増山たづ子さんは、2008年5月に完成した日本最大の徳山ダム(岐阜県)のため、水没した故郷、旧徳山村の記録写真を撮り続けた村の女性です。初めてカメラを手に取ったのは、1977年秋、60歳の時でした。ダムのために廃村が決まり、せめて記録を残そうとしたのです。すべてコンパクトカメラで撮った素朴な写真は、多くの人の胸を打ち、1984年、エイボン女性功績賞を受賞しました。「父ちゃんが帰ってきたら見せないかん」といつも話をしていました。戦場から帰ってこなかった夫が、万が一生還しても故郷はもうない。「せめて写真でみせてやりたい」と言うのです。願いはかなわぬまま、増山さんは2006年、88歳で亡くなりました。あとには、7万コマのネガが残されていました。本写真展は、生前未発表だった作品を中心に選び直し、約100点を展示するものです。
| 1917年 (大正6年) |
岐阜県旧徳山村(現在、揖斐川町)生まれ |
|---|---|
| 1945年 (昭和20年) |
夫、徳治郎さん「戦死」 |
| 1977年 (昭和52年) |
ダムのため廃村がほぼ決まり、写真を撮り始める |
| 1984年 (昭和59年) |
エイボン女性功績賞を受賞 |
| 1985年 (昭和60年) |
離村 |
| 2006年 (平成18年) |
3月、88歳で死去 |
| 2008年 (平成20年) |
5月、徳山ダム完成 |
カラー・モノクロプリント 全紙他 約100点
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