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世界初 3接合型太陽電池専用
擬似基準太陽電池セル「Reference PV Cell AK-120/130/140」 新発売

2011年11月29日

コニカミノルタセンシング株式会社(本社:大阪府堺市、社長:唐﨑 敏彦 以下コニカミノルタ)は、世界初の3接合型太陽電池※1専用の擬似基準太陽電池セル※2「Reference PV Cell AK-120/130/140」を2012年2月より発売する予定ですのでお知らせいたします。


【商品名】 Reference PV Cell AK-120/130/140
【標準価格(税別)】 各480,000円
【発売日】 2012年2月予定
【主な特長】 ・スペクトルミスマッチ誤差※3 1%以下
・標準試験条件における短絡電流値付で、すぐに使用可能
・高い耐光性能
・多重反射による誤差ゼロ

近年、世界的な環境意識の高揚による代替エネルギー利用拡大の要求に伴い、太陽電池製造関連産業では、生産量増加に加え、エネルギー変換効率向上のための技術革新が進められています。従来の結晶シリコン型太陽電池だけではなく、薄膜系タンデム型、3接合型なども登場しています。 これら太陽電池の性能評価においては、ソーラーシミュレータ(擬似太陽光)の光を照射し、国際的な標準試験条件(STC)※4での特性(太陽電池の最大出力電力等)を測定します。

一方、ソーラーシミュレータの照射光をこのSTC条件の一つである基準太陽光と同等に設定する際には、産業技術総合研究所※5等のISO17025ラボ認定取得機関で校正された基準太陽電池(擬似基準太陽電池を含む)を用います。正確な性能評価のためには、この基準太陽電池セルの光学的特性や安定性が大変重要です。しかし、3接合型太陽電池では評価に使用する専用の擬似基準太陽電池セルがなく、ソーラーシミュレータを高精度に調整することができませんでした。

今回発売する擬似基準太陽電池セル「Reference PV Cell AK-120/130/140」は、独立行政法人産業技術総合研究所※5(太陽光発電工学研究センター 猪狩主任研究員)とコニカミノルタとの共同研究により開発された、世界初の3接合型(トップ/ミドル/ボトム)太陽電池専用擬似基準太陽電池セルです。安定した結晶シリコン系太陽電池セルの上に独自設計の光学フィルターを装着しています。多重反射を抑えるとともに高い耐光性能を備えており、高い精度と安定性を確保しています。
本製品により、今まで特別な評価機関以外では難しいとされていた3接合型太陽電池の評価が、太陽電池の開発・生産の現場においても信頼性の高い測定値を得ることが可能となり、3接合型太陽電池の研究開発のスピードアップと普及に貢献できるものと考えます。

擬似基準太陽電池セル「Reference PV Cell AK-120/130/140」の主な特長

1.スペクトルミスマッチ誤差※3 を1%以下に抑制

本製品は、コニカミノルタが色彩計で培った高度な光学フィルター技術を応用することで、従来困難とされていたスペクトルミスマッチ誤差※3 の大幅な低減を実現しました。JIS C-8942で等級Cとされるソーラーシミュレータを用いて太陽電池の性能評価をした場合でも、スペクトルミスマッチ誤差を1%以下に抑制することが可能です。

スペクトルミスマッチ誤差

製品名 太陽電池の種類 誤差※6
AK-120 トップ 0.2%
AK-130 ミドル 0.1%
AK-140 ボトム -0.1%

2.標準試験条件における短絡電流値が付いているので直ぐに使えます

本製品は、世界でも数機関しかない「一次基準太陽電池セル」を校正可能な研究機関である、独立行政法人産業技術総合研究所※5 との共同研究で開発したものであり、ソーラーシミュレータの調整に必要となる短絡電流の値(産総研の校正値にトレーサブル)を当社で機器ごとに付けています。このため、ご購入後すぐにご使用になれます。

3.高い耐光性能

光学フィルターを使った擬似基準セルは一般的に耐光性が低く、ソーラーシミュレータで連続照射していると特性が変化してしまい、正確に測定を行うことが困難です。本製品は、高い耐光性を持ち、ソラリゼーション(光照射の影響で特性が変化すること)を大幅に軽減しているため、長時間の使用でも安定性を確保することができます。

短絡電流の変化量

(ソーラーシミュレータで100mW/cm2の照度の光を連続100時間照射した場合)

AK-120 AK-130 AK-140
変化量 1%以下 1%以下 1%以下

4.多重反射による誤差をゼロに

擬似基準太陽電池では、ソーラーシミュレータからの照射光をガラスフィルターが反射してしまい※7、そのために測定誤差が生じやすくなります。 AKシリーズでは、光学系の改善を図ることによって、この多重反射を抑え、その誤差をゼロにすることに成功しました。
入射角0度の場合、既発売のAKシリーズと同様、本製品でも誤差0%となります。

※1
吸収波長域の異なる薄膜層を積層した多接合型太陽電池のうち、3層を積層したタイプのもの。
※2
基準太陽電池セルが被測定物と同等の分光感度を有するのに対し、擬似基準太陽電池セルは光学フィルターを用いて擬似的に 太陽電池の分光感度を被測定物の太陽電池と近似させている
※3
照射光源が、基準太陽光とソーラーシミュレータとで異なる事、及び分光感度が、被測定物と基準セルとで異なる事による誤差
※4
Standard Test Condition、放射強度1kw/m2、温度25℃ AM1.5G
※5
茨城県つくば市、理事長 野間口有。太陽電池の性能評価において、日本で唯一「一次基準セル」を校正する機関
※6
ソーラーシミュレータは JIS C 8912スペクトル合致度 クラスA の高平行度型を使用
※7
「下斗米 野々部 篠原 猪狩」太陽電池セルの出力特性測定における拡散光の影響について
日本学術振興会 第175委員会
第5回「次世代の太陽光発電システム」シンポジウム予稿集 241 頁~ 244 頁
【 擬似基準太陽電池セル「Reference PV Cell AK-120/130/140」の仕様 】
  AK-120 AK-130 AK-140
性能 スペクトルミスマッチ誤差 ±1% 以下 ±1% 以下 ±1% 以下
短絡電流Isc(25±1℃以内) 15 mA以上 10 mA以上 10 mA以上
受光面積 20 × 20 mm
開口部面積 47 × 47 mm
FOV 160度
FF 65%以上
機能 温度測定用検出器 PT-100
I-V測定用コネクター XLR型キャノンプラグ(JIS準拠)
温度測定用コネクター LEMOコネクター (WPVS準拠)
信頼性 使用温湿度範囲 20~30℃ 相対湿度 65%以下 結露しないこと
保管温湿度範囲 15~30℃ 相対湿度 30~75% 結露しないこと
短絡電流測定値 当社試験条件による測定値を試験成績書に記載
大きさ 120(幅)× 90(奥行) × 21.5(高さ)mm
質量 600 g
標準付属品 保管ケース PV-A01、M4ねじ(4本)、I-V測定用レセプター PV-A02、保護板 PV-A03、試験成績書、検査合格書
別売付属品 校正証明書(産総研トレーサブル)
注1
スペクトルミスマッチ誤差は、弊社測定基準で評価
スペクトルミスマッチ計算用にソフトウェアを弊社HPにて公開しております。
http://www.konicaminolta.jp/instruments/products/solar_battery/index.html

● ここに記載の内容、仕様および外観は都合により予告なしに変更する場合があります。

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