2003年11月コニカミノルタプラザにおいて、私は「異景~茨城県南部地方の風景~」と題する個展を開きました。テーマは21世紀に入った自分の住む地方の風景でした。それは、昔から続いてきた風景と新しく生まれた風景の混在をねらいとしたものでした。その後数年が経ち、ある日風景の進化があることに気づきました。車で通いなれた国道沿いの風景がいつのまにか変わっているところが何箇所かあったのでした。それらの景色を見るにつけ、2001年以降に撮った場所をもう一度取り直してみようと思い立ちました。
今回の「移景」というテーマの起点ともなった風景のひとつは、風俗案内の電話番号のポスターがモーテル入口の沿道の樹木に一面張り巡らされた光景でした。それは、私が毎日通っていた国道沿いで、車から眼にしていたものでした。この沿道の樹木にはこれらのポスターが貼られては剥がされ、貼られては剥がされが繰り返されていました。2005年のある日、私は沿道の樹木にいつになくいっぱいにポスターが貼られたところを写真に収めました。しかし、しばらくたったある日、それらの樹木が一切伐採されていたのでした。私が毎日通勤していた国道沿いの風景の中で一変したポイントになりました。
最近、私は自分の街をテーマに撮り始めました。テーマになりうるのかどうか、始めたばかりで分かりませんが、「異景」「移景」につなぐものにできればと思っています。これら2つはカラーネガフィルムで撮りましたが、今度はモノクロネガで撮ることにしました。モノクロに変えた理由は、空洞化の進む地方の街をドキュメンタリータッチで撮ってみたいと考えたからです。そして、単に街の寸景だけでなく、今度はそこに住む人間も撮っていきたいと考え、人物スナップも試み始めています。
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