| 第1期展示入賞者 (11月末締切) |
第2期展示入賞者 (2月末締切) |
第3期展示入賞者 (5月末締切) |
第4期展示入賞者 (8月末締切) |
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先日、「フォト・プレミオ2009」第1期締め切り分(2008年11月末)の選考会が行なわれ、4名(4月2名、6月2名)の方が新たに選出されました。今回の受賞者の作品は、どのような点が評価されたのか、また、選考委員が作品を選んだポイントなど、選考会でのコメントをそれぞれの作品ごとにまとめてご紹介します。
植田修子「私の東京生活」
少し遠い視線で、静かな明るい光が満ちる“東京”を見せてくれた作品です。
「東京の中で静かなところに行ったり、東京から離れて地方に行ったり、テーマに沿って撮られていますが、写真自体はとてもソフィスティケートされたものだと思いました。このまま大きく伸ばして1点もののアートとして仕上げれば、かなり完成度が高いのではないでしょうか」
写真ってこんなところまで写るんだということに、あらためて感動しました。
「絵画的な写真と言えますが、“絵”と決定的に違うのはさまざまなものが写り込んでしまうことです。しかし、写り込んでいるところもまた、この作者の目にかかると美しいものに見えてくるというのが、特に面白いと思いました」
「そうですね。静かに見るとか、ある距離を持って見るとか、端正に見るというその方法が洗練された雰囲気を自動的にもたらしてくれているんですよね。若い作者の目の瑞々しさというのが、この作品を見ていて一番強く感じさせられたところです」


大川 孝「SENDAI」
通常はスナップショットというと、横位置でやや広角のレンズを考えてしまいますが、この作者は望遠系のレンズを使って、意外な都会風景(仙台)を見せてくれました。
「ストリート写真というと、とにかく見慣れているというか、いろんなタイプの写真を見尽くしたと思っていましたが、こういうかたちで新しいものが出てくるということに、とても驚いています」
「“SENDAI”というタイトルが付いていると、仙台ってこういうところなんだ!と単純にうれしくなってしまいます」
私たちが知らない“仙台”が写っているという感じがしましたが、
「日常生活の中で、これだけ物語性をつくりだすという、その構成力に感心しましたね。“SENDAI”とアルファベットで綴っているのも、どこか小説のタイトルのようにも思えてきます」
「“仙台”の表記を、漢字ではなく、ひらがなやカタカナでもないアルファベットを持ってきたところにも、この作品のひとつのメッセージというかコンセプトが見えてきますよね」


小浪次郎『UK -「カーテンコール」』
ロンドンの若者たちを撮影した作品です。作者は昨春の2ヶ月間の滞在中、連夜のように友人知人のツテを頼り、アーチストやミュージシャンたちのパーティ、集いに参加していたそうです。
「ここでは集合体、マルチな見せ方が成功していると思います。というのを作者自身もわかっているようですね。近づいてみると写っている個人が強く目に映るわけですが、このように集めて展示することで、いまの時代性までがしっかりと見えてくるのが面白いですね」
「ロンドン、つまりビートルズやパンクのいわば本場ということでしょうが、それだけに写っているひとたちが"本物"と見えてきますね。東京では、コスプレになってしまう。知らない人同士が一夜、一期一会が多いのでしょうが、集まって楽しむ、ということが特別なことではない、ということなのでしょうね」
集団の風俗写真のように一見思えるのですが、
「一点一点をしっかり見つめていくと、人間の存在まで見据えている、深い視線を感じることができます。これらの集まりに作者はうまくまぎれ込んでいるのですが、タイトルからわかるように、自分は観客だということをしっかり意識しているのではないでしょうか。写真の力をしっかり使っていますね」
「カラーとモノクロ、あえてそう組んでいるようですが、そのあたりにも作者の構成力を見てとることもできますね」


荻 由美佳「ONE DAY WORK」
いま社会的に大きな問題になっている“派遣労働”や“日雇”に正面から取り組んだ作品です。
「派遣労働というテーマの時宜性と、働いている場所とポートレートを組み合わせるという手法、そして被写体を真正面から撮っているというストレートさ。それらがこの作品の面白さだと思います」
「場所とポートレートの2枚の写真を組み合わせることで、それぞれ1枚ずつの写真が、音楽で言う“和音”のように響いてくるというか、世界が深まってくるように感じました」
「そうですね。さらに言葉(キャプション)が付くので、3つの要素によって成立する作品になっています。写真の使い方として、こういう手法もあるのかと感心させられました」
このテーマはニュースなどで盛んに伝えられていて、十分な情報によって知らされている世界ではありますが、
「しかし、その実態についてはあまり知らないですよね。そんな折にこの作品によって、いま実際に起こっていることが立体化して見えてくるというか、そういう役割を果たしているんじゃないでしょうか」
「若い作者が自分と同世代の人を撮っているので、その身近さが他人事じゃない、より切実なものを感じさせます」

