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コニカミノルタ 日本
コニカミノルタプラザ
展示スケジュール
2012年4月の展示
第37回木村伊兵衛写真賞 受賞作品展
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第37回木村伊兵衛写真賞 受賞作品展

展示内容の詳細


賞について

木村伊兵衛写真賞は朝日新聞社が、戦前・戦後を通じてわが国の写真の発展に多大な貢献をされた故木村伊兵衛氏の業績を記念し、1975年より制定した国内屈指の写真賞です。その年に優れた成果をあげた「新人」写真家を対象にしており、これまでも多くの新進気鋭の写真家を輩出し、写真界において高い評価を得ております。
2004年(第29回)より、コニカミノルタプラザにおいて受賞作品展を継続開催しており、第37回木村伊兵衛写真賞は、田附 勝氏の「東北」に決定いたしました。

田附 勝 写真展 「東北」 作品紹介

受賞の対象となった写真集「東北」(リトルモア)は昨年刊行されました。青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の人々の生活や習慣、そこに根付く祭事、文化を真正面から見据えて撮影した作品です。そこには、東北の風土を背景に、妖気漂う濃密な世界が写し出されています。

作者コメント

心も体も東北に向かっていた。
1994年に東北を旅したとき、ぞわぞわするような血のたぎりを感じた。19歳だった。その感覚は私の中に残り、やがて大きくなっていった。この21世紀にいながら太古の昔の東北を感じることができるのではないか。太古の昔の東北人の視点を意識しながら、東北を撮ろうと思った。
2006年から東北の地に足を踏み入れ、少しずつ撮影を始めた。撮りたい一心で東北の地を青い軽自動車で駆けまわった。東北にいると、人と獣の存在がとても近くに感じられた。同時に、生と死は隣り合わせのように感じられた。その感覚を追いかければ、自分なりの「東北」を撮りきることができるかもしれないと思っていた。しかし、東北の撮影は、いつも私の想像を超えていた。
鹿を追う猟師の足手まといになりながら撮影した。雪深い山中で乾いた銃声が響き、鹿が倒れた。雪に血が散っていた。太平洋でメカジキと戦う突棒猟師の兄弟の船に乗せてもらった。それは知り合ってから4年後のことだった。死者の声を聞くことができるというオガミサマは、ほとんど視力がない眼を、真っ直ぐカメラに向けてきた。

彼ら彼女らを写真に写し出すことは、真剣に対峙することであり、同時に彼ら彼女らの世界に踏み入ることであった。いつも自分の覚悟を試されているような気がした。そんな撮影だった。
私は東北を撮りながら、日本とは何かを問い直そうとした。日本人の原型を東北人に見出そうとした。
しかし、撮影に一区切りをつけた直後、2011年3月11日、東北は大震災に遭ってしまった。結論が出ないことを考え続けた。考えていなかったのかもしれない。ただ、ただ、今でも東北に向かう。そして写真を撮る。それしかなかった。
震災後、写真に写るものは、明らかに変化した。うろたえる自分が、そこにいる。
東北から何かが聞こえてくる。そいつをカメラで正面から捕まえるために、私はまた東北の地へと向かう。

作者略歴

田附 勝(たつき・まさる)

1974年 2月6日富山県富山市生まれ。埼玉で育つ。
1995年 フリーランスとして活動開始。
1998年 アート・トラックに出会う。9年間にわたり全国でアート・トラックおよびドライバーの撮影を続け、2007年に写真集『DECOTORA』(リトルモア)を刊行。
2008年 日本「リトルモア地下」、米国「TAIGallery」にて個展「DECOTORA」開催。
2011年 写真集『東北』(リトルモア)を刊行。2006年から東北地方に通い、撮り続けた。
現在もライフワークとして東北の地を訪れ、人と語らい、自然を敬いながら、シャッターを切り続けている。

展示作品

カラープリント 600mm×600mm 約20点

主催

朝日新聞社、朝日新聞出版

協賛

コニカミノルタホールディングス株式会社


アクセス


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