星野俊光 写真展「海猫夢幻~東京湾岸に生きる猫たちの記憶~」

展示概要

作者コメント

東京湾岸には、誰かの物なのだけれど誰の物でも無いような不思議な「空間≒隙間」が点在している。過剰なフェンスや柵によって不完全に仕切られた空き地。廃棄物を埋め役目を終えた人工の埋め立て地と、それを虚飾する作り物の岩場。砂浜を違法に占拠する廃船や建物が主張する、人々を拒絶する目には見えない境界線。本来はこの場所に在るべきでは無いモノによって、日常と物理的あるいは精神的に隔絶された「空間」には、野良猫が住んでいる確率が高いことに気付いた。
人々の暮らしから隔絶された海辺に生きる猫たちの給餌は、残飯だったり、缶詰だったり、釣果のおこぼれだったりと様々だ。栄養も量も時間もいい加減なので、時に猫たちは自らの力で昆虫や漂着魚を捕食する必要がある。人に媚びず、でも付かず離れず、時には捕食せざるを得ない海辺の猫たちは、ネコ科動物本来の野性味を残しており魅力的だ。
そんな、海辺の猫たちを、記録では無く「記憶」に残したいと強く思った。その為、作画にあたっては「その場の空気感」を写し取るように腐心した。静かに猫の姿を捉えながらも、見る者に「なぜ君は、そこにいるのか?」と思いを廻らせる写真でありたいと。
本展示は、今も急速に数を減らし続ける東京湾岸(東京都~千葉県内房地区)に点在した『隙間』とそこに生きる『猫たち』を3年間に渡り撮影した作品になります。

作者プロフィール

星野俊光(ほしの・としみつ)

1963年
群馬県出身
東京写真専門学校卒業
現在、東京都在住の会社員
2007年
「東京湾岸のねこたち」キヤノンギャラリー(札幌・仙台・銀座・名古屋・梅田・福岡)
2010年
「光の中で~東京湾岸のねこたち~」 エプソンギャラリーエプサイト
「東京湾岸のねこたち」 キヤノンギャラリー(銀座・梅田・福岡)
2011年
「東京湾岸のねこたち」 ギャラリー ル・デコ(渋谷)
2013年
「Cats on the Shore ~海辺に生きる猫たちの記憶~」 コニカミノルタプラザ
2015年
「横浜赤レンガ倉庫ねこ写真展」主催・出展  横浜赤レンガ倉庫1号館
他、グループ展・企画展多数

展示作品

カラープリント A3ノビ、A2ノビ 約60点

作者の制作現場

作者の撮影ノートより

撮影の前に

「東京湾岸に生きる猫たち」にテーマを絞り撮影して10年。「島」や「街」に比べ野良猫の数もロケ地も少ない、歩留まりの悪い地域縛りをあえて自分に課してきました。通年よく足を運ぶポイントはせいぜい10箇所ほどです。当然10年も通い続ければマンネリ化してきますが、それでもあえて同じ地域に拘り続けたのは、何度も通うからこそ見える「瞬間」「構図」「光」があるからです。特に「光」は行く度に新たな発見があります。猫は夜行性なので、自ずと夜型の撮影になりますが、さすがに地明かりも無いような場所では猫を写すことは出来ません。しかし、街灯も無いような場所ほど遠くの街明かりや月明かりを美しく感じるものです。そこで明るさや光質が異なるバッテリー式のLEDライトを10個ほど所有し、そのうちの2~4個を現場に持参し補助光を作ります。明日はどのライトでどんな補助光を作ろうか? バッテリーの充電をしながら次の撮影のイメージをふくらます、そんな所作が最近の撮影前の重要な時間となっています。

最も印象に残ったこと

今回の展示作品に何度か登場しますが、ある漁港に捨てられた母猫とその子供が3匹で暮らしていました。そこに乳離れしたばかりの子猫が新たに2匹捨てられてしまったのですが、先住の母子3匹が、血のつながりの無いその2匹の子猫の面倒を自然と見るようになりました。海で生きる術を教え、凍える夜は空き箱の中で寄り添い眠る。過酷な環境下だからこそ複数で生きていく、というのは動物の本能なのでしょうが、それはまぎれも無い「愛」であり、とても感動的な出来事でした。

作品エピソード

HP用カットとしても使用した、金網越しにこちらを見つめる猫の写真は、Photoshopでの合成写真です。普段は多重露光や合成はしないのですが、『捨てられた猫が、住んでいたマンションを遠く思い出す』イメージが先にあり、どうしてもワンショットでは描ききれなかった為にそれぞれのイメージを別々に撮影し、レイヤーを重ねました。ロケ地に向かう電車の窓から先ず、「遠くのマンションを、動く電車のゆれに任せてブラして撮影」し、現地で「フェンス越しの猫」を撮影。適当に撮影した2枚の合成では無く、同じ日、同じ地域の1時間ぐらいの時間軸で得たイメージを融合し、必然性のある1枚にしました。こうして今回の展示会タイトル「海猫夢幻」にどうしても必要だと考えていた最後の1ピーズがようやく得られ、完成しました。

同時開催

当館へのアクセス

コニカミノルタプラザ

〒160-0022
東京都新宿区新宿3-26-11
新宿高野ビル4F

JR新宿東口、地下鉄丸の内線「新宿駅」A7出口から徒歩1分
(フルーツの新宿高野4F)

開館時間 10:30~19:00

※ 最終日は15:00まで。
※ 入館は閉館の15分前まで。
※ 天災や不測の事態が生じた場合、営業の見合わせや中止となる場合がございます。予めご了承ください。

※ 7月22日、29日の2日間は特別開館時間のため20:00まで延長して営業いたします。

休館日のお知らせ

8月11日(木)~15(月)

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