私は今までの自分の人生はとても楽しいものだと思っていた。街でみかけるサラリーマンや主婦やその他の人たちは、一体何を楽しみに生きているのだろうかと思っていた。その人間達をこの目で捉えて、改めてじっくりと眺めることをこの作品の中で行った。できあがっていく写真を見ていくうちに、そこには今まで感じていたものとは何か別のものがあることに気付いた。この世の中の人間の一瞬の時間の中には滑稽さ、馬鹿らしさ、懐かしさ、悲しさ、楽しさ、愛しさなど、いくつもの感情が流れていた。その中で生きている「自分」という生き物は、その他人とは決して交わることのない関係であるにも関わらず、写真の中から私に絡み付いてくる。まるで、その中に自己を投影していたかのように。テレビのようにただ眺める作業は、私自身を深く戸惑わせた。見下していた社会の中に「私」という生き物を気付かされた。他人の中に自分を見いだそうとしていたのかもしれない。そのことを最初から知っていたのかもしれない。この先、この写真の中の人間とは交わることはできないまま、平行線を辿っていくのだろう。この作品を通じて、私は私が私でいられる為の、その所以を探さなければいけない。
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| 1985年 | 東京都生まれ |
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| 2008年 | 東京工芸大学芸術学部写真学科卒業 |
カラープリント 大全紙 約30点
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