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HS処理技術

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画像処理技術 - HS処理 -

CRシステムの画像処理

CRシステムでは、各種の画像処理が可能ですが既存の処理の概略を示すと下記の内容となります。

  • 自動階調処理(G処理)
    • 撮影部位に合った濃度に自動調整を行う。
  • 周波数処理(F、HF処理)
    • F処理は特定の細かさを強調する。
    • HF処理は複数の細かさを強調する。HF処理の方が強調度合いや、強調パターンのバリエーションが多い。
  • イコライゼーション処理 (E、HE処理)
    • 見えにくい部分を強調する。


Fig1 HF処理(胸部)の例

コニカミノルタでは、従来からの周波数処理のバージョンアップとなる多重解像度分解による周波数処理を【ハイブリッド処理】としてHF/HE処理を標準搭載して、ご利用いただいております。また、これまでのCRにおける強調処理は、画像の濃度(濃さ)の見えにくいところを補正する。画像のシャープさを強調する2点を行ってきました。

新しい画像処理が登場

前ページにおいて今までの画像処理の概略を説明してきましたが、画像のざらつき(ノイズ)を改善する画像処理が新しくデビューいたします。

ノイズ抑制処理の目的

  • ノイズが目立つ撮影部位での画像の改善。
  • 低線量撮影での画質の改善への利用。
  • 診断性能の向上、ノイズを抑制し輪郭線などを明瞭に描写する。

新画像処理(HS処理)

HS処理では、画像本来のノイズを低減する画像処理です。
ハイブリッド処理の技術を発展させたものであり、画像の粒状性を向上させると同時に、その画像内でのコントラストとノイズのバランスの最適化を可能にする処理です。
ハイブリッド処理の「多重解像度分解」過程においてエッジ成分を認識した上で、非エッジ(ノイズ)成分の応答を下げることにより画像の粒状性を向上させています。それでは、ノイズを抑制して粒状性が向上する内容について、ご説明いたしましょう。

粒状性の改善方法

具体的な処理の内容に入る前に、粒状性を改善する方法について考えてみましょう。

ハイブリッド処理HE・HF処理で使用されてきた多重解像度分解による周波数処理は、画像内の構造物細かさ(周波数)に応じて強調ができる内容でしたが、HS処理は画像内の細かいノイズを選択的に減少させて粒状性向上させます。

多重解像度分解ってなに?

具体的には図(Fig 2)のように元画像から非鮮鋭画像を引くとエッジ部分のみの画像を得ることができます。この時にぼかし度合いを変えて同様の引き算を行うと細かさのちがうエッジ画像を得ることが可能となります。この細かさのちがうエッジ画像を取り出すことを多重解像度分解と言います。最近のCRなどの画像処理においてはもっとも基本となる部分で、各種の処理において使用されています。
コニカミノルタでは、この多重解像度分解を使用した処理を『ハイブリッド処理』として搭載しています。

 
Fig 2

人の体を写したレントゲン写真ではさまざまな細かさの構造物の集合で画像が形成されているため、各細かさに(多重解像度)分けてエッジ部分を抽出しておき、必要に応じて元画像に加えたり、引いたりすると非常に見やすい画像に加工することができます。

HS処理の技術・原理

前項目で説明した多重解像度分解を使用したハイブリッド処理のルーチン処理に下記のの3つの処理が加わり、画像のざらつきにあたる粒状性を改善しています。

  1. エッジ情報の抽出
    • 多重解像度分解された複数の非鮮鋭画像および
      非鮮鋭差分画像からエッジ情報を抽出
  2. 選択的平滑化
    • 抽出されたエッジ情報に基づいて平滑化フィルタ
      を切り替えエッジ成分を保持、ノイズ成分のみ平滑化
  3. 濃度・コントラスト依存補正
    • 非鮮鋭画像に対して高濃度・ハイコントラスト
      部分ほど平滑化を抑制

『エッジ成分を保持しつつ、ノイズ成分のみを平滑化』
構造成分をエッジ構造と認識し、選択的平滑化を施すことにより構造成分を維持したままノイズ成分を低減した信号を得る。

HS処理の特徴

前項目で説明した多重解像度分解を使用したハイブリッド処理のルーチン処理に下記のの3つの処理が加わり、画像のざらつきにあたる粒状性を改善しています。

  • 粒状性の向上
    • エッジ成分を保持しつつ粒状成分のみを抑制。
  • ノイズ/コントラスト比の最適化
    • 診断目的に応じて最適なノイズとコントラストのバランスを設定可能。
  • Regius画像処理群との高い親和性
    • その他ハイブリッド処理群(HE、HF)との併用によりさらなる最適化が可能。

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