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プリンテッドエレクトロニクス用途初、微小液滴・高精度インクジェットヘッドを新開発
~独自のMEMS技術を採用した工業用次世代インクジェットヘッド~

2012年2月14日

コニカミノルタIJ株式会社(本社 東京都日野市、社長:大野彰得、以下コニカミノルタ)は、コニカミノルタとして初のMEMS技術を用い、プリンテッドエレクトロニクス用途初の、微小液滴 1pl(ピコリットル:1ピコリットルは、1兆分の1リットル )で吐出できる高精度インクジェットヘッドの開発に成功し、今春よりサンプル販売を開始する予定です。


新開発インクジェットヘッド KM128SNG-MB
この新開発インクジェットヘッド『KM128SNG―MB』は、半導体プロセス技術を用いたシリコンMEMS技術を用いて製造された次世代インクジェットヘッドです。この技術により微小液滴の吐出が可能な微細ヘッド構造(38mm幅、1列、128ノズル)の開発に成功しました。インク流路設計、高精度組立加工技術により、微小液滴を高精度でかつ安定して配列することが可能です。また工業用途で求められる耐インク性や低粘度インクでの適性も備えています。MEMS技術の採用によって、ノズル集積化も可能となり、ヘッド本体のコンパクト化などのメリットを達成しました。今後の市場からのご要望に応じてさらなるノズル集積化も視野に入れております。新開発インクジェットヘッドの具体的な用途としては、有機ELディスプレイのパターニング、有機EL照明の薄膜層のコーティング、スマートフォンなど高精細が要求される高付加価値ディスプレイなどの新しい製造技術としての活用があげられます。

次世代のフレキシブルディスプレイを含めた、プリンテッドエレクトロニクス市場は、2020年に約2兆円の市場規模(コニカミノルタ調べ)が見込まれ、この新開発インクジェットヘッドの活用が大いに期待されています。昨年、コニカミノルタは、『次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合(JAPERA)』に参加いたしました。イノベーティブな産業用インクジェット技術を通して、コニカミノルタは、近未来の省エネ、省資源、高生産性を実現する次世代プリンテッドエレクトロニクス技術の研究開発に貢献しています。

コニカミノルタは、コミュニケーションメッセージ「Giving Shape to Ideas 革新はあなたのために。」を掲げ、独自の精密加工技術、材料技術を活用して産業用インクジェット市場向けに、省エネ、省資源を特長とした、高性能で高付加価値なインクジェット製品(インクジェットヘッド、テキスタイルプリンター、高付加価値インクなど)を開発・製造しています。今回の新開発インクジェットヘッドを通じて、産業用途におけるインクジェット技術のさらなる用途拡大と市場の発展に貢献して参ります。

新開発インクジェットヘッド『KM128SNG―MB』の主な特長

  • 半導体プロセス技術を用いたシリコンMEMS技術を採用
  • プリンテッドエレクトロニクス用途初、1plの微小液滴
  • 38mm幅、1列、128ノズルの高精度微細ヘッド構造
  • ノズル毎の精密駆動による高精度で安定した吐出
  • 工業用途で優れた耐インク性、低粘度インクでの射出適性
  • 均一な薄膜塗布(100nmレベル)が可能
  • 有機ELなどのディスプレイ製造技術に最適
  • 専用DPN(Drive Per Nozzle)駆動ボード、評価装置を用意

『KM128SNG-MB』の主な製品仕様

液滴サイズ 1pl (ピコリットル)
ノズル数 128(1列)
印字幅 38mm
最大駆動周波数 15kHz
ノズル間隔 300μm
本体サイズ 67mm(W)× 40mm(D) × 70mm(H)
本体重量 約55g
インク適用粘度 1-5 mPa・s

主な用途

有機ELディスプレイ製造のパターニング、有機EL照明の薄膜層コーティング、
高精度ディスプレイ製造用途(スマートフォン、フレキシブルディスプレイなど)

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