたんですよね。最初は、すごく怖そうな人だなと思ってました(笑)。
長嶋
こっちは「おとなしそうなヤツだな」という印象だった。でも馴染んでくると、だんだん化けの皮がはがれてきたよね(笑)。

写真:対談の様子

入社後感じたギャップは?どう乗り越えた?

西村
入社していちばんギャップを感じたのは「人がたくさんいる」ということ(笑)。以前は30名足らずの小さな所帯でしたが、この事業部は規模が違います。仕事の進め方に最初は少しとまどいましたね。
長嶋
部門をまたいでコミュニケーションをとらなければならない機会も多いしね。
西村
そうなんです。製造部門とのスケジュールの調整とか、以前の会社だったら、製造担当に「何とかこのスケジュールで作ってください」と無理をお願いしてそれが通っていたのですが、ここではそうはいかない。きちんと折衝して、確かな説明が求められる。当たり前と言えば当たり前のことなのですが。
長嶋
組織で大きな仕事を動かしていくというのは、そういうことだからね。でも西村君は、技術的なバックグラウンドはしっかりしていたし、割と淡々と仕事を進めていたように見えたけど。
西村
そうですか?まあ最近はだいぶ社内でも顔が知られてきて、仕事もしやすくなってきましたけど……あと、ここには面白い人が多いですよね。仕事と関係なくプライベートで物理学会に出席している人がいたり(笑)。自分にはない発想や感覚を持った人ばかりですので、話をしているととても刺激になる。この前も、あるメンバーが「原子」の話を持ち出してきて興味をそそられました。マニアックな人が多いというか。
長嶋
ここはいろんな専門を持った人財が集まっているからね。みんな技術にはこだわりがある。
西村
技術を深く追求するには、ここは本当にいい環境ですね。そういう文化のある会社だと思います。私たちの開発部には、仕事のうちの10%を自分の好きなテーマの研究に使ってもいい、という施策もありますし。
長嶋
そう。若手を対象とした施策なんだけど、定期的にそれぞれが研究した内容を発表して、そのなかで面白そうなネタがあれば事業化していこうと。西村君にも期待しているよ。

いまの彼の評価は?

西村
私は入社してからずっとフィルムの表面加工を手がけてきましたが、1年ほど前に異動になり、フィルムそのものの開発に関わることになって……そこから長嶋さんと一緒ですよね。いまは、フィルムの生産性各段に向上させるための製造技術に取り組んでいるんですが、これがなかなか手強くて。
長嶋
いいところまでいったんだけど、予想外の壁にぶつかったね。でも何とか乗り越えられそうじゃない?西村君は、技術的なスキルに関しては問題ないと思う。ひとつ要望するとすれば、製造の「現場」をさらに理解してほしいね。モノづくりというのは、現場の細かな知恵の積み重ね。それをきちんと理解したうえではじめて、新しいモノが創り出せる。いまはそのベースとなるものを、しっかりと身につけておく期間だと思う。どう、将来の目標は?
西村
仕事をするからには儲けたいですね(笑)。他と同じモノを作っていたのでは儲からない。付加価値をつけて他にはないモノを作らないと……実際、作れそうな感触はあるんですよね。自分がこれまで培った技術を活かして、新しい製品を立ち上げて事業化したいですね。
長嶋
頼もしいね。我々が手がける事業は世界が相手で競争も激しいけど、それだけにダイナミック。うちは技術者もみな、新製品の提案や技術サポートでお客様のもとにどんどん出向いていくし、いきなり明日海外出張、なんてこともよくある。
西村
私はまだ海外出張の経験はないんですが、ぜひ行きたいですね。自分が開発したフィルムがユーザーのもとでどのように使われているのか知りたいですし、そこからまた新しいアイデアも得られるでしょうから。
長嶋
大丈夫。すぐに飛んでもらうことになると思うから(笑)。
写真:西村 浩

転職者のプロフィール

2007年コニカミノルタ入社。大学院では高分子化学を専攻し、卒業後は精密化工品メーカーに就職。反射防止板のコーティングの技術開発に3年ほど携わり、フィルムの表面加工の経験を買われてコニカミノルタオプトへ。

※所属、職名等は、インタビュー当時のものです。