
広島県三次市立(みよししりつ)安田(やすだ)小学校 全校児童(じどう)
平成(へいせい)16年度~現在(げんざい)
ダルマガエルは絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)のカエルです。広島県で自然(しぜん)の状態(じょうたい)で生息するのは、安田(やすだ)だけです。このわたしたちの宝(たから)を守るために、安田小学校ではダルマガエルの研究や保護(ほご)活動に取り組んでいます。
校内には、平成(へいせい)16年にできたビオトープがあります。先輩(せんぱい)たちが「ダルマランド」と名づけたビオトープでは、3~6年生が中心となってもち米の稲(いね)を育てています。水田となり、周囲(しゅうい)の自然(しぜん)に溶(と)けこんだダルマランドには、いろいろな生き物が集まります。
毎年7月には、地域(ちいき)でダルマガエルの保護池(ほごいけ)を管理(かんり)している「安田絶滅危惧種保護(やすだぜつめつきぐしゅほご)の会」からおあずかりしたダルマガエルをダルマランドに放流し、成長(せいちょう)を見守ります。
9月には稲刈(いねか)りをして、すぐに生き物調査(ちょうさ)をします。放流したダルマガエルだけではなく、何種類(しゅるい)ものカエル、イモリ、昆虫(こんちゅう)、さらにはヘビが見つかった年もあります。安田(やすだ)にはたくさんの種類(しゅるい)の生き物たちがいて、それぞれ力強く生きていることが分かる調査(ちょうさ)です。

ダルマガエルを放流するビオトープ「ダルマランド」ではもち米の稲(いね)を育てています。

稲刈(いねか)り後の生き物調査(ちょうさ)で見つかったダルマガエル。他の生き物たちも種類(しゅるい)別に数えます。

ダルマガエルは他のカエルよりもジャンプ距離(きょり)が短いことが分かり、天敵(てんてき)、そして落ちた用水路から逃(に)げられないことなどが原因(げんいん)で数が増(ふ)えないのではないかと考えました。
ダルマガエルについての調査(ちょうさ)や研究は5、6年生が中心となって進めます。生き物調査(ちょうさ)はダルマランドだけではなく、地域(ちいき)の水田でも行います。場所によって生き物の分布(ぶんぷ)が大きくちがうことを知り、ダルマガエルが住みやすいのはどんな環境(かんきょう)なのかという疑問(ぎもん)を持つようになりました。今年はこれまで見つかっていない水田でダルマガエルを発見したため、もう一度ダルマガエルの分布(ぶんぷ)をくわしく調べています。
また、ダルマガエルと他の種類(しゅるい)のカエルのちがいについての研究もしています。昨年(さくねん)は、「ダルマガエルはなぜ絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)になったのか。」をテーマに研究を行い、ジャンプ力の弱さに一因(いちいん)があるのではないかと考えました。

「全国野生生物保護実績(ほごじっせき)発表大会」では、日本鳥類保護連盟(ちょうるいほごれんめい)会長賞(しょう)を受賞(じゅしょう)しました。
安田(やすだ)の宝(たから)であるダルマガエルを多くの人に知ってもらうための活動もしています。三次市(みよしし)の環境(かんきょう)フェスティバルや広島市安佐動物公園、また、自主公開研究会などで、ダルマガエルについての調査(ちょうさ)・研究結果(けっか)や、その未来(みらい)を左右する地球環境(かんきょう)についての発表を行っています。
昨年(さくねん)は、「全国野生生物保護実績(ほごじっせき)発表大会」にも参加(さんか)し、これまでの活動や、絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)になった原因(げんいん)についての考察(こうさつ)を発表しました。
ダルマガエルを誇(ほこ)りに思うことは、わたしたちのふるさと、安田(やすだ)の自然(しぜん)を誇(ほこ)りに思うことだと考えるようになりました。いつの日か、ダルマガエルが絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)ではなくなる時がくるように、わたしたちにできることを続(つづ)け、また後輩(こうはい)たちに保護(ほご)活動と安田(やすだ)を誇(ほこ)りに感じる気持ちを受け継(つ)いでいきたいと考えています。

JR安田駅をはじめとした地域のクリーン活動は、ダルマガエル保護活動より長く続く安田小の伝統です。保護活動を通じて、自分たちの暮らしも地球環境の一部であることを児童たちは学んでいます。
平成3年に校区でダルマガエルが発見されて以来、安田小学校では継続してダルマガエルの保護活動を行っています。平成16年には、校地内にビオトープ「ダルマランド」を建設し、また地域に「安田絶滅危惧種保護の会」が結成されたこともあり、児童たちにとってダルマガエルがより身近な存在となりました。
ダルマガエルをはじめとした安田の豊かな自然を教育に取り入れたねらいは、「論理的な思考力」や「科学的な見方・考え方」とともに、本校の教育目標である「ふるさとに立ち、心豊かでたくましく生きる子どもの育成」にあります。
安田には、地域全体でダルマガエルを保護しようという情熱があります。そんな地域の方々に支えられながら、児童たちに研究に向かう姿勢や、地域のクリーン活動と自然の結びつきへの理解、そして何よりふるさとを誇りに思う気持ちが確かに芽生えつつあることをとても嬉しく思っています。