パルスオキシメータ知恵袋 基礎編

パルスオキシメータに関する診療報酬

医療保険制度のもと、病院や医師が患者に対して行う個々の診療行為やサービスには点数が決められています。この点数をもとに、1点当り10円として計算され、医療保険から医療機関に医療サービスの対価として報酬が支払われています。
パルスオキシメータを使用した検査でも、「生体検査料-監視装置による諸検査」の中で、「区分: D223 経皮的動脈血酸素飽和度測定(1日につき)」及び「区分:D223-2 終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定(一連につき)」で診療報酬点数がつけられています。

パルスオキシメータ検査に関する診療報酬点数

区分 D223 経皮的動脈血酸素飽和度測定(1日につき) 30点
人工呼吸を同一日に行った場合は、経皮的動脈血酸素飽和度測定に係る費用は人工呼吸の所定点数に含まれる。 次のいずれかに該当する患者に対して行った場合に算定する。
(1)呼吸不全若しくは循環不全又は術後の患者であって酸素吸入若しくは突発性難聴に対する酸素療法を現に行っているもの又は酸素吸入若しくは突発性難聴に対する酸素療法を行う必要があるもの
(2)静脈麻酔、硬膜外麻酔又は脊椎麻酔を実施中の患者に行った場合
なお、閉鎖式全身麻酔を実施した際に「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式 全身麻酔を算定した日と同一日には算定できない。
区分 D223-2 終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定(1連につき) 100点
  終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定は、睡眠時呼吸障害の疑われる患者に対して行った場合に算定し、数日間連続して測定した場合でも、一連のものとして算定する。

また、パルスオキシメータの検査が診療行為に包括的に含められており個別にパルスオキシメータ検査を算定できないものとしてできないものとしては
「区分: B001-5 手術後医学管理料(1日につき)」
「区分: C103 在宅酸素療法指導管理料」
「区分: D211-3 時間内歩行試験
「区分: D237 終夜睡眠ポリグラフィー」
「区分: H003 呼吸器リハビリテーション料」
「区分: J405-5 人工呼吸」
「区分: L008 マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔(2時間まで)」
などがあります。

歯科診療の「区分: C004-6 歯科治療総合医療管理料」では、この診療行為の報酬請求を行なうための満たすべき施設基準にパルスオキシメータを保有することが条件となっています。

これらの診療報酬点数と詳細は以下を参照下さい。

パルスオキシメータ検査が包括的に含まれている診療報酬区分

区分 B001-5 手術後医学管理料(1日につき) 1 病院の場合 1,188点
2 診療所の場合 1,056点
注1 病院(療養病棟、結核病棟及び精神病棟を除く。)又は診療所(療養病床に係るものを除く。)に入院している患者について、入院の日から起算して10日以内に行われた区分番号L008に掲げるマスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を伴う手術後に必要な医学管理を行った場合に、当該手術に係る手術料を算定した日の翌日から起算して3日に限り算定する。 (手術後医学管理料について)
(1)手術後医学管理料は、区分番号「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を伴う手術後に必要な医学的管理を評価するとともに、手術後に行われる定型的な検査について、請求の簡素化等の観点から包括して評価したものであり、区分番号「A300」救命救急入院料又は区分番号「A301」特定集中治療室管理料に係る届出を行っていない保険医療機関の一般病棟に入院する患者について算定する。

(2)手術後医学管理料には、包括されている検査項目に係る判断料が含まれており、手術後医学管理料を算定した月に区分番号「D026」尿・糞便等検査判断料、血液学的検査判断料及び生化学的検査(I)判断料は別に算定できない。ただし、本管理料を算定する3日間が月をまたがる場合は、本管理料を算定する最初の日が属する月に係るこれらの判断料は別に算定できないが、その翌月にこれらの判断料の対象となる検査を実施した場合には、別に算定できる。

(3)同一保険医療機関において、同一月に本管理料を算定するものと算定しないものが混在するような算定はできない。

(4)手術後医学管理料の算定開始日となる入院の日とは、第1章第2部通則5に定める起算日のことをいう。
2 同一の手術について、同一月に区分番号B001-4に掲げる手術前医学管理料を算定する場合は、本管理料を算定する3日間については、所定点数の100分の95に相当する点数を算定する。
3 第3部検査のうち次に掲げるもの(当該手術に係る手術料を算定した日の翌日から起算して3日以内に行ったものに限る。)は、所定点数に含まれるものとする。
 尿中一般物質定性半定量検査
 尿中特殊物質定性定量検査
尿及び尿グルコース
 血液形態・機能検査
赤血球沈降速度(ESR)、末梢血液像(自動機械法)、末梢血液像(鏡検法)及び末梢血液一般検査
 血液化学検査
総ビリルビン、直接ビリルビン又は抱合型ビリルビン、総、アルブミン、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、アルカリホスファターゼ(ALP)、コリンエステラーゼ(ChE)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)、中性脂肪、ナトリウム及びクロール、カリウム、カルシウム、マグネシウム、膠質反応、クレアチン、グルコース、乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)、エステル型コレステロール、アミラーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)、クレアチンキナーゼ(CK)、アルドラーゼ、遊離コレステロール、鉄(Fe)、血中ケトン体・糖・クロール検査(試験紙法・アンプル法・固定化酵素電極によるもの)、リン脂質、遊離脂肪酸、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール、前立腺酸ホスファターゼ、無機リン及びリン酸、総コレステロール、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、イオン化カルシウム及び血液ガス分析
 心電図検査
 呼吸心拍監視
 経皮的動脈血酸素飽和度測定
 終末呼気炭酸ガス濃度測定
 中心静脈圧測定
 動脈血採取
4 区分番号D026に掲げる尿・糞便等検査判断料、血液学的検査判断料又は生化学的検査(I)判断料を算定している患者については算定しない。
5 第1章第2部第3節に掲げる特定入院料又は区分番号D027に掲げる基本的検体検査判断料を算定している患者については算定しない。
6 区分番号A300の救命救急入院料又は区分番号A301の特定集中治療室管理料に係る別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者については算定しない。

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区分 C103 在宅酸素療法指導管理料 1 チアノーゼ型先天性心疾患の場合 1,300点
2 その他の場合 2,500点
在宅酸素療法を行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅酸素療法に関する指導管理を行った場合に算定する。 (在宅酸素療法指導管理料について)
(1)チアノーゼ型先天性心疾患に対する在宅酸素療法とは、ファロー四徴症、大血管転位症、三尖弁閉鎖症、総動脈幹症、単心室症などのチアノーゼ型先天性心疾患患者のうち、発作的に低酸素又は無酸素状態になる患者について、発作時に在宅で行われる救命的な酸素吸入療法をいう。
この場合において使用される酸素は、小型酸素ボンベ(500リットル以下)又はクロレート・キャンドル型酸素発生器によって供給されるものとする。

(2)保険医療機関が、チアノーゼ型先天性心疾患の患者について在宅酸素療法指導管理料を算定する場合には、これに使用する小型酸素ボンベ又はクロレート・キャンドル型酸素発生器は当該保険医療機関が患者に提供すること。なお、これに要する費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。

(3)「その他の場合」に該当する在宅酸素療法とは、諸種の原因による高度慢性呼吸不全例、肺高血圧症の患者又は慢性心不全の患者のうち、安定した病態にある退院患者及び手術待機の患者について、在宅で患者自らが酸素吸入を実施するものをいう。

(4)「その他の場合」の対象となる患者は、高度慢性呼吸不全例のうち、在宅酸素療法導入時に動脈血酸素分圧55mmHg以下の者及び動脈血酸素分圧60mmHg以下で睡眠時又は運動負荷時に著しい低酸素血症を来す者であって、医師が在宅酸素療法を必要であると認めたもの及び慢性心不全患者のうち、医師の診断により、NYHAIII度以上であると認められ、睡眠時のチェーンストークス呼吸がみられ、無呼吸低呼吸指数(1時間当たりの無呼吸数及び低呼吸数をいう。)が20以上であることが睡眠ポリグラフィー上確認されている症例とする。この場合、適応患者の判定に経皮的動脈血酸素飽和度測定器による酸素飽和度を用いることができる。
ただし、経皮的動脈血酸素飽和度測定器、区分番号「D223」経皮的動脈血酸素飽和度測定及び区分番号「D223-2」終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定の費用は所定点数に含まれており別に算定できない。

(5)在宅酸素療法指導管理料の算定に当たっては、動脈血酸素分圧の測定を月1回程度実施し、その結果について診療報酬明細書に記載すること。この場合、適応患者の判定に経皮的動脈血酸素飽和度測定器による酸素飽和度を用いることができる。ただし、経皮的動脈血酸素飽和度測定器、「D223」経皮的動脈血酸素飽和度測定及び「D223-2」終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定の費用は所定点数に含まれており別に算定できない。

(6)在宅酸素療法を指示した医師は、在宅酸素療法のための酸素投与方法(使用機器、ガス流量、吸入時間等)、緊急時連絡方法等を装置に掲示すると同時に、夜間も含めた緊急時の対処法について、患者に説明を行うこと。

(7)在宅酸素療法を実施する保険医療機関又は緊急時に入院するための施設は、次の機械及び器具を備えなければならない。
 酸素吸入設備
 気管内挿管又は気管切開の器具
 レスピレーター
 気道内分泌物吸引装置
 動脈血ガス分析装置(常時実施できる状態であるもの)
 スパイロメトリー用装置(常時実施できる状態であるもの)
 胸部エックス線撮影装置(常時実施できる状態であるもの)

(8) 在宅酸素療法指導管理料を算定している患者(入院中の患者を除く。)については、区分番号「J024」酸素吸入、区分番号「J024-2」突発性難聴に対する酸素療法、区分番号「J025」酸素テント、区分番号「J026」間歇的陽圧吸入法、区分番号「J026-3」体外式陰圧人工呼吸器治療、区分番号「J018」喀痰吸引、区分番号「J018-3」干渉低周波去痰器による喀痰排出及び区分番号「J026-2」鼻マスク式補助換気法(これらに係る酸素代も含む。)の費用(薬剤及び特定保険医療材料に係る費用を含む。)は算定できない。
区分: D211-3 時間内歩行試験 200点
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に限り算定する。
2 区分番号D007の30に掲げる血液ガス分析、区分番号D200に掲げるスパイログラフィー等検査及び区分番号D220からD223-2までに掲げる諸監視であって、時間内歩行試験と同一日に行われたもの
(1)時間内歩行試験は、在宅酸素療法を施行している患者又はC103の在宅酸素療法指導管理料の算定要件を満たすことが可能となる患者で在宅酸素療法の導入を検討している患者に対し、医師又は医師の指導管理の下に看護職員若しくは臨床検査技師がパルスオキシメータを用いて動脈血酸素飽和度を測定しながら6分間の歩行を行わせ、到達した距離及び動脈血酸素飽和度及び呼吸・循環機能検査等の結果を記録し、医師が患者の運動耐容能等の評価及び治療方針の決定を行った場合に、年に4回を限度として算定する。

(2)医師の指導管理の下に看護職員又は臨床検査技師が6分間の歩行を行わせる場合は、医師が同一建物内において当該看護職員又は臨床検査技師と常時連絡が取れる状態かつ緊急事態に即時的に対応できる体制であること。

(3)以下の事項を診療録に記載すること
ア 当該検査結果の評価
イ 到達した距離、施行前後の動脈血酸素飽和度、呼吸・循環機能検査等の結果

(4)当該検査を算定する場合にあっては、以下の事項を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
ア 過去の実施日
イ 在宅酸素療法の実施の有無又は流量の変更を含む患者の治療方針

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区分 D237 終夜睡眠ポリグラフィー 1 携帯用装置を使用した場合 720点
2 多点感圧センサーを有する睡眠評価装置を使用した場合 250点
3 1及び2以外の場合 3,300点
  (終夜睡眠ポリグラフィーについて)
(1) 「1 携帯用装置を使用した場合」
ア 問診、身体所見又は他の検査所見から睡眠時呼吸障害が強く疑われる患者に対し、睡眠時無呼吸症候群の診断を目的として使用した場合に算定する。なお、区分番号「C107-2」在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定している患者については、治療の効果を判定するため、6月に1回を限度として算定できる。
イ 鼻呼吸センサー、又は抹消動脈波センサ-、気道音センサーによる呼吸状態及び経皮的センサーによる動脈血酸素飽和状態を終夜連続して測定した場合に算定する。この場合の区分番号「D214」脈波図、心電図、ポリグラフ検査、区分番号「D223」経皮的動脈血酸素飽和度及び区分番号「D223-2」終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定の費用は所定点数に含まれる。
ウ 数日間連続して測定した場合でも、一連のものとして算定する。
エ 診療録に検査結果の要点を記載する。

(2) 「2 多点感圧センサーを有する睡眠評価装置を使用した場合」
ア 多点感圧センサーを有する睡眠評価装置を使用する場合は、パルスオキシメータモジュールを組み合わせて行い、問診、身体所見又は他の検査所見から睡眠時呼吸障害が強く疑われる患者に対し、睡眠時無呼吸症候群の診断を目的として使用し、解析を行った場合に算定する。
イ 区分番号「C107-2」在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定している患者については、治療の効果を判定するため、6月に1回を限度として算定できる。
ウ 区分番号「D223」経皮的動脈血酸素飽和度測定及び区分番号「D223-2」終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定の費用は所定点数に含まれる。
エ 数日間連続して測定した場合でも、一連のものとして算定する。
オ 診療録に検査結果の要点を記載する。

(3) 「3 1及び2以外の場合」
ア 他の検査により睡眠中無呼吸発作の明らかな患者に対して睡眠時無呼吸症候群の診断を目的として行った場合及び睡眠中多発するてんかん発作の患者又はうつ病若しくはナルコレプシーであって、重篤な睡眠、覚醒リズムの障害を伴うものの患者に対して行った場合に、1月に1回を限度として算定する。なお、区分番号「C107-2」在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定している患者については、治療の効果を判定するため、初回月に限り2回、翌月以後は1月に1回を限度として算定できる。
当該検査を実施するに当たっては、下記(イ)から(ニ)に掲げる検査の全て(睡眠時呼吸障害の疑われない患者については(イ)のみ)を当該患者の睡眠中8時間以上連続して測定し、記録する。
(イ) 脳波、眼球運動及びおとがい筋筋電図
(ロ) 鼻又は口における気流の検知
(ハ) 胸壁及び腹壁の換気運動記録
(ニ) パルスオキシメータによる動脈血酸素飽和度連続測定
イ 脳波等の記録速度は、毎秒1.5センチメートル以上のものを標準とする。
ウ 同時に行った検査のうち、区分番号「D200」スパイログラフィー等検査から本区分「2」までに掲げるもの及び区分番号「D239」筋電図検査については、併せて算定できない。
エ 測定を開始した後、患者の覚醒等やむを得ない事情により、当該検査を途中で中絶した場合には、当該中絶までに施行した検査に類似する検査項目によって算定する。
オ 診療録に検査結果の要点を記載する。

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区分 H003 呼吸器リハビリテーション料 1 呼吸器リハビリテーション料(I)(1単位) 175点
2 呼吸器リハビリテーション料(II)(1単位) 85点
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める患者に対して個別療法であるリハビリテーションを行った場合に、当該基準に係る区分に従って、治療開始日から起算して90日以内の間に限り所定点数を算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める患者について、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合その他の別に厚生労働大臣が定める場合には、90日を超えて所定点数を算定することができる。

2 注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者であって入院中のものに対してリハビリテーションを行った場合は、治療開始日から30日に限り、早期リハビリテーション加算として、1単位につき30点を所定点数に加算する。

3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者であって入院中のものに対してリハビリテーションを行った場合は、治療開始日から起算して14日に限り、初期加算として、1単位につき45点を更に所定点数に加算する。

4 注1本文の規定にかかわらず、注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者に対して、必要があって治療開始日から90日を超えてリハビリテーションを行った場合は、1月13単位に限り算定できるものとする。
(呼吸器リハビリテーション料について)
(1)呼吸器リハビリテーション料は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届出を行った保険医療機関において算定するものであり、呼吸訓練や種々の運動療法等を組み合わせて個々の症例に応じて行った場合に算定する。

(2)呼吸器リハビリテーション料の対象となる患者は、特掲診療料の施設基準等別表第九の七に掲げる患者であって、以下のいずれかに該当するものをいい、医師が個別に呼吸器リハビリテーションが必要であると認めるものである。
 急性発症した呼吸器疾患の患者とは、肺炎、無気肺等のものをいう。
 肺腫瘍、胸部外傷その他の呼吸器疾患又はその手術後の患者とは、肺腫瘍、胸部外傷、肺塞栓、肺移植手術、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対するLVRS(Lung volumereduction surgery)等の呼吸器疾患又はその手術後の患者をいう。
 慢性の呼吸器疾患により、一定程度以上の重症の呼吸困難や日常生活能力の低下を来している患者とは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、気管支拡張症、間質性肺炎、塵肺、びまん性汎気管支炎(DPB)、神経筋疾患で呼吸不全を伴う患者、気管切開下の患者、人工呼吸管理下の患者、肺結核後遺症等のものであって、次の(イ)~(ハ)のいずれかに該当する状態であるものをいう。
(イ) 息切れスケール(Medical Research Council Scale)で2以上の呼吸困難を有する状態
(ロ) 慢性閉塞性肺疾患(COPD)で日本呼吸器学会の重症度分類のII以上の状態
(ハ) 呼吸障害による歩行機能低下や日常生活活動度の低下により日常生活に支障を来す状態
 食道癌、胃癌、肝臓癌、咽・喉頭癌等の手術前後の呼吸機能訓練を要する患者とは、食道癌、胃癌、肝臓癌、咽・喉頭癌等の患者であって、これらの疾患に係る手術日から概ね1週間前の患者及び手術後の患者で呼吸機能訓練を行うことで術後の経過が良好になることが医学的に期待できる患者のことをいう。

(3)呼吸器リハビリテーション料の所定点数には、D200からD204に掲げる呼吸機能検査等、D223経皮的動脈血酸素飽和度測定及びその他のリハビリテーションに付随する諸検査及び呼吸機能訓練と同時に行ったJ024酸素吸入の費用が含まれる。

(4)呼吸器リハビリテーション料は、医師の指導監督の下で行われるものであり、理学療法士又は作業療法士の監視下に行われたものについて算定する。また、専任の医師が、直接訓練を実施した場合にあっても、理学療法士又は作業療法士が実施した場合と同様に算定できる。

(5)呼吸器リハビリテーション料を算定すべきリハビリテーションは、1人の従事者が1人の患者に対して重点的に個別的訓練を行う必要があると認められる場合であって、理学療法士又は作業療法士と患者が1対1で行うものとする。
なお、当該リハビリテーションの実施単位数は、従事者1人につき1日18単位を標準とし、週108単位までとする。ただし、1日24単位を上限とする。また、当該実施単位数は、他の疾患別リハビリテーション及び集団コミュニケーション療法の実施単位数を合わせた単位数であること。この場合にあって、当該従事者が心大血管疾患リハビリテーションを実施する場合には、実際に心大血管疾患リハビリテーションに従事した時間20分を1単位とみなした上で計算するものとする。

(6)標準的算定日数を超えた患者については、注4に規定するとおり、1月に13単位に限り呼吸器リハビリテーション料の所定点数が算定できる。なお、その際に、入院中の患者以外の患者にあっては、介護保険によるリハビリテーションの適用があるかについて、適切に評価し、患者の希望に基づき、介護保険によるリハビリテーションサービスを受けるために必要な支援を行うこと。ただし、特掲診療料の施設基準等別表第九の八に掲げる患者であって、別表第九の九に掲げる場合については、標準的算定日数を超えた場合であっても、標準的算定日数内の期間と同様に算定できるものである。なお、その留意事項は以下のとおりである。
 特掲診療料の施設基準等別表第九の八第一号に規定する「その他別表第九の四から別表第九の七までに規定する患者であって、リハビリテーションを継続して行うことが必要であると医学的に認められる者」とは、別表第九の四から別表第九の七までに規定する患者であって、リハビリテーションを継続することにより状態の改善が期待できると医学的に認められる者をいうものである。
 特掲診療料の施設基準等別表第九の八に規定する「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病の者」とは、要介護状態又は要支援状態にある40歳以上の者であって、その要介護状態又は要支援状態の原因である身体上又は精神上の障害が、介護保険法第7条第3項第2号に規定する特定疾病によって生じたものであるものをいう。

(7)「注2」に掲げる加算は、当該施設における呼吸器疾患に対する治療開始後早期からのリハビリテーションの実施について評価したものであり、入院中の患者に対して1単位以上の個別療法を行った場合に算定できる。また、訓練室以外の病棟(ベッドサイドを含む。)で実施した場合においても算定することができる。

(8)「注3」に掲げる加算は、当該施設における呼吸器疾患に対する治療開始後、より早期からのリハビリテーションの実施について評価したものであり、入院中の患者に対して「注2」に掲げる加算とは別に算定することができる。

(9)「注4」に掲げる標準的算定日数を超えてリハビリテーションを継続する患者について、月の途中で標準的算定日数を超えた場合においては、当該月における標準的算定日数を超えた日以降に実施された疾患別リハビリテーションが13単位以下であること。

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区分 J045 人工呼吸 1 30分までの場合 242点
2 30分を超えて5時間までの場合 242点に30分又はその端数を増すごとに50点を加算して得た点数
3 5時間を超えた場合(1日につき) 819点
注1 使用した精製水の費用及び人工呼吸と同時に行う呼吸心拍監視、経皮的動脈血酸素飽和度測定若しくは非観血的連続血圧測定又は喀痰吸引若しくは酸素吸入の費用は、所定点数に含まれるものとする。 (1)胸部手術後肺水腫を併発し、応急処置として閉鎖循環式麻酔器による無水アルコールの吸入療法を行った場合は、人工呼吸の所定点数により算定し、これに要した無水アルコールの費用については区分番号「J300」薬剤により算定する。

(2)D220 呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)、カルジオタコスコープ、D223 経皮的動脈血酸素飽和度測定又はD225-2 非観血的連続血圧測定を同一日に行った場合は、これらに係る費用は人工呼吸の所定点数に含まれる。

(3)喀痰吸引、干渉低周波去痰器による喀痰排出、酸素吸入及び突発性難聴に対する酸素療法の費用は、所定点数に含まれる。

(4)閉鎖循環式麻酔装置による人工呼吸及びマイクロアダプター(人工蘇生器)を使用して、酸素吸入を施行した場合は、実施時間に応じて人工呼吸の所定点数により算定する。また、ガス中毒患者に対して、閉鎖循環式麻酔器を使用し、気管内挿管下に酸素吸入を行った場合も同様とする。なお、この場合、酸素吸入の費用は人工呼吸の所定点数に含まれ、別に算定できない。

(5)気管内挿管下に閉鎖循環式麻酔器による酸素加圧により、肺切除術後の膨張不全に対して肺膨張を図った場合は、実施時間に応じて人工呼吸の所定点数により算定する。

(6)閉鎖循環式麻酔装置による人工呼吸を手術直後に引き続いて行う場合には、区分番号「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔の所定点数に含まれ、別に算定できない。また、半閉鎖式循環麻酔器による人工呼吸についても、閉鎖循環式麻酔装置による人工呼吸と同様の取扱いとする。

(7)新生児の呼吸障害に対する補助呼吸装置による持続陽圧呼吸法(CPAP)及び間歇的強制呼吸法(IMV)を行った場合は、実施時間に応じて人工呼吸の所定点数により算定する。

(8)鼻マスク式人工呼吸器を用いた場合は、PaO /2 FIO2が300mmHg以下又はPaCO2が45mmHg以上の急性呼吸不全の場合に限り人工呼吸に準じて算定する。

(9)区分番号「C107」在宅人工呼吸指導管理料を算定している患者(これに係る在宅療養指導管理材料加算のみを算定している者を含み、入院中の患者を除く。)については、人工呼吸の費用は算定できない。
2 区分番号C107に掲げる在宅人工呼吸指導管理料を算定している患者に対して行った人工呼吸の費用は算定しない。

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区分 L008 マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔 1 人工心肺を用い低体温で行う心臓手術、区分番号K552-2に掲げる冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)であって低体温で行うものが行われる場合又は分離肺換気及び高頻度換気法が併施される麻酔の場合
 別に厚生労働大臣が定める麻酔が困難な患者に行う場合 24,900点
 イ以外の場合 18,300点

2 坐位における脳脊髄手術、人工心肺を用いる心臓手術(低体温で行うものを除く。)若しくは区分番号K552-2に掲げる冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)(低体温で行うものを除く。)が行われる場合又は低血圧麻酔、低体温麻酔、分離肺換気による麻酔若しくは高頻度換気法による麻酔の場合(1に掲げる場合を除く。)
 別に厚生労働大臣が定める麻酔が困難な患者に行う場合 16,600点
 イ以外の場合 12,200点

3 1若しくは2以外の心臓手術が行われる場合又は伏臥位で麻酔が行われる場合(1又は2に掲げる場合を除く。)
 別に厚生労働大臣が定める麻酔が困難な患者に行う場合 12,450点
 イ以外の場合 9,150点

4 腹腔鏡を用いた手術若しくは検査が行われる場合又は側臥位で麻酔が行われる場合(1から3までに掲げる場合を除く。)
 別に厚生労働大臣が定める麻酔が困難な患者に行う場合 9,130点
 イ以外の場合 6,710点

5 その他の場合
 別に厚生労働大臣が定める麻酔が困難な患者に行う場合 8,300点
 イ以外の場合 6,100点
注1 一の当該全身麻酔において複数の項目に係る手術等が行われる場合には、最も高い点数の項目により算定する。 (1)ガス麻酔器を使用する閉鎖式・半閉鎖式等の全身麻酔を20分以上実施した場合は、本区分により算定する。

(2)静脈注射用麻酔剤を用いて全身麻酔を実施した場合であって、マスク又は気管内挿管による酸素吸入又は酸素・亜酸化窒素混合ガス吸入と併用する場合は、20分以上実施した場合は、本区分により算定する。

(3)本区分の全身麻酔の実施時間は、当該麻酔を行うために閉鎖循環式全身麻酔器を患者に接続した時点を開始時間とし、患者が当該麻酔器から離脱した時点を終了時間とする。なお、これ以外の観察等の時間は実施時間に含めない。

(4)麻酔が困難な患者とは、以下に掲げるものをいい、麻酔前の状態により評価する。
 心不全(NYHAIII度以上のものに限る。)の患者
 狭心症(CCS分類III度以上のものに限る。)の患者
 心筋梗塞(発症後3月以内のものに限る。)の患者
 大動脈閉鎖不全、僧帽弁閉鎖不全又は三尖弁閉鎖不全(いずれもII度以上のものに限る。)の患者
 大動脈弁狭窄(大動脈弁平均圧較差50mmHg以上のものに限る。)又は僧帽弁狭窄(僧帽弁平均圧較差10mmHg以上のものに限る。)の患者
 埋込型ペースメーカー又は埋込型除細動器を使用している患者
 先天性心疾患(心臓カテーテル検査により平均肺動脈圧25mmHg以上であるもの又は、心臓超音波検査によりそれに相当する肺高血圧が診断されているものに限る。)の患者
 肺動脈性肺高血圧症(心臓カテーテル検査により平均肺動脈圧25mmHg以上であるもの又は、心臓超音波検査によりそれに相当する肺高血圧が診断されているものに限る。)の患者
 呼吸不全(動脈血酸素分圧60mmHg未満又は動脈血酸素分圧・吸入気酸素分画比300未満のものに限る。)の患者
 換気障害(1秒率70%未満かつ肺活量比70%未満のものに限る。)の患者
 気管支喘息(治療が行われているにもかかわらず、中発作以上の発作を繰り返すものに限る。)の患者
 糖尿病(HbA1cがJDS値で8.0%以上(NGSP値で8.4%以上)、空腹時血糖160mg/dL以上又は食後2時間血糖220mg/dL以上のものに限る。)の患者
 腎不全(血清クレアチニン値4.0mg/dL以上のものに限る。)の患者
 肝不全(Child-Pugh分類B以上のものに限る。)の患者
 貧血(Hb6.0g/dL未満のものに限る。)の患者
 血液凝固能低下(PT-INR2.0以上のものに限る。)の患者
 DICの患者
 血小板減少(血小板5万/uL未満のものに限る。)の患者
 敗血症(SIRSを伴うものに限る。)の患者
 ショック状態(収縮期血圧90mmHg未満のものに限る。)の患者
 完全脊髄損傷(第5胸椎より高位のものに限る。)の患者
 心肺補助を行っている患者
 人工呼吸を行っている患者
 透析を行っている患者
 大動脈内バルーンパンピングを行っている患者
 BMI35以上の患者

(5)流量計を装置した酸素ボンベ及びエーテル蒸発装置を使用し、気管内チューブ挿入吹送法又はノンレブリージングバルブを使用して麻酔を維持した場合は本区分により算定できる。

(6)本区分について「通則3」の加算を算定する場合の所定点数は、「注2」、「注4」、「注5」及び「注7」による加算を含むものとする。

(7)麻酔の種類等について
「心ア臓手術」とは、開胸式心大血管手術をいう。
 「低血圧麻酔」とは、手術操作を安全にし、出血量を減少させる目的で、脳動脈瘤手術や出血しやすい手術の際に、低血圧の状態を維持する麻酔をいう。なお、この場合の「低血圧」とは概ね、患者の通常収縮期血圧の60%又は平均動脈圧で60~70mmHgを標準とする。
 「高頻度換気法」とは、特殊な換気装置を使用し、1回換気量を少なくし、換気回数を著しく増加させた換気法をいう。なお、この場合の「換気回数」は概ね1分間に60回以上である。
 「低体温麻酔」は、重度脳障害患者への治療的低体温では算定できない。

(8)麻酔の種類等における実施時間について
 「低体温麻酔」については、クーリングを開始した時点から復温する時点までをいう。
 「低血圧麻酔」については、人為的低血圧を開始した時点から低血圧を離脱する時点までをいう。
 「高頻度換気法による麻酔」については、特殊な換気装置を作動させた時点から終了させた時点までをいう。
 「人工心肺を使用した麻酔」については、人工心肺装置に接続し装置を動かし始めた時点から装置を停止した時点までをいう。

(9)複数の点数に分類される麻酔や手術が一の全身麻酔の中で行われる場合においては、行われた麻酔の中で最も高い点数のものを算定する。なお、ここでいう一の全身麻酔とは、当該麻酔を行うために閉鎖循環式全身麻酔器を接続した時点を開始とし、患者が麻酔器から離脱した時点を終了とする麻酔をいう。

(10)臓器移植術加算は、K514-4同種死体肺移植術、K605-2同種心移植術、K605-4同種心肺移植術、K697-7同種死体肝移植術、K709-3同種死体膵移植術、K709-5同種死体膵腎移植術又はK780同種死体腎移植術が算定できる場合に限り算定する。

(11)麻酔の実施時間
 全身麻酔の実施時間は、(3)により計算する。
 当該麻酔の開始時間及び終了時間を麻酔記録に記載すること。
 複数の点数の区分に当たる麻酔が行われた場合は、以下のように算定する。
(イ)同じ点数区分にある麻酔の時間について合算する。
(ロ)麻酔時間の基本となる2時間については、その点数の高い区分の麻酔時間から順に充当する。
(ハ)(ロ)の計算を行った残りの時間について、それぞれ「注2」の規定に従い30分又はその端数を増すごとに加算を行う。
(ニ)(ハ)の場合において、各々の区分に係る麻酔が30分を超えない場合については、それらの麻酔の実施時間を合計し、その中で実施時間の長い区分から順に加算を算定する。なお、いずれの麻酔の実施時間も等しい場合には、その中で最も高い点数の区分に係る加算を算定する。

例1 麻酔が困難な患者以外の患者に対し、次の麻酔を行った場合
1. 最初に仰臥位で10分間
2. 次に伏臥位で2時間30分間
3. 最後に仰臥位で20分間
の計3時間の麻酔を行った場合
基本となる2時間に2の2時間を充当9,150点
2の残り30分の加算900点
仰臥位で行われた1と3を合計して30分の加算600点
算定点数10,650点

例2 麻酔が困難な患者に対し、次の麻酔を行った場合
1. 最初に仰臥位で10分間
2. 次に側臥位で1時間20分間
3. 最後に仰臥位で47分間
の計2時間17分の麻酔を行った場合
基本となる2時間に2の1時間20分+1と3の57分のうち40分9,130点
1と3の残り17分の加算600点
算定点数9,730点

例3 麻酔が困難な患者に対し、次の麻酔を行った場合
1. 最初に仰臥位で5分間
2. 次に側臥位で21分間
3. 次に分離肺換気で1時間27分間
4. 次に側臥位で30分間
5. 最後に仰臥位で5分間
の計2時間28分の麻酔を行った場合
基本となる2時間に3の1時間27分+2と4の51分のうち33分
16,600点
2と4の残り18分+1と5の10分の合計28分の加算660点
算定点数17,260点

例4 麻酔が困難な患者に対し、次の心臓手術の麻酔を行った場合
1. 最初に仰臥位で10分間
2. 次に心臓手術を人工心肺装置を使用せずに45分間
3. 次に心臓手術を人工心肺装置を使用して2時間25分間
4. 次に心臓手術を人工心肺装置を使用せずに1時間
5. 最後に仰臥位で10分間
の計4時間30分の麻酔を行った場合
基本となる2時間に3の2時間を充当16,600点
2+4で1時間45分となり、このうち30分×3の加算2,700点
3の残り25分間に4の残り15分間のうち5分間を加算1,200点
1 5の20分間に4の残り10分間を加算600点
算定点数21,100点

(12)酸素・窒素(注3)
 酸素又は窒素の価格は、「酸素及び窒素の価格」(平成2年厚生省告示第41号)の定めるところによる。
 酸素及び窒素を動力源とする閉鎖循環式麻酔装置を使用して全身麻酔を施行した場合、動力源として消費される酸素及び窒素の費用は、「注3」の加算として算定できない。

(13)硬膜外麻酔加算(注4)
硬膜外麻酔を併せて行った場合は、その区分に応じて「注4」に掲げる点数を所定点数に加算し、さらにその実施時間に応じて「注5」に規定する加算を算定する。

(14)所定点数に含まれる費用
 本区分の麻酔法の際に使用するソーダライム等の二酸化炭素吸着剤の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。
 区分番号「D220」呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)、カルジオタコスコープの検査に要する費用は本区分の所定点数に含まれ、本区分の所定点数を算定した同一日においては、麻酔の前後にかかわらず、当該検査に要する費用は別に算定できない。
 体温(深部体温を含む。)測定の検査に要する費用は本区分の所定点数に含まれ、別に算定できない。
 経皮的動脈血酸素飽和度測定又は終末呼気炭酸ガス濃度測定に要する費用は所定点数に含まれ、本区分の所定点数を算定した同一日においては、麻酔の前後にかかわらず、経皮的動脈血酸素飽和度測定及び終末呼気炭酸ガス濃度測定は別に算定できない。

(15)「注7」に規定する術中経食道心エコー連続監視加算は、手術患者の心臓機能を評価する目的で経食道心エコー法を行った場合に算定できる。

(16)「注7」でいう、麻酔が困難な患者のうち冠動脈疾患または弁膜症の患者とは、(4)のイ、ウ、エ、オに掲げるものをいい、麻酔前の状態により評価する。
2 全身麻酔の実施時間が2時間を超えた場合は、30分又はその端数を増すごとに、次に掲げる点数を所定点数に加算する。
 1に掲げる項目に係る手術等により実施時間が2時間を超えた場合 1,800点
 2に掲げる項目に係る手術等により実施時間が2時間を超えた場合 1,200点
 3に掲げる項目に係る手術等により実施時間が2時間を超えた場合 900点
 4に掲げる項目に係る手術等により実施時間が2時間を超えた場合 660点
 5に掲げる項目に係る手術等により実施時間が2時間を超えた場合 600点
3 酸素を使用した場合は、その価格を10円で除して得た点数(酸素と併せて窒素を使用した場合は、それぞれの価格を10円で除して得た点数を合算した点数)を加算する。酸素及び窒素の価格は、別に厚生労働大臣が定める。
4 硬膜外麻酔を併せて行った場合は、次に掲げる点数を所定点数に加算する。
 頸・胸部 750点
 腰部 400点
 仙骨部 170点
5 注4について、硬膜外麻酔の実施時間が2時間を超えた場合は、30分又はその端数を増すごとに、注4のイからハまでに掲げる点数にそれぞれ375点、200点、85点を加算する。
6 マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔と同一日に行った区分番号D220に掲げる呼吸心拍監視の費用は、所定点数に含まれるものとする。
7 心臓手術が行われる場合又は別に厚生労働大臣が定める麻酔が困難な患者のうち冠動脈疾患若しくは弁膜症のものに行われる場合において、術中に経食道心エコー法を行った場合には、術中経食道心エコー連続監視加算として、所定点数に880点を加算する。
8 同種臓器移植術(生体を除く。)の麻酔を行った場合は、臓器移植術加算として、所定点数に15,250点を加算する。

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区分 B004-6 歯科治療総合医療管理料 140点
注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とする患者であって別の保険医療機関(歯科診療を行うものを除く。)から歯科治療における総合的医療管理が必要であるとして文書により診療情報の提供を受けたものに対し、第8部処置(区分番号I009、区分番号I009-2、区分番号I010及びI011-3に掲げるものを除く。)、第9部手術又は第12部歯冠修復及び欠損補綴 (区分番号M001から区分番号M002までに掲げるものに限り、全身麻酔下で行うものを除く。)を行うに当たって、必要な医療管理を行った場合に、月1回に限り算定する。 (1)歯科治療総合医療管理料は、別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とする患者で病の担当医から歯科治療を行うに当たり、総合的医療管理が必要であるとして診療情報提供料に定める様式に基づいた患者の全身状態等に係る診療情報提供を受けた患者に対し、必要な医療管理を行った場合に算定する。また、当該主病の担当医からの情報提供に関する内容及び担当医の所属保険医療機関名等について診療録に記載すること。

(2)歯科治療総合医療管理料を算定する保険医療機関においては、全身状態の把握、管理等に必要な呼吸心拍監視装置等の機器、機材等が整備されていること。

(3)歯科治療総合医療管理料は、当該主病の担当医から歯科治療を行うに当たり、全身状態の把握、管理等が必要であるとして紹介を受けた患者に対し、担当医からの情報提供等に基づき、歯科医師が歯科治療に際して、患者の全身状態の管理を行った場合に算定する。
なお、当該医療管理料を算定する場合は、管理内容及び患者の全身状態の要点を診療録あって、別の医科の保険医療機関の当該主に記載すること。

(4)歯科治療総合医療管理料は、同一暦月につき1回に限り算定できる。ただし、同一の患者について、歯科治療総合医療管理料を算定した月においては、区分番号C001-4に掲げる在宅患者歯科治療総合医療管理料は算定できない。

(5)歯科治療総合医療管理料には、呼吸心拍監視、新生児心拍・呼吸監視、カルジオスコープ(ハートスコープ)、カルジオタコスコープ及び簡単な鎮静の費用が含まれ、別に算定できない。

(6)主病とは、当該患者の全身的な医療管理が必要となる主たる疾患をいう。
2 同一の患者につき同一月に歯科治療総合医療管理料を算定すべき医療管理を2回以上行った場合においては、第1回目の医療管理を行ったときに算定する。
3 鎮静及び医科点数表の区分番号D220に掲げる呼吸心拍監視に係る費用は、所定点数に含まれるものとする。
4 区分番号B000-6に掲げる周術期口腔機能管理料(I)、区分番号B000-7に掲げる周術期口腔機能管理料(II)又は区分番号B000-8に掲げる周術期口腔機能管理料(III)は、別に算定できない。

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