Guideコニカミノルタ転職ガイド

「自動車関連ソフトウェア企業」から「産業用インクジェットプリンターの開発」への転職ファームウェアの開発スキル

自らの手でソフトを開発できる場を求めてコニカミノルタへ。
「インクジェットで産業革命を起こす」、その可能性にも惹かれた。

写真:前川原 稔
上司前川原 稔
写真:駒田 直也
転職者駒田 直也インクジェット事業分野
開発部
プロフィールを見る

なぜ転職を考えた?

駒田
私はコニカミノルタで3社目です。新卒で入社したのは、半導体商社の組み込みソフトウェア受託開発部門で組み込みソフトの開発に4年ほど携わりました。しかし、半導体業界というのは景気の波が激しく、もっと安定した業界でキャリアを積みたいと大手自動車メーカーの関連会社に転職し、そちらでも車載機器の組み込みソフトの開発に関わりました。
前川原
私は面接に関わっていないので細かい事情までは把握していないのだけど、駒田さんはどうして転職を考えるようになったの?
駒田
前職では、実際の開発業務は外注に任せており、それを管理していく業務が主でした。私としては、自分で手を動かしてモノを作りたいという思いが強く、そうした環境にだんだん満足できなくなってきて……また、大手自動車メーカーの系列でしたので、あらかじめ決められた仕様が下りてきて、ただそれに沿って作っていくことにも窮屈さを感じていました。技術者をやるからには、自分の発想で開発してみたいと。
前川原
なるほど。いま私たちのグループでは、産業用のインクジェットプリンターを制御するマイコンのファームウェア開発を手がけているのだけど、駒田さんはこの分野に興味があったの?
駒田
いえ。実はコニカミノルタが産業用のインクプリンターを手がけていることすら知りませんでした。転職にあたっては、エージェントに登録して組み込みソフトの開発経験が活かせる企業を紹介してもらったのですが、そのうちの一社がコニカミノルタでした。コニカミノルタのことはMFP(複合機)で有名なメーカーというぐらいの認識しかなかったのですが、詳しく話をうかがってみると、テキスタイル(布地)に捺染するインクジェットプリンターのファームウェアの技術者を募集しているとのことで、まだ新しい分野なのでこれから伸びそうだと興味を持ったのです。

面接では何をアピールした?

前川原
面接はうちの部長と話をしたんだよね。何か印象に残っていることはある?
駒田
さきほど話したような、これまでの経歴や志望理由などをお伝えしたのですが、こちらから特に何か強くアピールしたことはありませんでした。逆に、部長のほうから「海外に行くことも多いけど大丈夫?」と問われたことが印象に残っていますね。それまで英語を使って仕事をしたことはなく、まったく自信はなかったのですが、チャンスがあるのならぜひ海外での仕事も経験してみたいと思っていたので、私としては望むところでした。
前川原
確かに海外に出張する機会は多いからね。私たちの事業部では、産業用のインクジェットヘッドそのものをプリンターメーカーなどに提供する事業と、そのヘッドを駆使したテキスタイルプリンターを自社生産する事業の大きく二つを展開しているけれども、そのどちらもお客様はほとんど海外の企業。当社のテキスタイルプリンターは、イタリアの捺染工場にも数々導入されているので、技術者が現地に赴いて保守や改善にあたることも頻繁にある。
駒田
私もすでに中国での展示会などへの出張を2回ほど経験しました。英語はいま猛勉強中です。

彼のどんなところが評価された?

前川原
駒田さんは入社後に私の課に配属になったのだけど、最初の印象は「面白い人だな」と。飲み会の場などでも、普通の人ならまず浮かばないような発想がどんどん出てきて、なかなかユニークな人財だなと思った。駒田さん自身は、自分のどんなところが評価されて採用されたと思っている?
駒田
どうなのでしょう……ただひとつ言えるのは、それまで培ってきた組み込みソフトの開発経験は評価してもらったと思います。動かす対象となる製品は違えども、ファームウェアの開発は基本的には応用が利きますからね。
前川原
そう、キャリア採用で応募される方には「自分はこういう技術が得意なので、コニカミノルタの事業にこういうふうに貢献したい」ときちんとアピールできることを望みたい。特にいま私たちの部門では、ソフトウェアの開発力をいっそう強化していかなければならないので、駒田さんのように実際にコーディング経験があり、ソフトウェアをきちんと理解している人は大いに歓迎したいね。
駒田
私が手がけているインクジェットプリンターを制御するファームウェア開発だけではなく、Linuxサーバー上でシステムを制御するソフトの開発や、Android OSベースでのアプリ開発など、新たな機能を持ったテキスタイルプリンターを製品化していくためにはさまざまなスキルを持ったソフトウェア技術者が必要。ですからこの分野に興味のある方は、ぜひ積極的にアプローチしてほしいですね。ここで活かせる経験はおそらくたくさんあると思いますから。

写真:対談の様子

入社後感じたギャップは?どう乗り越えた?

駒田
やはり苦労したのは「インクジェット」を扱うということですね。液体を制御する経験は初めてでしたし、これが本当に難しい。最初の頃は、前川原さんからいろいろと教授していただきました。そこから経験を積んで、いまは近々発表する最新鋭のテキスタイルプリンターのファームウェアの開発に関わっているのですが、制御が難しいことに加えて、その品質もきわめて高いレベルが求められます。
前川原
私たちが開発するテキスタイルプリンターは、お客様の工場内で稼働する生産設備であり、もし故障して停止してしまうような事態になれば、お客様の事業に大きな損失を与えてしまう。今回の最新鋭機は、従来よりもはるかに高速でプリントできることが大きなセールスポイントなんだけど、そうした状況下でも絶対にインク詰まりなどの不具合を発生させないよう、安定して動作させることが求められる。かなりハードルは高いよね。
駒田
本当にチャレンジングなんですが、いまは開発が純粋に楽しいです。確かに苦労することも多いのですが、このテキスタイルプリンターのひとつの基板を任され、要求分析から設計、実装、テストまで一貫してすべてを自ら担える。自分の考えを存分に反映することができ、それは前職では味わえなかった面白さですし、モチベーションもおのずと高まります。
前川原
確かに、検討から評価まですべて自分でリードできるのは、当事業部でのソフト開発の大きな醍醐味だと思う。しかもファームウェア開発は、実際にモノが動くのを目の当たりにできるから成果を実感できる。私はチームのメンバーたちに、実際に製品が納められた工場に視察に行かせて、生産現場でどのように装置が使われているのかを自分の眼で確かめさせている。そうすることで次の開発につながる新たな知見が得られると思うので、駒田さんにもこの新機種が市場に出たら、ぜひイタリアなどの海外の工場に出向いてほしい。
駒田
それは楽しみです。いまの前川原さんのお話で、またやる気が湧いてきました。

いまの彼の評価は?

前川原
開発業務に関しては高いパフォーマンスを発揮してくれているし、申し分ないと思う。今後は、新入社員やこれから入ってくるキャリア採用の若いメンバーを束ねて、リーダーとして当事業部のファームウェア開発を引っ張ってほしいと思っている。
駒田
それは私も意識しています。将来はぜひ、自分でプロジェクトを率いて革新的な製品を次々と世の中に送り出していきたいですね。
前川原
その心意気でぜひ。私たちが手がけるこのインクジェット事業は、捺染業界を変えられると思うしね。
駒田
確かに、うちの事業部長がよく「インクジェットで産業革命を起こす」というビジョンを私たちに向けて示していますが、私も決して夢物語ではないと感じています。紙へのプリントはすでにデジタル化されて表現の可能性や業務の生産性などが大いに向上しましたが、捺染、すなわち布地へのプリントは従来のアナログな方式のまま。それをデジタル化できれば、業界が一気に変わる。街にあふれているファストファッションにすべてコニカミノルタのテキスタイルプリンターが使われている、という未来を実現することだって不可能じゃない。こんなにチャレンジしがいのある仕事はそうないと思いますね。
前川原
インクジェットというのは、言うなれば「微小な液滴を飛ばす」技術であり、発想次第では捺染に限らず、いろんな分野に応用できるはず。これから入社されるみなさんと一緒に世の中に革新を起こしていきたいね。
写真:駒田 直也

転職者のプロフィール

2011年コニカミノルタ入社。半導体商社の組み込みソフトウェア受託開発部門で組み込みソフトの開発を4年、そして車載機器の組み込みソフトウェア開発を5年経験し、30歳を過ぎてから「自分の発想を活かし、自分の手でモノを作りたい」とコニカミノルタのインクジェット事業部に転職。

※所属、職名等は、インタビュー当時のものです。