製品における環境配慮

製品における環境配慮 製品の生産から使用、廃棄までを通して、環境負荷の低減を図っています。

環境配慮性のチェック

トータルな視点で環境配慮設計を進めています。

コニカミノルタの製品づくりは、地球温暖化防止、製品リサイクル、有害物質の排除など、環境に関わるすべてに配慮する「環境配慮設計(DfE)」の思想で進められています。

製品の原材料・部品調達から生産、輸送・販売、使用、リユース・リサイクル、廃棄まで、ライフサイクルの各段階での環境負荷を洗い出し、評価項目を設定してトータルな視点で取り組んでいます。新製品開発の際には、企画段階で製品アセスメント基準書の評価項目にそって環境目標値を設定し、まず試作段階で達成状況のチェックを行い、さらに量産化前の最終評価を経て、目標値をクリアした製品を市場に送り出しています。

製品のライフサイクルとアセスメント

グリーン調達

グリーン調達をグローバルに推進しています。

環境配慮型製品を提供するには、製品を構成する原材料や部品にさかのぼって環境負荷を確認することが必要です。コニカミノルタグループでは、原材料や部品を調達する評価基準として、品質・コスト・納期に環境の要素を加え、環境負荷の少ない部材を優先的に購入する「グリーン調達」をグローバルに実施しています。また、調達する原材料・部品の含有物質を評価する「物品評価」に加え、お取引先の環境マネジメントシステム構築状況を評価する「企業評価」も基準に加えており、こうした調査情報はデータベース化しグループ内で共有しています。またサプライチェーンにおける含有化学物質管理の推進のために、お取引先の現場診断、教育支援を通して強力なパートナーシップを構築し、環境リスクを低減しています。

グリーン調達システムとその活用

RoHS指令への対応

RoHS指令対象外の製品を含め、すべての製品について、対応を進めています。

2006年7月からEU市場で発効した、RoHS指令で規制されている、鉛・カドミウム・水銀・六価クロム・臭素系難燃剤2種類の物質については、RoHS指令が適用される全ての製品について使用の全廃を完了しています。指令適用外の製品についても、2005年度以降発売の新製品から全廃対応しており、2007年度末には、医療用途等において代替品調達が困難な一部の部品を除いて、全ての製品で全廃を達成する予定で進めています。

製品からの化学物質放散への対応

製品からの化学物質放散測定を迅速におこなう体制を強化しました。

オフィスなどでお使いいただくデジタル複合機・レーザプリンタなどの情報機器製品では、快適なオフィスの居住性をそこなわないことが特に重要です。コニカミノルタは、製品の環境負荷とともに、使用時に発生する騒音やVOC(揮発性有機化合物)の放散などを厳しく規制した、ドイツの「ブルーエンジェル」マーク(以下BAM)の認証基準のクリアに積極的に取り組み、快適にお使いいただける製品をご提供しています。2006年度には、日本国内にあるふたつのコニカミノルタの試験所が、ドイツ連邦材料試験・研究所により、BAMの申請に必須とされている化学物質放散測定ができる試験所として認定されました。これにより、コニカミノルタのデジタル複合機の設計・開発拠点がおかれている日本国内ですみやかにデータを測定することが可能になり、認証取得のスピードアップとコスト削減はもちろん、測定結果の製品への迅速なフィードバックにも役立ち、安全・安心な製品の市場化を、いっそう効率的に迅速におこなえるようになります。

コピー用紙の調達

森林資源などに配慮したコピー用紙の調達をおこないます。

国内の情報機器の販売会社、コニカミノルタビジネスソリューションズ株式会社では、お客様に供給するコピー用紙について、森林破壊や劣化による動植物や住民の生活環境への影響に配慮して調達することを定めた「PPC用紙購入基準」を策定し、2007年より運用を開始しています。

地球温暖化防止

製品特性に合わせてCO2削減策を講じています。

ライフサイクルアセスメント(LCA)手法を導入し、多岐にわたる製品それぞれのライフサイクルを通じてのCO2発生を集計、チェックし、製造加工時に比率が高いもの、使用時に比率が高いものなど、それぞれの特性に合わせて効果的なCO2削減の施策を行っています。

たとえば、デジタル複合機などは、ライフサイクル全体を通じてのCO2発生量のうちで最も大きな割合を占めるのが、お客様のもとで使用される時の消費電力です。また、その使用時の消費電力のうち6割以上が、紙にトナーを定着させる際に熱を加える定着器において消費されていました。このため、デジタル複合機の省エネ化への有効な手段として、定着での消費電力削減に取り組み、モデルチェンジごとに、徹底した省エネルギーを追及してきました。

また、デジタル複合機やレーザプリンタに使用されるトナーについては、重合法という手法を使って、生産時の消費電力を大幅に削減した「デジタルトナー」を開発し、多くの機種で採用しています。

デジタル複合機の省エネルギー技術

電力を効率よく熱に変えるIH定着技術を採用しています。

コニカミノルタは、デジタル複合機の省エネルギー化のために、IH定着の採用による、定着プロセスでの使用電力の削減をすすめています。従来の定着プロセスでは、電気エネルギーをハロゲンランプで熱に変え、熱伝導で定着ローラーを加熱していました。それに対してIH定着では、電磁力により直接定着ローラーを過熱し、すばやく温度を上昇させることができるため、待機モードでの通電を抑えることが可能になり、省エネルギー化に大きく寄与します。

2005年度に、コニカミノルタではじめてこの技術を採用したデジタル複合機「bizhub(ビズハブ) 750/600」は、前機種からの大幅な消費エネルギー削減を実現し、発売当時の省エネトップランナー機として市場に投入されました。

2006年度は、さらにこの技術のデジタルカラー複合機への採用をおこない、「bizhub C550」をこのクラス(分速55枚カラー複合機)で業界No.1の省エネルギー機として市場に投入することができました。この「bizhub C550」は、2005年2月発売の「bizhub C450」と比較して、速度10枚アップを達成しながら、消費エネルギーを41%削減しています。

2007年4月現在、改訂された新国際エネルギースタープログラムの消費電力量基準に基づく。

重合法で生産する「デジタルトナー」でCO2発生量を削減

重合法という生産方法により、生産時のCO2発生を粉砕法に比べて約40%も削減した「デジタルトナー」を開発・生産し、多くの複合機やプリンタに採用しています。これにより、生産時のCO2発生量を大幅に削減しています。

また、「デジタルトナー」は低温で溶融するために、定着プロセスでの消費電力削減にも効果があります。2006年発売の「デジタルトナーHD」では、従来の「デジタルトナー」より約20度低温でも溶融定着が可能となり、ユーザが使用する際の使用エネルギーをさらに約15%削減することに成功しています。

リデュース設計への取り組み

製品の小型軽量化や素材の薄膜化により、使用する資源を削減しています。

製品に使用する材料資源を削減するリデュース設計は、原材料使用量や製造時のエネルギー消費の削減、廃棄時の環境負荷軽減に大きく寄与します。コニカミノルタでは環境配慮設計の一分野として、さまざまなリデュース設計への取り組みを重ねています。

小型軽量カラーレーザプリンタmagicolor(マジカラー)2500シリーズ

コニカミノルタは、小型レーザー光学系ユニットの搭載などにより小型軽量化をはかったA4カラーレーザプリンタのご提供を続けています。2004年に自社従来機比較で約30%の軽量化を実現し、発売当時世界最小最軽量を実現した2400W/2430DLの後継シリーズとして、2006年はカラーレーザプリンタ「magicolor 2550」「magicolor 2530 DL」「magicolor 2500W」からなるmagicolor 2500シリーズを発売しました。いずれも重量が約20kgとA4マルチパスカラーレーザプリンタにおいて業界最軽量レベル(発売当時)を実現しています。


カラーレーザプリンタ
「magicolor(マジカラー) 2550」

液晶パネル用TACフィルム(偏光板用保護フィルム)の薄膜化

コニカミノルタは、液晶ディスプレイの偏光板保護用に使用されるTAC(トリアセチルセルロース)フィルムにおいて、厚さを従来の半分にした薄膜タイプにより、使用する材料資源を半減させたことで、省資源に寄与しています。

液晶ディスプレイ断面

光学レンズユニットの省資源化

コニカミノルタは、光学レンズユニットの軽量・小型化を進め、使用する資源を削減しています。これらの光学レンズユニットは、軽量・コンパクト化の進むデジタルカメラ、ビデオカメラ、モバイル機器などの製品に搭載されています。

情報機器でのリユース・リサイクル

複写機・プリンタなどの機能を合わせ持つデジタル複合機では、リサイクルとリユースの取り組みを進めています。リサイクルに関しては、使用済みの製品から再生部品や再生資源が容易に取り出せるよう「リサイクル設計実務マニュアル」を制定し、リサイクル設計の標準化を行っています。

外装樹脂材料の統一でリサイクル性を向上

デジタル複合機全機種のすべての外装部品を2種類の樹脂材料に統一し、後継機種などに樹脂をリサイクルするクローズドマテリアルリサイクルを促進しています。

なかでも、高い外観品質・強度・耐炎性などが求められる外装カバー部品へのリサイクルにも取り組み、リサイクル拠点に専用の樹脂部品の破砕機を設置し、異物除去の仕組みを強化することで、純度の高いプラスチック素材の再生リサイクルを可能にしています。毎年およそ100トンの再生プラスチックを循環利用しています。


デジタル複合機の外装樹脂部品

廃棄トナーを出さない「トナーリサイクルシステム」

デジタル複合機での印字の際に紙に定着しなかったトナーを機内で回収し、循環し、再使用する技術が、「トナーリサイクルシステム」です。このシステムにより、投入量の約20%の廃棄トナーの発生を抑制しています。

独自の「トナーリサイクルシステム」

レーザプリンタカートリッジの回収リサイクル

レーザプリンタの使用済みトナーカートリッジの無償返却リサイクル制度を、欧州・米国・日本で展開しています。

北米・欧州では、この制度をClean Planet Programと名づけて、積極的に推進しています。

北米では、現在USAとプエルトリコで展開しています。欧州では、16カ国で展開していましたが、2006年度中に新たにハンガリーとチェコでも運用を開始し、合計18カ国に範囲を拡大しました。

使用済み複合機・プリンタなどの回収リサイクル

日本では、「産業廃棄物の広域的処理に係る特例制度(広域認定制度)」に基づき、コニカミノルタはメーカーとして、販売した複写機・複合機、プリンタの回収をおこなう認可を環境省から受けています。これにより、「使用済みレーザープリンタ・複写機回収プログラム」を運用し、法人のお客様にて使用済みとなったプリンタや複写機を、有償にて回収・再資源化しています。

一般廃棄物に該当する個人のお客様の使用済み機器は、法令によりこのプログラムの回収対象外になります。

海外でも、各市場の状況に合わせて活動を進めており、欧州では、電子・電気機器の廃棄に関するEU指令(WEEE)に準拠した対応をおこなっています。

カラー複合機両面印刷時100%の生産性

森林資源の保全のために、オフィスでの紙の使用量削減は重要であり、両面印刷はそのための有効な手段です。デジタルカラー複合機「bizhub(ビズハブ) C550」は、3枚交互両面搬送制御と反転専用ローラー方式を採用することにより、カラー両面印刷時でも、毎分45ページ※の高スピードを実現し、片面印刷時と同等の生産性を確保することで、両面印刷をより使いやすいものとし、お客様のオフィスでの用紙消費量削減をサポートします。

A4ヨコ

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