従業員とともに
従業員の健康度向上への取り組み
健康第一の風土醸成を通じた健全な経営の推進
いきいきと働くことができる職場(会社)を目指して活動を推進しています
コニカミノルタでは、「従業員の健康が全ての基盤」との認識のもと、健康を第一とする風土の醸成を通じて健全な経営を推進(健康経営)するという理念「コニカミノルタグループ健康宣言」に基づいて、会社と健康保険組合のリソースを最大限活用できるよう、施策立案と推進をワン・マネジメント体制(コラボヘルス)で運営しながら、健康増進策を積極的に展開しています。
この健康宣言の理念を実現するために、2014年度より、3カ年の健康中期計画「健康KM2016」を策定し、健康リスクを抱える従業員の最小化と、従業員の健康度の「見える化」による健康意識の向上(健康ムーブメント)を重点施策として取り組んでいます。
コニカミノルタ(株)における病気休職者は、2016年4月1日時点で33名ですが、各種の健康増進策により、休職者の発生を抑制することを目指しています。
また海外グループの従業員を含めた取り組み拡大に向け、主要な生産拠点が置かれている中国従業員のために、「コニカミノルタグループ健康宣言」の中国語訳を作成・発信し、健康意識向上を図っています。
健康リスク保有者の最少化
フィジカル・メンタル両面における健康リスク保有者をセグメント化し、それぞれ人数の削減目標を設定して施策に取り組んでいます。フィジカル面では、コニカミノルタ(株)で取り組んでいた「重症化予防施策」を2014年度から国内グループ関係会社へ拡大・展開し、コニカミノルタグループ全体の健康リスク保有者数の低減に向けて、産業保健スタッフによる個別指導の強化を実施しています。
2015年度のコニカミノルタ(株)の定期健康診断の受診率は、99.9%とほぼ100%の受診となっており、定期健康診断で有所見と判定された従業員の比率は63.7%、BMI基準値をオーバーしていた従業員の比率は26.8%、血圧・血糖・脂質の項目が要医療・要精密検査レベルの従業員比率は4.1%でした。これらのリスク保有者に対して産業保健スタッフが適切な指導を行うとともに、病院受診(要医療・要精密検査)が必要な従業員への受診勧奨を強化した結果、2015年度の病院受診率は83%と前年度から10%アップしました。また、国内コニカミノルタグループの従業員とその被扶養者に対して、生活習慣病予防のための特定健診を毎年実施し、その結果に基づいて、対象者が健康的な生活に自ら改善できるよう働きかける特定保健指導を実施しています。この結果、2015年度のコニカミノルタグループ全体の特定保健指導対象者数は、2009年度比で30%減少しました。
特定健診受診率 | 特定保健指導実施率 | |
---|---|---|
従業員 | 98.0% | 29.4% |
被扶養者 | 69.6% | 25.3% |
さらに希望者に対しては、がんなどの早期発見につながる任意検診も実施しています。
検査部位 | 実施率 |
---|---|
肺 | 95.0% |
胃 | 91.5% |
大腸 | 93.3% |
前立腺 | 88.7% |
乳 | 63.8% |
子宮頸 | 21.0% |
(集計範囲:コニカミノルタ国内グループ全従業員)
メンタル面では、2012年度から全従業員を対象としたストレスチェックを年2回実施し、毎回の受診率は95%前後を維持しています。ストレスチェックの結果を従業員がセルフケアに活用する一方、2013年度からは職場別の分析を実施し、結果を各組織長にフィードバックするとともに、ストレス度の高い職場については改善策を立案・実行しています。
また、2012年度からは、メンタル不調による休務から復職する従業員を対象とした「リハビリ勤務制度」を導入し、最大3ヵ月のリハビリ勤務期間中に産業医・職場上長・人事との面談を最低3回設けるなど、対象者へのフォローを手厚くしました。
この結果、コニカミノルタ(株)でのメンタル休職者数は、2016年4月1日時点で、2013年度同時期に比べて41.1%減少し、2015年度のメンタル不調での再休務者数は、2011年度比で77%減少しました。
過重労働対策
コニカミノルタ(株)は、過重労働による健康障害の防止に取り組んでいます。
月次超過勤務80時間以上の抑制に向け、2007年から月中で超過時間が40時間以上の従業員とその上長に「超過勤務抑制指導メール」を配信し、長時間労働の抑制に努めています。
また、前月の超過時間が80時間以上の従業員には、産業医による健診を義務付け、健康の確保を図るとともに、上長には「業務改善計画書」の提出を義務付け、2ヵ月連続での長時間勤務の防止を徹底しています。
さらに、2016年からは健診の受診基準を見直し、超過時間が3カ月連続60時間以上の従業員にも産業医による健診の受診、「業務改善計画書」の提出を義務付けることや、前月の超過時間が45時間以上となった従業員で、健診受診を希望する者も新たに受診の対象にすることで、過重労働による健康障害防止強化を進めています。
感染症対策
従業員の健康向上への取り組みの一つとして、感染症の予防策推進に努めています。国内グループでは、インフルエンザの流行情報提供や予防接種の呼びかけをするとともに、海外赴任者や海外赴任する従業員の帯同家族、海外出張者に対してマラリアや肝炎などの感染症に対する情報提供をしています。
なお、健康診断の胸部レントゲンを通して、結核の感染有無を早期に確認および対処し、感染防止に努めています。
従業員の健康度の「見える化」による健康増進活動(健康ムーブメント)
従業員の健康度を示す指標を設定し、健康度を「見える化」することで健康意識を向上するとともに、健康増進に向けた支援活動を実施し、健康度の底上げを図っています。
具体的には、従業員の運動や歩行習慣の定着に向けたチーム対抗でのウォーキングイベントの実施や外部インストラクターによる運動講習会の開催、食習慣の改善・意識向上をねらいとした食堂でのヘルシーメニューの提供や管理栄養士によるセミナー開催など、さまざまな活動を展開しています。また、従業員の健康増進を支援するための健康応援ウェブサイト「KENPOS」を2014年4月より導入しています。このサイトを利用して定期健康診断結果の閲覧、行動目標の設定や日々の実績入力ができるようにするとともに、健康情報の発信などを行い、従業員の自律的な健康増進をサポートしています(「KENPOS」の2015年度利用者数は、11,979名で85.4%の利用率)。2015年度、コニカミノルタ(株)の従業員の29.5%が1日1時間以上の歩行や身体活動といった運動習慣を持っていました。なお、喫煙率は、21.0%でした。
2年連続「健康経営銘柄」に選定
コニカミノルタの“健康経営”に向けた理念や体制、取り組みが評価され、2016年1月、経済産業省および東京証券取引所から「健康経営銘柄」に2年連続で選出されました。
「健康経営銘柄」とは、政府が進める「国民の健康寿命の延伸」に向けた施策の一つで、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践している上場企業を、投資家にとって魅力ある企業として紹介することを通じ、健康経営の取り組み促進を図るものです。選定に当たっては、企業を33の業種に区分し、各業種から1社が選ばれます※。
第2回目となる2015年度は計25社が選定され、2年連続での選定は当社を含めて14社だけで、コニカミノルタは「電気機器」の業種区分から選出されました。
- ※
- 該当企業がない場合、その業種からは非選定。