コニカミノルタ

想いが生み出すイノベーション

小説の舞台裏を見学しよう SideStory

第5回 NPD&立体コピー編

400紙近い世界中の新聞が リアルタイムで読めるサービス

 本がその場ですぐできあがる!

 前回のルポでは、書籍の印刷製本を瞬時に行う「くるみちゃん」ことオンデマンド印刷システムの技術に迫りました。

 するとコニカミノルタの広報担当、丸山さんが笑みを浮かべました。

「いえいえ、本だけじゃないんですよ。今や海外の最新の新聞だって目の前で刷りあがっちゃう技術があるんです」

「え、新聞まで!?海外の、しかも今朝の?」

 三浦さん、びっくりです。

 海外の最新の新聞を目の前で印刷する技術。いったいどんなサービスでしょう?

「まずはこちらをご覧ください」

 三浦さんの目の前にはさまざまな言語で書かれた新聞が並んでいます。

「わあ、いろいろな新聞がありますね。あ、これは…アラビア語、かな? 英語にフランス語に、あ、中国語の新聞も」

「こちらはニュースペーパーダイレクトというサービスを使って出力した新聞です。コニカミノルタはカナダに本社を置くニュースペーパーダイレクト社と契約を結び、世界中で契約している400紙近い新聞を国内で出力するサービスシステムを提供しています。で、その出力をこなすのがこちらのマシンです」

「へえ、形は普通のファクスとコピーの複合機みたいですね」

 確かに三浦さんが言う通り、説明がなければオフィスにある複合機の高級バージョンにしか見えません。

「ははは、そうですね。実際、この機械は複合機そのものですから」

 じゃあ、どうやったら新聞を出力できるんでしょう。

「まず契約している新聞の最新版の情報をインターネットを介してダウンロードします。あとは、そのデータをプリントするだけ。インターネットが発達した今だからこそ可能になったサービスです」

「実際にどんなところでこのサービスは利用されているんですか?」

「なんといってもインターナショナルホテルですね。紙の新聞の場合、さまざまな言語のお客さまが宿泊されるホテルで提供されるのは、自国の新聞と英語の新聞くらいです。けれども、著作権の問題を別とすれば、各国の新聞のデータベースを構築すれば、原理的にはどの国の新聞でもリアルタイムでプリントアウトサービスできるわけです。また新聞そのものを資料として購入したい大手書店などでもすでに導入いただいております。一般企業でも大手商社のように複数の国際情報が必要な企業ではご活用いただいています」

「なるほど、それは便利だ。それにしても本当にいろいろな言語が…。アラビア語の新聞なんて初めて見た!」

「今お手もとにあるアラビア語だけでなく、英語やフランス語、ドイツ語、フランス語、ハングルなど、多くの言語に対応した新聞の、しかも最新版がご覧いただけるんです。場合によっては、時差の関係で、現地の方よりも早く最新版の新聞を手に取れることだってあるんです」

「それはすごい! 本当に便利ですね!」

新聞以外でもさらなる可能性

 ニュースペーパーダイレクトのようなサービスが生まれた背景は何だったのでしょうか?

「もともとこのサービスは、時差のある米国内でスタートしました。さらにインターネットと複合機を組み合わせることで、新聞をリアルタイムに紙出力された状態でお客様に届けることができるサービスが生まれたんです」

「インターネットと組み合わせることで、今まである複合機の技術がまったく新しいサービスを生むんですね。世界中の新聞が手軽に読めるようになるなんて、びっくりです」

 三浦さん、感服のご様子です。

「あ、ひとついいこと、思いついた」

 三浦さん、ひらめいたようです。

「前回紹介した『くるみちゃん』とインターネットを組み合わせれば、ニュースペーパーダイレクトの新聞と同じように、自分の欲しい本をデータベースから選んで、印刷、製本してもらう、ということだってできるようになるのかしら?」

「もちろんです! 権利関係の問題は別にして、今ある技術を組み合わせるだけで、究極のオンデマンドプリント、お客様がデータベースから欲しい本をオーダーして、その都度印刷製本することも原理的には可能です」

 最近は米国のウェブ書店の「アマゾン」が発売した電子書籍端末「Kindle(キンドル)」が話題になっていますが、コニカミノルタの技術を組み合わせると、電子書籍と同じように、リアルな紙の本もオンデマンドで届けてもらえるようになるかもしれません。三浦さんもそんな未来を想像します。

「将来は、データで本を買いたい人はKindle(キンドル)のようにデータで、紙の本が欲しい人はこちらのサービスで、などと選ぶようになるのかもしれませんね。今は書籍の電子化が話題になっているけれど、インターネット技術を組み合わせることで、紙の本も気軽に手に入れられるようになる、ってことですね」

 丸山さんは言います。

「まさにおっしゃる通りです。紙か電子か、ではなくて紙も電子も、お客様のニーズに合わせて情報を届けられるようになる。インターネットとオンデマンドプリントの技術を組み合わせれば、未来の新聞や書籍の世界は、紙と電子が対立するのではなく、両立して利用できることになるはずなんです」

「わあ、そう考えると、楽しくなっちゃいますね。作家として、読者として、とてもわくわくします」

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