Guideコニカミノルタ転職ガイド

「バイオベンチャー」から「ライフサイエンス領域の新事業創出」への転職事業創造意欲

単なる研究に終始するのではなく、「事業を創る」まで関わりたい。
そんな意志が高く評価され、新手法での診断システムの事業化を任される。

写真:須田 美彦
上司須田 美彦
写真:井出 陽一
転職者井出 陽一事業開発本部
事業開発部
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なぜ転職を考えた?

井出
私はコニカミノルタで3社目です。新卒で入社したのは大手食品メーカーの医薬品開発研究所で、その後あるバイオベンチャーに転職したのですが、次第にそのベンチャーの経営が行き詰まってきて……。
須田
業界では名前の知られたバイオベンチャーだったよね。井出君はそこで再生医療に取り組んでいたんだっけ?
井出
そうなんです。最初に勤めていたメーカーでは血液増殖因子の研究を手がけていて、人工臓器のようなテーマに挑戦したかったのですが、やはり大きな組織の中だとなかなか自分の思うようにできない。それでベンチャーに移ったのです。でも、やはりベンチャーというのは資金的な制約が大きくて、1年半ぐらい経った頃から「このまま事業を続けていくのは厳しいかもしれない」と再び転職を考えるようになりました。
須田
井出君は採用ホームページから自分で応募してきたと聞いたけど、どうしてコニカミノルタに関心を持ったの?
井出
ライフサイエンスの分野に取り組み始めたばかりで、まだテーマもぼんやりしている状況だということだったので、事業の立ち上げから関われそうだと。そこに惹かれました。
須田
まだ部署の名前も「ライフサイエンス技術準備室」だったよね(2009年4月より「光学バイオ技術開発室」に名称変更)。コニカミノルタはいま、環境やエネルギー、健康などの将来性あるテーマにフォーカスして、こうした成長分野で新しい事業を立ち上げようと奮闘している。もともとコニカミノルタは精密技術や化学に強みを持っていたので、それを基にライフサイエンスの領域に挑戦しようと創設されたのが我々の部署。そこに井出君が応募してきたというわけだ。

面接では何をアピールした?

井出
面接では、コニカミノルタを志望した理由を主に話しました。まだ部門の輪郭がはっきりしていないので、いろいろなテーマに取り組めそうなこと。そして、ただ単に研究するだけではなく、事業化を見据えて仕事に取り組めること。その2つに魅力を感じていると。
須田
研究者というのは、あまり事業のことまで考えてない人が多いんだよね。でもそれではだめ。この部署で仕事をするのは難しいと思う。井出君はそうじゃなかった。ちなみに他社は検討しなかったの?外資系とか……。
井出
いくつか受けましたが、外資系というのは募集しているポジションが明確で、入社して何をやるかがはっきり決まっているのです。それだとつまらない。コニカミノルタは、未知数なところが面白そうだなと。面接では「まだやることが何も決まってないからいっしょに考えていこう」というお話でしたしね(笑)。

彼のどんなところが評価された?

須田
本人を目の前にして言うのもなんだけど、まあ、しっかりした奴だな、というのが最初の印象だったね。
井出
そんなに持ち上げなくていいです(笑)。
須田
面接ではベンチャーに転職したわけを盛んに聞いた覚えがある。大手メーカーにいれば一生安泰なのに、なぜ辞めてわざわざベンチャーに転職したのか。きっと強い思いがあったんだろうと。
井出
研究するからには、そのテーマを自分で事業化して世の中に送り出してみたいという気持ちは昔から強かったですね。バイオベンチャーに転職したのも、それが大きな理由でしたから。
須田
実際、いろんな人が応募されてくるんだけど、たとえばポスドクで大学にいる方などには「自分の研究が続けられればいい」という姿勢の人が多い。要は研究が目的なんだね。でも我々は違う。事業を創り出すことがミッション。さっきも話したとおり、そこにベクトルを合わせられない人は、やはり我々の仲間になっていただくのは厳しいと思う。いっしょに事業をやっていこうという意志があるかどうかが最も重視するポイント。研究論文をたくさん書いたからといって評価が高くなるわけじゃない。井出君は、そうした「事業を創る」という意志が強く感じられたので、まさにうちの部署にぴったりの人財だなと。

写真:対談の様子

入社後感じたギャップは?どう乗り越えた?

井出
こちらに入社してから、まずは自分の居場所を見つけなければ、と思っていたところ、いきなり、東大との共同研究に関わることになって……。
須田
そう、当時、ライフサイエンス技術準備室として事業の芽になるような研究に着手しようと、東京大学の医科学研究所との共同研究を立ち上げた。そこに、ちょうどいい人財が来たということで、じゃあ井出君にやってもらおうと(笑)。正直に言えば、私もそうなんだけど、当時のライフサイエンス技術準備室はフォト関連の研究者が集まって作った部署なので、もともとバイオテクノロジーに精通している人財はほとんどいないのが実情。だから専門知識を持ったキャリア採用の人に大いに期待しているし、最初からどんどん仕事を任せている。
井出
あと、コニカミノルタは「きちんとシナリオを作り、絶えずブラッシュアップしながら、それに沿って仕事を進めていく」という姿勢が徹底してますよね。以前いた会社では、ある程度シーズが育って、世の中に認められたら事業化の絵を描くというスタイルでしたが、コニカミノルタはスタート時点から明確にゴールをイメージして研究に取りかかる。最初は少し違和感がありました。
須田
確かにそうだね。ライフサイエンスのような成長領域だと、シーズ本位なら何でも研究できるし、それが間違っているとは言いきれない。しかし、さまざまな可能性のある領域だからこそ、最後のゴールを見据えないと、いくらリソースがあっても足りなくなる。どういうビジネスに結びつけるかを常に強く意識することは、ここで働くための必須条件だね。
井出
結局、「事業を創る」というのはそういうことなんですよね。いま私は、疾病診断システムの開発に取り組んでいるのですが、自分でシナリオを練り、それを実現するためには何をすべきかを考え、具体的なアクションに落として実行しているところ。いろいろと壁はありますが、新しい手法での疾病早期診断という、社会的意義のあることに取り組んでいるので、やりがいは大いに感じています。

いまの彼の評価は?

須田
井出君は期待通りに活躍してくれているし、これからはもっとリーダーシップを発揮してほしいと思っている。この部署は新しい組織で新卒を積極的に採用してきたので、メンバーは入社5年目ぐらいまでの若手が多い。彼らをどんどん引っ張っていってほしいね。井出君クラスの30代後半の人財が、組織ではいちばん要になる。彼らが真に力を発揮できる環境をつくっていくことが、組織の発展につながっていくと思う。
井出
働く環境はとてもいいと思いますよ。まわりの方を見ていても、みなさん自分の能力を存分に出している印象を受けます。コニカミノルタはそういう文化なんですね。
須田
私も長年コニカミノルタに籍を置いているけど、確かに個を活かす自由な風土だと思う。没個性じゃない。
井出
こちらに転職してから、本当に「自分の力で新しい何かを創り出している」と日々実感しています。
須田
我々はいま、いろいろな技術を組み合わせてライフサイエンス領域で新事業に挑んでいるわけだけれども、ここにはそれを果たせるだけの土壌がある。材料や道具も豊富。キャリアで入社される方は、これまで培ってきた自分のキャリアをそこにかけあわせて、自分の手で新しい事業を創り出すという、他ではなかなか味わえないような経験をぜひ成し遂げてほしいね。
写真:井出 陽一

転職者のプロフィール

2007年コニカミノルタ入社。大学院時代は農学を専攻。修了後、大手食品メーカーの医薬品部門に就職し10年間勤務。非臨床試験の研究開発を手がけていた。その後、バイオベンチャーに転職。再生医療関連製品の事業開発に携わる。

※所属、職名等は、インタビュー当時のものです。