柳本尚規・柳本史歩写真展
一人の故郷と、そこを空想の中で故郷化する家族。そこに生まれる二つの視線。北海道の景観をめぐって、いまあらためて確かめるそれぞれの故郷。原風景と現風景の対話を試みる、北海道視感―60点余の展示による写真作品展です。

ふと出かけたくなると、行き先はだいたい北海道だった。北海道は私の故郷だが、一所に長く住んだことがなかったから、北海道に着くとそこから自分の故郷探しが始まるような感じだ。
家族もまた、北海道へ行くようになった。その中の一人が撮ってくるたくさんの写真を見ていると、その断片の光景の向こうに、私の故郷の存在感を思わせられるようになった。そしてかれもまた、故郷探しをしているようだなと思え、それを探す目も随分違うものなのだなと思わせられる。あたりまえの話で、故郷とはそんなものかもしれない。
イタリアのパヴェーゼの「月と篝火」という小説の中にこう書いているくだりがある。
『故郷は要るのだ,たとえ立ち去る喜びのためだけにせよ.故郷は人が孤独でないことを告げる.村人たちのなかに,植物のなかに,大地のなかに,おまえの何かが存在し,おまえがいないときにもそれが待ちつづけていることを知らせる。(河島英昭訳)』
ああそうなのかと私はうなずく。だから人は故郷を求めるのかと。そして向かうのかと。
互いに触発されて新たにつくられてゆく故郷のイメージ。この写真展はそんな様子を見ていただこうと思って編集したものである。(柳本尚規)

柳本尚規(やなぎもと・なおみ)
| 1945年 |
北海道生れ 日大芸術学部写真学科中退。写真同人誌「PROVOKE」制作担当を経て作品制作、写真批評活動に従事。現在、東京造形大学教授。 |
写真展
| 1977年 |
「本・校舎・町・そして夜」 ミノルタフォトスペース新宿 |
| 1977年 |
「眼・カメラ・現実-11人のイタリア写真家と11人の日本人写真家」展イタリア文化会館 |
| 1981年 |
「美しい夏」オリンパスギャラリー |
| 1984年 |
「北の水辺」オリンパスギャラリー |
| 1985年 |
「パリ・ニューヨーク・東京」展 つくば写真美術館'85 スペイン文化庁巡回展「現代の日本写真」 |
| 2000年 |
「象潟の南」 北鎌倉ワイツギャラリー |
| 2001年 |
「丘陵の家」 オリンパスギャラリー |
| 2002年 |
「海の周囲(まわり)、丘陵の生活」 コニカプラザ ほか |
編著
| 1990年 |
「写真・柳沢信」(共著) 書誌山田 |
| 1994年 |
「Faces of Humanity-人間の街」(共著) 写真「人間の街」プロジェクト ほか |
柳本史歩(やなぎもと・しほ)
| 1976年 |
東京生れ |
| 1999年 |
東京造形大学卒業 |
| 2005年 |
フォトシティさがみはら新人奨励賞受賞 |
写真展
| 1998年 |
「日録Diarism」北鎌倉ワイツギャラリー |
| 1999年 |
「五月の休日」北鎌倉ワイツギャラリー |
| 2000年 |
「海辺(かいへん)の町」オリンパスギャラリー |
| 2002年 |
「旅の図説-はじめての町より」新宿コニカプラザ |
| 2002年 |
「眩しい町」大阪ビジュアルアーツギャラリー |
| 2003年 |
「海山のあいだ」オリンパスギャラリー |
| 2003年 |
「遠い海・六月のさくら」北鎌倉ワイツギャラリー |
| 2004年 |
「栃尾に向かって-アイル・ビイ・ゼア」オリンパスギャラリー |
| 2006年 |
「フォトシティさがみはら受賞記念写真展」ニコンサロン |
| 2006年 |
「海上の夏」オリンパスギャラリー |
| 2007年 |
「LORE-EXHIBIT」北鎌倉ワイツギャラリー |
| 2009年 |
「LORE-EXHIBIT」オリンパスギャラリー |
コレクション
出版物
| 2000年 |
「SEASON」 |
| 2001年 |
「VOICES」 |
| 2003年 |
「LIVES」 |
| 2004年 |
「THERE」 |
| 2006年 |
「EVERY」 |

モノクロプリント 大全紙、B1 約60点
アクセス

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新宿高野ビル4F
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