コニカミノルタについて
感光体の高耐久化は、お客様へのサービスコストの低減のみならず、環境負荷、特に省資源や廃棄物削減の観点からも重要な課題です。コニカミノルタは、感光体の表面保護層に着目し、高耐久化を図りました。
有機感光体(Organic Photconductor;以下OPCと記す)は、帯電、露光、現像、クリーニングの各電子写真プロセスから種々の機械的、電気的、化学的なストレスを受けていますが、特に繰り返しの画像形成を行う過程で発生する摩耗や傷は、OPCの寿命を決定する重要な劣化要因となっています。特に近年のカラープロセスではクリーニング部材としてのブレードやブラシに加え、中間転写ベルトによる機械的ストレスが加わり、OPCの使用環境はさらに苛酷になっています。このような背景から、OPCには耐摩耗性、耐傷性の向上が強く望まれています。検討を進めた結果、電荷輸送層にナノサイズのフィラーを分散した表面保護層を設置することで、高耐久性OPCが得られることを見出しました。
フィラーの選定にあたっては、保護層の表面硬度が高く、光透過性が確保できるナノサイズの金属酸化物微粒子に着目しました。また、静電特性の観点から、特に帯電性を確保するためにはフィラーの比誘電率は小さい方が望ましく、シリカ微粒子を選定しました。さらに、製造安定性の観点から、塗液中のフィラーが沈降しないことが望ましく、比重が小さいシリカ微粒子は有利ということで、金属酸化物微粒子としてシリカ微粒子を選択しました。

図1:フィラーの添加量と膜強度の関係
図1は、表面保護層中のシリカ微粒子の添加量と膜強度の関係をプロットしたものです。添加量が少ないとフィラー効果が小さく深い傷が入り、過剰に添加すると膜質が脆くなり部分的に破断が生じます。
従って、フィラー効果で膜強度の向上が可能な適正な範囲で添加量をコントロールすることが重要となります。
図2は、シリカ微粒子を20wt%添加したOCLを設置したOPCの耐摩耗性を示したものですが、従来のOPCと比較して、大幅に摩耗量が低減されています。実際にはプロセスによって機械的ストレスが異なるため、適正な添加量を選択することとなります。
図3に示すように、実際にbizhub PRO C6500を用いた試験においても、OCLを設置したOPCは、400kプリントにわたって良好な電位安定性と画像特性を持続できることを確認しています。
シリカ微粒子の添加量を各プロセス条件に適合させることにより、bizhub C650では従来の3倍の高耐久化を実現し、廃棄物の削減に貢献しています。

図2:従来OPCとの摩耗量の比較

図3:フィラー表面層を施したOPCの電位安定性